堂本印象

堂本印象の版画・日本画の買取価格とポイント

1891年~1975年 物故作家。
京都市生れの日本画家。生家は酒造業であったが父の代に事業に失敗して没落する。1921年に京都市立絵画専門学校を卒業する。在学中は西山翠嶂の塾にも学び第1回帝展に「深草」が初入選する。1925年には「華厳」で帝国美術院賞を受けるなど、若い頃から才能を発揮する。1934年に画塾・東丘社を創立する。また、京都絵専教授をつとめるなど後進育成にも力を入れる。この頃にパリ、ニューヨーク、トリノ等で個展を開き日本以外での活動も目立つ。帝展、文展、日展等官展の審査員をしばしばつとめ、1950年には日本芸術院会員となる。1961年に文化勲章を受章する。1966年には京都衣笠山の麓に「京都府立 堂本印象美術館」を設立する。享年84歳。

京都府立 堂本印象美術館

堂本印象の作品の買取ポイント

堂本印象の作風は日本画風のものから淡い風景作品までさまざま

堂本印象は極めて多作の作家でしょう。現在でもよくお問い合わせをいただく作家ですが、多作の弊害で人気度合いにばらつきがあり、値段がつきやすい作品とそうではない作品とで価格の幅がでやすいのが現状です。
堂本印象の作品は古典的な日本画の表現様式が基礎となり、晩年に向かうごとにパステルカラーを基調とした淡い風景作品に変化していきます。最終的には抽象作品も描くようになりますが、市場に出回っている作品を大別すると「古典的な画風」と「パステルカラーを基調とした画風」です。現在の市場動向を考慮すると、後者の作風が高い評価を得ています。

堂本印象の作品の現在の評価と価値

堂本印象の作風で述べましたが多作の作家のため、作品により買取価格のバラツキが出やすいです。画風だけではなく、短冊、掛軸、扇面、絹本、紙本、色紙など様々な種類の作品を残しています。画一的に述べるのが難しいため大きな判断材料として「画風」で説明させていただきます。
堂本印象の画風は「古典的な画風」と「パステルカラーを基調とした画風」が存在し、後者の方が高価買取しやすいです。古典的な画風ですと数万円台から10万円以上の買取価格まで様々です。一方、後者の画風は小品を除くと基本的に10万円以上の価格帯になるでしょう。
堂本印象の全盛期に比べると非常に安価な価格帯になっていますが、現在の市場動向を考慮すると精一杯の買取価格となります。

堂本印象の作品は鑑定書が必要な場合がある

日本画などの原画作品は<堂本印象鑑定員会(ギャラリー鉄斎堂内)>の鑑定書が必要となるケースもあります。鑑定書が無くても査定後に取得可能のため、お気軽にお問合せください。
堂本印象の鑑定は、弟の堂本四郎(夏生軒)や堂本尚郎が担当しました。現在は堂本尚郎が逝去したためギャラリー鉄斎堂が窓口として鑑定を行っています。作品によっては夏生軒や尚郎氏の鑑定書が付いているケースがありますが、再鑑定の有無は作品を見て判断させていただきます。ご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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京都府立堂本印象美術館にて約2,500点の作品を所蔵

堂本印象は、自身でデザイン・装飾した堂本美術館を昭和41年に設立しました。内装から外観までデザインし、約2,500点もの作品を収蔵して完成した美術館は、平成3年に京都府に寄贈され「京都府立堂本印象美術館」になりました。2017年に大規模な改装工事が行われ、2018年にリニューアルオープン。京都の雅な街中でもパッと映える、白い外壁に黄色いポイントが目印の美術館です。

リニューアル後は、印象が29歳の時に描いた出世作「調鞠図」や、80代の頃に一年かけて完成させた約11メートルの超大作「豊雲」が追加されました。カフェやミュージアムショップも充実しており、京都散策の名スポットの一つとして、立ち寄っていただきたい場所になっています。

堂本印象は抽象画のみならず掛軸作品も多く制作

堂本印象は抽象画だけでなく、掛軸も多数制作しています。
モチーフも人物・動物・風景など様々で、堂本印象の筆で描かれた掛軸を集めるコレクターも少なくありません。掛軸は環境による損傷を受けやすい作品ですが、ダメージやシミがある場合でも丁寧に査定させて頂きますので気にせずお問い合わせください。

堂本印象の代表作品

  • 京洛八景(版画)

  • 大原女(版画)

  • 椿(版画)