はじめに
東京の美術品買取専門店 獏です。以前のブログで東京藝術大学美術学部の卒業生にインタビューをして、入学するまでの過程などを紹介させていただきました。※詳しくはコチラをご覧ください
今回のブログでは東京藝術大学の卒業後について、実際に卒業された方の実体験や大学が発表しているデータなどを見ながら紹介させていただきます。
卒業生の半分は大学院へ進学
結論を申し上げると学部生の多くは大学院へ進学します。大学側が発表しているデータをご覧ください。
https://www.geidai.ac.jp/wp-content/uploads/2017/05/6c75f02e528e5503f8f2492170b1c206.pdf
令和2年3月卒業者の進路状況を見ると、212名中113名は東京芸術大学大学院へ進学しています。どの学部に属しているかも若干進路が変わりますが、デザイン系の学生は就職している割合が高く、わりと有名な企業に就職している印象です。
ただ、油絵・日本画・立体などの学部生は進学している割合が多く見て取れます。
大学院卒業後は?
東京藝術大学に入学した約半数の学は同大学院に進学する結果となりました。海外の大学に進学する人も稀にいますが、多くの学生は学問の場から離れそれぞれの道へ歩みます。
通常の大学・大学院では多くの人は企業に就職する事が一つのゴールになるのではないでしょうか。企業などの組織に入り、与えられた役割を果たしながら成長していくでしょう。
しかしながら、東京藝術大学大学院を卒業した人たちの中には就職という道を選ばず、作家という道を選ぶ人も毎年一定数います。
作家活動の割合は?
卒業後に作家一本で生活できる人はごく僅かです。芸術家としてものづくりをしている人は多いですが、体感的に専業作家は1~2割くらいではないでしょうか。
多くの作家は予備校の講師や絵画教室などを兼業しながら作家活動をしています。また、広義に捉えれば普通に就職や結婚して、空いた時間で趣味の延長線上として作家活動をしている人もいるでしょう。
職業として作家活動を続けている人は非常に少ないのが現実です。
インタビューさせていただいた方は大学院を卒業して数年が経過しています。すべての卒業生がどのような進路を辿ったかは把握しているわけではないそうですが、現在も作家として活動している人は同学年でも数人程らしいです。
作家として活動を続ける意外なポイント
作家として活動し続けるためには、様々なものが必要となります。強い意志、行動力、そしてそれなりのお金も必要です。上記のポイントはすべて重要ですが、卒業後に活動されている方に聞くと【制作場所の確保】が意外と重要と言っていました。
必要な広さや条件は作品のジャンルや取り扱う素材によって様々ですが、その中でも立体作品を制作する場合には、工具を置けるスペースや、制作時の音(振動)の対策なども考えなければいけません。
今では共同アトリエも数多くあり、そういった場所を有料で借りる人や、東京都内では難しくても埼玉・千葉・神奈川で物件を見つけて場所を作る人もいます。
後は自身の活動を発信する場としてインターネット(作家自身のウェブサイトやSNSなど)の活用も積極的に行う必要があるという意見もあります。
作家の売り込み方も時代によって少しずつ変化しているようです。
まとめ
芸術系大学の最高学府である東京芸術大学を卒業しただけで必ずしも芸術家として活躍できると確約される訳ではないとしみじみと感じました。第一線の芸術家として活動している顔ぶれを見ると東京芸術大学出身の方をよく見かけますが、それ以外の芸術大学出身の方もたくさんいます。東京藝術大学に入学することにより質が良い教育が受けることが出来ますが、芸術家として成功するかどうかは自分次第ではないかと思います。
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