また、民藝運動に携わった濱田庄司や河井寛次郎らから高い評価を受け、日用品の中に美を見出した作品を数多く制作しています。彼の作品は魚や海老の紋様が特徴的で、ユーモラスで愛嬌のある作品となっています。
金城次郎の作品の価格|現在の相場や評価をもとに紹介
ここでは金城次郎の作品の相場を、代表的な作品を交えて紹介します。金城次郎の作品は骨董品買取市場においても人気が高く、数万円台から10万円台まで価格帯は様々ですが、高価での買取が期待されます。特に抱瓶と呼ばれる作品に魚が描かれているものは人気が高いです。線彫魚紋大皿
「線彫魚紋大皿」は、金城次郎の代名詞とも言える魚紋を、繊細な線彫りによって描いた作品です。2匹の魚の表情に深みがあり、見れば見るほど面白く感じられてきます。骨董品買取市場においても人気が高く、数万円台から10万円台まで価格帯は様々ですが、高価での買取が期待されます。海老魚紋花瓶
「海老魚紋花瓶」は、魚と海老の紋が躍動感溢れるダイナミックな構図で描かれています。本州の焼物には見られない、ダイナミックさやユーモアに溢れています。また、錆利休と呼ばれるくすみのある渋い茶色や、ガラス釉から来る緑がかった薄茶色などの侘びた色彩のグラデーションも特徴的です。こちらの作品も骨董品買取市場においても人気が高く、数万円台から10万円台まで価格帯は様々ですが、高価での買取が期待されます。海老魚紋徳利
「海老魚紋徳利」は、金城次郎作品の代名詞である海老魚紋が入った徳利です。なかには徳利と猪口がセットになっている作品もあり、愛らしさや渋みが特徴的です。日常的な暮らしの中の日用品に「用の美」を見出そうとした彼の姿勢をうかがえる作品となっています。こちらの作品も骨董品買取市場においても人気が高く、数万円台から10万円台まで価格帯は様々ですが、高価での買取が期待されます。抱瓶
「抱瓶(だちびん)」とは、沖縄で用いられる携帯用の酒瓶を言います。沖縄という土地柄もあってか金城次郎は抱瓶を多く制作していますが、彼のモチーフである魚紋や海老紋のものが多く見られます。腰に付けやすいように、胴の横断面が三日月形をしているものや、徳利、水差しなど日用使いできる作品を多く手掛けており、日常的な暮らしの中の日用品に「用の美」を見出そうとした彼の姿勢をうかがえる作品となっています。沖縄ならではの日用品ゆえ、沖縄の名工である金城次郎の抱瓶には注目が集まっています。魚紋茶碗
「魚紋茶碗」とは、金城次郎作品の代名詞である魚紋が入った茶碗です。ユーモラスな魚の表情が特徴となっています。彼の作品は魚の描き込み具合で評価が変わりますが、たいていの作品が骨董品買取市場においても人気が高く、数万円台から10万円台まで価格帯は様々ですが、高価での買取が期待されます。金城次郎の作品を高値で買い取ってもらうコツ
金城次郎作品はアートマーケットで数多く出回っています。そのような中でも高く買い取ってもらえる方法を紹介します。ポイントとなるのは買取専門店の選び方や作品の状態、本物かどうか証明されているか、といった点です。鑑定士が在籍する美術品買取専門店で買い取ってもらう
買取に際して、様々な美術品買取専門店がありますが、専門店の選び方も大切になってきます。長きにわたって営業していたり、買取実績が豊富な専門店であれば信頼をおいても良いでしょう。また、専門店のオフィシャルサイトから店のブログをチェックすることで信頼性がさらに高まります。実際に専門店に足を運び、店員と話しながら信頼をおける店かどうか感覚で判断するのも良いでしょう。獏では国内外の数多くの作品を高額で、適切な価格で買取しています。電話やメールLINEでの査定も可能です。
鑑定書や箱などの付属品も揃えておく
また、鑑定書があれば作品とともに提出することも高額買取のポイントとなります。鑑定書とは「美術業界や作家の関係者が設立した公的な鑑定機関が発行した、真筆の証明書」のことを言い、鑑定書を提出することで作品が本物であることを証明できます。本物かどうかが分からなくなると買い取る側も不安に感じてしまいます。鑑定書制度とは専門家のような深い知識が無い方も安心して本物の作品を購入できるようにと作られた制度で、美術市場の停滞を防ぐために存在しています。
作品の状態が悪くならないように適切なケアをする
高く買い取ってもらううえで大切なのは、作品が綺麗な状態であることです。たとえ模写や版画であったとしても、シミや汚れがある場合とそうでない場合とでは、買取価格が大きく変わります。そのため、作品の入手後は劣悪な環境で保管しないよう、温度と湿度の管理を徹底しましょう。また、物理的なリスクを伴うキズを作らないためにも、保管場所に余計なものを置かないことであったり、作品に触れる際に細心の注意を払うことも大切です。
金城次郎の略歴
金城次郎は沖縄生まれ、沖縄育ちの陶芸家です。戦前から戦後、そして沖縄返還といった激動の時代に琉球陶器の制作に励みました。1985年には重要無形文化財「琉球陶器」技術保持者として沖縄県民初の人間国宝に指定されました。1912年:沖縄県那覇市与枝1313番地に生まれる、真和志尋常高等小学校に入学
金城次郎は、1913年に沖縄県那覇市に生まれました。生家の近所に沖縄独特の焼物・壺屋焼の窯があり、幼い頃から焼き物に親しんでいました。彼が住んでいた地域は、沖縄の焼き物の拠点であった昔の壺屋地区と呼ばれる焼き物の一大製造地でした。彼の父である金城宮清も「ンチャクナーサー」という粘土を踏んで陶土を作る専門職人で、壺屋の各製陶所を回っていたようです。そのような父親の姿を見て、彼もまた陶芸家への道を目指すことになります。
1924年:12歳のときに新垣栄徳の製陶所で陶器見習工として陶工を志す
尋常高等小学校を卒業した金城次郎は、12歳の頃より新垣栄徳の製陶所で陶器見習工として陶工を志しはじめました。彼はここで陶芸の基礎について学び、戦中に招集されたこともあったものの、1945年に太平洋戦争が終戦すると那覇市壺屋へ窯をうつしました。1946年:那覇市壺屋に工房を構え新垣栄徳の窯を共同使用しながら独立
1946年には金城次郎は、那覇市壺屋に工房を構え新垣栄徳の窯を共同使用しながら独立しました。その頃より彼は師匠の新垣を通じて以前より交流のあった陶芸家、濱田庄司・河井寛次郎らと積極的に関わるようになりました。濱田庄司や河井寛次郎といえば、民藝運動でおなじみの陶芸家です。彼らは金城次郎の制作スタイルを見て、生活の道具を突き抜けた強さを感じ驚愕したといいます。芸術作品を作ろうとする意識がなく、ただ単に日々の生活にある道具を淡々と作る姿が、彼らの目に魅力的に焼き付いたのでしょう。
1955年:国画会運営の第29回国展に初入選(以降連続入選)
金城次郎は、1954年に開催された第6回沖縄美術展覧会に工芸部門が新設されたことをきっかけに連続出品を行い、精力的な活動を続けてきました。そのようななか、1955年に開催された第29回国展に初入選し、それ以降連続で入選しています。1956年には新人賞を受賞、1957年には「呉須絵大壺」が国画会賞を受賞しました。1972年:読谷村座喜味に移住して窯を開く、沖縄県指定無形文化財技能保持者に認定される
国展に入賞した後も精力的な活動を続けてきた金城次郎は、公募展への出展の傍で自らも展覧会を開催していました。同郷の新垣栄三郎との陶芸展は、小橋川永昌が加わり三人展として発展し、金城次郎は彼らと共に技術や見識を高め合いました。しかし、同時期に沖縄の都市化が進む中で次第に公害問題が取り沙汰されるようになり、壺屋での作陶が厳しくなりました。そして、金城次郎は1972年に読谷村座喜味に移住して窯を開き、これまでの功績が認められて沖縄県指定無形文化財技能保持者に認定されました。
1985年:重要無形文化財技術保持者(人間国宝)に認定される
1972年には金城次郎が窯を移転させただけでなく、沖縄も日本領土として返還されました。公害問題など様々な苦境に直面したものの、琉球陶器の制作を続けました。そのような彼の姿勢の裏側には濱田庄司の「沖縄独自の焼き物を作れ」という教えがあったようです。そのようなひたむきな金城次郎の姿勢が讃えられ、1981年には勲六等瑞宝章受賞、1985年には重要無形文化財「琉球陶器」技術保持者として人間国宝に認定されました。また、昭和60年度沖縄県功労章や、1993年には勲四等瑞宝章を受賞しました。
金城次郎の世界観
金城次郎は、生家の近所に沖縄独特の焼物・壺屋焼の窯があり、そのために幼い頃から焼き物に親しんでいました。また、彼が住んでいた地域は、沖縄の焼き物の拠点であった昔の壺屋地区と呼ばれる焼き物の一大製造地でした。彼の父である金城宮清も「ンチャクナーサー」という粘土を踏んで陶土を作る専門職人で、壺屋の各製陶所を回っていました。金城家は「金城一門」と呼ばれるほど、沖縄県の伝統的な焼物である壺屋焼に秀でた一家でした。そのような中で金城次郎の作品は「日用品の美」を目指していました。そんな彼の姿勢が当時民藝運動に携わっていた濱田庄司や河井寛次郎に注目され、生涯彼は日用品としての壺屋焼制作に励みました。
また、作品の特徴としては、一貫して素朴でありながらも代表的な絵柄に魚紋や海老紋が挙げられます。壺屋焼職人としての美意識を感じさせる作品を数多く残しています。
金城次郎の作品が鑑賞可能な美術館・工房
ここでは、金城次郎の作品が鑑賞できる美術館や工房を紹介します。金城次郎館、那覇市壺屋焼物博物館、やむちんの里がその代表例で、どれも沖縄県にある美術館や工房です。金城次郎館
金城次郎館は、沖縄県初の琉球陶器の人間国宝である金城次郎の仕事を顕彰し、継承展開を使命とする美術館です。金城次郎にまつわる作品や資料などが展示されています。住所:〒901-1515 沖縄県南城市知念山里71-1
アクセス:
ホームページを参照
https://www.kinjojirokan.com/access
営業時間:日曜12:00~17:00のみ開館
料金:1500円
公式HP:https://www.kinjojirokan.com/home
那覇市壺屋焼物博物館
沖縄県独自の焼物である壺屋焼について展示されている博物館です。壺屋焼を世に知らしめた金城次郎作品もまた展示されています。住所:〒902-0065 沖縄県那覇市壺屋1-9-32
アクセス:
モノレール牧志駅から徒歩10分
壺屋バス停から徒歩5分 開南バス停から徒歩5分
那覇空港から20分程度
営業時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
料金:
一般:350円(団体は280円)
大学生以下は無料
公式HP:http://www.edu.city.naha.okinawa.jp/tsuboya/index.html
やむちんの里
1972年に金城次郎が移住した読谷村にある工房地帯が「やむちんの里」です。彼の移住をきっかけに多くの陶工がやむちんの里に引っ越したようです。彼らの意志を受け継いだ読谷壺屋焼の工房が立ち並んでいます。住所:沖縄県読谷村座喜味2653-1
アクセス:
那覇空港から車で1時間程度
金城次郎に関する豆知識(トリビア)
ここでは、金城次郎のトリビアを紹介します。彼の一族は沖縄の壺屋焼陶芸に秀でた陶芸家を数多く輩出しています。また、彼は生涯にわたり日用品としての壺屋焼陶芸の制作に励んでいました。金城次郎の子供は3人とも陶芸家になっており「金城一門」と呼ばれている
金城次郎には3人の子がおり、皆陶芸家となりました。彼らを始めとして、金城次郎の弟・敏雄の血筋も含めて「金城一門」と呼ばれています。また、彼の父親である金城宮清も「ンチャクナーサー」という粘土を踏んで陶土を作る専門職人で、壺屋の各製陶所を回っていたようです。金城次郎が生まれ育った地は、沖縄の焼き物の拠点であった昔の壺屋地区と呼ばれる焼き物の一大製造地で幼い頃より陶芸に触れてきたからこそ、壺屋焼陶芸に優れた技術を持つ一族として有名になったのでしょう。
金城次郎は自身の作品を飾るよりも日用品として使ってほしいと語っている
金城次郎は自身の作品を飾るよりも日用品として使って欲しいと語っています。というのも彼の才能をいち早く認めた民藝運動で知られる濱田庄司が、彼に対して「本土のものは真似せずに、沖縄独自の焼物を作れ」ということを伝えたのがその背景にあります。民藝運動とは生活の日用品に美を見出す芸術運動のことで、淡々と制作を続ける金城次郎の姿に濱田庄司は感銘を受けました。そのような濱田庄司の教えを守り、金城次郎は日用品として自分自身の作品を使って欲しいと述べ、晩年まで精力的に制作を続けました。
獏では金城次郎の作品など骨董品を高価格で買取中
現在獏では金城次郎の作品などの骨董品を高価格で買取しております。骨董品は美術作品と異なり、作家という概念が希薄になりやすいジャンルです。しかし、獏では作品を見る目と適切な販売経路から作品ごとに最適な金額をご提案いたします。獏の骨董品の買取価格の評価・査定方法
骨董品の価格は、ほぼ需要と供給の関係で決まるため、美術と違って欲しい人がいればその分買取価格が高額になります。また、作品の希少性も高額買取に大切なポイントとなります。比較的新しい作品は材料費や人件費等の経費から販売価格が算出されますが、古い作品になると二次流通では仕入れ値自体が相場に反映されて決定されるために、値段の決定方法が通常の場合と異なります。骨董品では作品自体の価値や状態のほか、需要と供給も買取価格に加味されます。
獏の骨董品買取価格の設定方法
獏は日々鮮度が高い情報を仕入れてダイレクトに買取価格へ反映しています。また、幅広い流通経路を構築することで高価買取できる方法を模索しております。骨董品には美術作品のようなわかりやすい買取基準がなく、専門店ごとに買取価格が異なるのが現状です。そのために相場が不安定になりがちなジャンルでもあります。オークションなどで素人が出品するには価値判断は難しいかと思われます。骨董品をどこで買い取ってもらうかお悩みの方はぜひ一度獏へお越しください。
金城次郎の作品の価格は美術品買取専門店「獏」にご相談ください
金城次郎は沖縄の歴史が大きく動く時代の真っ只中に、琉球陶器の制作に励んだ陶芸家です。彼の作品からは一個人としてのスタイルだけでなく、時代の変遷も感じることができるでしょう。また、民藝運動に携わった濱田庄司や河井寛次郎らにも大きな影響を与えました。当店では現在金城次郎作品の買取を強化しています。アート作品は価値の判断が難しいため、スタッフが念入りに査定いたします。また、陶芸作品だけでなく、茶道具や絵画など幅広く買取いたします。買取の流れや買取実績、ご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせください。