新作工芸・陶磁器

新作工芸・陶磁器の買取は
獏へご相談ください

陶器のジャンルは日本画と同様、古い作品ではなく20世紀以降に制作された作家作品と考えております。
陶器は茶道具と何が違うかとの疑問がでてくるかと思いますが、関わりが濃いため厳密には区別はないです。
個人的には茶道具は使うことに重きをおいている印象がありますが、新作工芸は作品自体を絵画の様に鑑賞する側面が強いかと感じます。
茶道具とは異なる側面から日用使いのお茶碗・花入れ等を芸術まで昇華した日本が誇る重要な財産です。
メトロポリタン美術館にも収蔵されており、世界からも評価されております。
陶器は人間国宝(重要無形文化財)の作家も多く、積極的に買取を行っておりますので是非ご相談ください。

新作工芸・陶磁器の買取相場
※23年1月時点

作家名 モチーフ 買取相場
千住博 ウォーターフォール 30~100
東山魁夷 白馬 20~90
有元利夫 蒼い風 ~70
草間彌生 かぼちゃ 200~1000
藤田嗣治 ねこ十態より 50~300
棟方志功 大首 ~300
浜口陽三 パリの屋根 ~140
長谷川潔 蝶のいる静物 ~20
草間彌生 ~400
藤田嗣治 オペラ座の夢 ~70

新作工芸・陶磁器とは?

近代以降に作られた、作家がはっきりとした作品

骨董や茶道具との線引きが難しいジャンルになりますが、大きく2つの条件を満たした作品を新作工芸・陶磁器と呼んでいます。

1つ目は、制作者がはっきりしていることです。昔の西洋絵画のように、工房単位で作品を制作していたため、作家というものは存在していなかったです。なので、絵画のように作者が分かるかが重要です。
2つ目は、制作年代です。明確な年数は決まっていませんが、1900年以前に作られた作品を骨董と呼び、それ以降の作品を新作工芸・陶磁器と呼びます。

焼き物の事を総称して<陶磁器>としていますが、明確には<陶器><磁器>に分けられますので、次に説明させていただきます。

陶器と磁器の違い

大きく原材料・焼き方の2つで分けられます。
まずは原材料の違いです。陶器は土モノと呼ばれるように、陶土と呼ばれる粘土が原材料です。耐久性を上げるために、ガラスの材料となる珪石(けいせき)や長石が混ぜられている事が多いです。
磁器は石モノと呼ばれ、原材料は石英や長石などの陶石です。これらを粉砕して粘土を混ぜて使います。

焼き方の違いは温度と方法に分けられます。
陶器は800〜1250℃で、磁器は1200〜1400℃で焼かれますので、磁器の方が焼成温度は高いと言えます。
焼く方法は焼成中に酸素を入れるかどうかが大きな違いになります。
酸素を十分取り込んで焼く方法は、酸化焼成と呼ばれています。焼成中は酸素を取り込まず、不完全燃焼の状態で焼きます。こちらの方が、高い技術が必要とされており、還元焼成と呼ばれます。陶器は酸化焼成と還元焼成どちらでも焼けますが、磁器は還元焼成のみでしか焼けません。

産地により特色が分かれている

現代の陶磁器作家は備前、九谷、有田、益子、美濃、京焼などの産地出身の方が多でしょう。代表的な作家は、備前焼は金重陶陽。有田焼は酒井田柿右衛門や今泉今右衛門。益子は浜田庄司。美濃は加藤唐九郎。京焼は河井寛次郎が挙げられます。産地により特色がハッキリとしており、有名作家も産地の特色を軸にしながら独自の個性を出しています。

買取の際必要な付属品は?

共箱(ともばこ)

共箱(ともばこ)とは?

共箱(ともばこ)とは陶磁器を入れる木箱に、作家のサインとタイトルが書かれているものです。材料には桐が使われている事が多いです。サイン等は箱の一番目立つところに入っていますが、作家によっては箱の底に目立たないように書いている人もいます。

共箱は作品保護の目的と作品保証の目的があります。
共箱が無いと買取価格に大きく影響しますので注意が必要です。具体的には通常価格の2~5割程になりますので、非常に重要なものです。

作品の保護

当たり前ですが陶磁器は割れ物です。茶道で使用する際は持ち運ぶ場合もありますので、作品を保護するものが必要となります。
安価な作品ですと<合わせ箱>と呼ばれる厚紙で作られた箱に入れられています。ある程度の金額になると木箱に入れられるようになります。

作品保証の目的<共箱にもランクあり!

共箱は作品を保証する役目もあり、買取に関して重要な判断材料となります。
絵画の額縁と一緒で付属品が良いほど作品が評価されている証になり、真贋に関しても重要な判断材料になります。共箱にもランクがあり、人間国宝などの高価な作家は良質な箱を使っている事が多い印象です。ただ、民藝運動に傾倒していた作家は日用品の美を追求していたので高価ではない共箱に入っている印象です。

良質な共箱は、手触り、見た目、作り方で判断!

良い手触りとは、指でなぞっても引っかからず丁寧にやすりがけされています。反対に安価な箱は指でなぞると引っかかり、やすりがけが不十分です。
良い見た目は、木の木目が上品で、蓋が丸みを帯びて作られています。共箱自体が作品かのような美しさがあります。作り方も丁寧で、箱を形成する際の接着部分が美しく仕上げられています。これらのように細部までこだわっている共箱は高価で、価値が高い作品にしか使用されません。

共箱にサインとタイトル以外に書かれているものは?

作家によってはサインとタイトル以外に<銘>を付けているケースがあります。銘とは、作家が制作した作品の中でも気に入ったものだけに付けられる名前のようなものです。タイトルは作品の形態(備前茶碗など)を表していますので、それとは区別して評価します。
他には<書付>と呼ばれるものがあります。書付とは茶道の家元が、上質な作品に書くお墨付きのようなものです。表千家や裏千家など著名な家元だと買取価格があがります。

新作工芸・陶磁器のダメージとは?

新作工芸・陶磁器の評価は<誰が作った作品か?>が重要なポイントです。作家の評価や作品の出来によって買取価格が決まるのですが、作品の状態も買取価格を決定する重要なポイントです。美術品の買取を行っている業者でも、美術品専門店からリサイクルショップまであります。少しでも高く売るためには売却するお客様自身も多少の知識(業界のルール)を知っていた方が良いと思います。なので、今後売却の予定がある時のために陶磁器(茶道具)のダメージについて紹介をさせていただきます。

ダメージは大きく分けて2種類あります。<作品のダメージ><共箱のダメージ>です。茶道具を含む陶磁器作品はダメージに関して原点方式なので注意が必要です。1つの傷をとっても、程度により評価額は変わります。

作品のダメージ

まずは作品のダメージを見ていきます。<ホツ><アタリ><ニュウ><貫入><ソゲ><スレ><窯キズ><直し><欠け>などが代表的な瑕疵です。

<ホツ>は、小さい欠けのことです。
<アタリ>は、硬いものにぶつけたりして生じた傷等です。
<ニュウ>は、胎土まで達している極細のヒビのことです。
<貫入>は、釉薬のみに入っている極細のヒビのことです。
<ソゲ>は、表面や釉薬が剥離している状態のことです。
<スレ>は、作品の表面に細かな摩擦痕等ができ、擦り傷のような状態になった時の表現です。
<窯キズ>は、作品を焼成する際にできる傷の総称です。
<直し>は、金継など修復された作品の総称です。

以上、簡単に羅列させていただきましたが、名称だけ見ても油絵や版画と比べても多く、非常に細かく分けられています。それぞれのダメージを的確に判断するため長年の経験が必要になりますので、職業として専門的に扱っていないと判別は難しいかと思います。
また、近年の陶芸家も現代作家のように多種多様な表現方法を模索して、進歩的な作品を作っています。あえて表面上の釉薬を割る、釉薬をまだらにかけて焼成する等、最初から痛みが出ているような見た目の作品もあります。こうした作品に出合うと意図的な痛みか通常の痛みかの判別が難しく、その作家の作品などの予備知識がないと判断できないです。
なので、陶磁器作品は100%状態を見極められるようになるまで時間を要します。
より簡単なダメージだけ抜粋して紹介させていただきます。

買取の際のポイント

ポイントは2つです。欠けている作品と修復している作品は大幅に評価が下がります。買取のポイントの所で共箱が無い作品は評価が下がると記載させていただきましたが、この2つのダメージがある作品は値段がつかなくなるか、0に近い金額になります。

欠けている作品

欠けている作品は一目瞭然ですが、修復作品も同等程度の扱いになってしまいます。
まず、欠けている作品には割れている作品も含まれ、陶磁器の場合は作品本体が傷ついたらかなり厳しいです。上で述べたように意図的かどうか判断を迷うような軽微な痛みは金額をつける余地はあります。

修復している作品

茶道具でよく見かける金継(きんつぎ)で修復された作品は、茶道の世界では良いとされていますが、美術品買取の世界ではダメージと判断します。文化財などで金継されている作品もありますが、美術館は歴史上の価値や文化に重きをおきますので商業的な立場とは考え方が異なります。
金継とは修復痕をあえて金色で目立たせる修復技法です。普通でしたら傷の痕は隠したいのが人情ですが、あえて目立たせるという日本独特の粋な世界観から生まれました。考え方は素晴らしいですが買取時は傷がついた作品として扱いますのでご理解ください。

結論

陶磁器作品は傷に関して非常にシビアです。油絵や版画のように金額の幅が殆ど無いと言ってよいでしょう。0か100です。地震大国なので限界がありますが、その中でも作品の保管には気を付けてください。

共箱のダメージ

共箱のよくあるダメージは<ヤケ><シミ><傷><汚れ>などがあります。
共箱とは作品の保証書と作品保護の役割があります。日本の陶磁器(茶道具を含む)は<作品+共箱>で商品として成立します。作品が無いのは論外ですが、共箱が評価に影響する度合いは高いです。その為、共箱も重度なダメージがあるとマイナス評価になります。当社では保管上発生した、やむを得ない傷は評価に影響しません。
では1つずつ見ていきましょう。

ヤケ

直射日光が当たる場所に置いておくと木が変色してヤケが発生します。画像のように、やけていない部分との差が大きいと多少評価が下がります。

シミ

湿気が溜まる場所に置いておくとシミが発生します。発生範囲が広く、濃いシミだと多少評価が下がります。

共箱に対する物理的なダメージです。箱が割れていたり、へこんでいたりすると多少評価が下がります。

汚れ

よく見かける汚れは動物の糞です。作品を納屋や屋根裏部屋とかに保管している場合に見受けられます。蔵などに保管されている作品は特に多い印象です。この画像のように黒く見えるシミは動物の糞による汚れです。程度によりますが、多少評価が下がります。

陶磁器(茶道具)を長持ちさせるには?

適切な保管場所は?

まず作品と共箱は分けて考えた方が良いでしょう。ダメージが発生する理由が異なりますので、分けて考えてみます。

作品

物理的なダメージに気を付けましょう。そもそも陶磁器は作品を焼成するときに何百度といった環境に置かれますので、熱さや湿気には強いです。たまに作品でもシミがでることがありますが、基本的に拭けば取れます。
物理的なダメージの予防策は、地震対策で販売されている転倒防止のシールなどで固定するのと、窓付きの棚やショーケースで保管するくらいしかありません。当たり前で恐縮ですが、陶磁器作品は箱から出している時は常にリスクと隣り合わせになりますの、先ほど提案したことぐらいしか予防策は無いのが現状です。

共箱

油絵や版画と同じに考えましょう。つまり、最低限でも温度・湿度・直射日光に注意する必要があります。理想の温度は20~22℃、湿度は50~55%ですが、一般のご家庭では現実的ではありません。汚れ(動物の糞)などの事も考慮すると、比較的温度管理がされている時間が長いリビングや寝室に保管するのが良いかと思います。共箱の方がダメージは出やすいので注意が必要です。

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  • 店舗での買取

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    ※エリアや作品の内容によっては、お伺いできない場合もございます。
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    作品の内容やお住まいのエリアによって、作品を宅急便で送っていただき 当社で現物を確認してから振込いたします。
    ※ガラスや額が破損しますと作品が傷ついてしまうため厳重に梱包をお願いします。

絵画買取・美術品買取の
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株式会社獏の絵画・美術品の買取には4つの方法があり、お客様のご都合に合わせて買取方法をお選びいただけます。
絵画や美術品の点数が多いなどの場合は無料の出張買取(無料)をおすすめしております。是非、絵画・美術品買取専門店獏へお問い合わせください。

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