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山水画と水墨画の違いや墨絵について解説

掛け軸に良く使われている山水画や水墨画、墨絵といった言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
それぞれ似たもののように思われている人も多いかもしれませんが、実は違いがあります。
では、どのような違いがあるのでしょうか。
まずは、これから水墨画や山水画について解説していきたいと思います。

山水画と水墨画の違いとは?


まず山水画とは、こちらはその名前の通り、山(山岳)や水(河川)といったものを題材にして描かれた作品のことをいいます。

創造の景色を描かれることが多いことから単なる風景画とは異なる作品といえます。

それに対して水墨画は、墨を使って描かれる絵画のことです。「にじみ」や「ぼかし」などといった表現技法を活かした方法で描かれています。

水墨画の特徴


墨の黒一色で表現される絵画が水墨画であり、墨絵の代表的な画法です。

「墨に五彩あり」という思想に基づき、墨を使って、線だけでなく濃淡、ぼかし、かすれ、にじみなど筆を運ぶときの勢いの強弱などの技法を駆使して、立体感や色彩感を表現する点が大きな特徴であり魅力です。

また水墨画では、絵師がとらえた物体の「本質」を主観的に捉えたものを描くことが重視されており、「見たまま」を描き、遠近法や光による明暗で平面ではなく立体的な表現を重視する西洋画とは違うのが特徴です。

山水画の特徴


山水画とは、主に墨のみで描かれる、その名前の通り山や渓谷、水や河川といった自然を題材にして描かれた作品のことをいいます。

また、山水画は実際に存在しない創造の景色を描く作品が特徴です。

このように、山水画は写実性よりも芸術的で文学的な意味を重視し、作者の心情や思想を表現するために雄大な自然の光景を再構成する、という手法で描かれます。

心の中で景色を捉えることや、実際に描く前に心の中で描き上げるが山水画の精神であり本質です。これらの点から、西洋画でいう風景画とは大きく異なっているといえます。

墨絵とその種類について


墨を使った絵画全般を墨絵といいます。

墨の線だけで描いたもので、白描画や水墨画も墨絵のひとつの様式となっています。

日本では、水墨画の技法を使いながらも「墨絵」と言ったり、白と黒であれば「水墨画」というなどジャンルに関してあいまいなところが多いです。


白描画(はくびょうが)とは?


白描画とは、墨の筆線だけを主体として描かれた絵画のことです。

仏画や彩色を施す前の下絵、粉本と呼ばれる転写、素描なども白描画に含まれます。

本格的な白描画は線描によって完成された作品を言います。

中国では「白画」とよばれ、唐代の呉道玄によって完成されたのち一時衰退していましたが、北宋末には李公麟によって復興されました。




やまと絵と唐絵(からえ)とは?


やまと絵とは、平安時代の9世紀後半から10世紀の初めのころの国風文化のころに誕生した絵です。日本独自の自然や風俗を題材とした絵として成立しました。

12世紀に作られた「源氏物語絵巻」がその代表作として知られています。

唐絵とは、中国(唐)風の絵画のことを指します。

日本の絵を意味するやまと絵の対義語としても使われます。

しかし、中国人の手によって描かれた作品もあれば、日本人が描いた中国風の絵を意味することもあります。


中国と日本の画を比較


中国の絵画は、遣唐使や遣隋使によって多くの中国画が日本にわたってきました。

こういった中国からの影響を受けてきました。しかし、遣唐使の廃止から徐々に日本独自の文化へと発展していきました。

鎌倉時代後期、再び中国から宋元画が渡ってくるようになり、土佐派や琳派に受け継がれ、現在の日本画壇にも影響を与えています。


中国の山水画と日本の山水画の違い


日本の山水画は、四季を感じられるものが多いですが、中国の山水画は、山の良さを前面に出しているようなものが多いです。

日本のものは情景がわかりやすく、中国のものは「山」に重きを置いているという違いがあるためです。

また、日本と中国の山水画には、技法に違いがあります。

日本ではにじみやぼかしを多く使用しているのに対し、中国では輪郭をくっきりと描かれる技法を用いています。

また、日本の山水画は季節感を大切にしているのに対し、中国の山水画は山のイメージを全面的に出した鋭い印象のものが多いことも特徴となっています。

雪舟により日本独自の水墨画へ発展

水墨画が日本にもたらされたのは、鎌倉時代後期のことです。

墨の濃淡だけで精神世界を表現した禅宗美術は、武士に人気を集めます。

室町時代になると足利将軍家の保護を受けて禅宗文化が花開き、雪舟の登場によって日本独自の新しい水墨画が確立されました。

雪舟の死後、江戸時代に繁栄した狩野派が雪舟を自らの流派のルーツとしています。

狩野派といえば、日本絵画史上最内の画派で常に画壇の中心になった専門画家集団です。
狩野永徳や狩野探幽といった画家が有名です。

山水画、水墨画は共に軸装されていることが多いです。掛軸について詳しく知りたい方は
こちらの記事も是非参考にしてください。

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まとめ


山水画と水墨画の違いや墨絵についてご紹介しました。
墨で描かれた絵は、昔からある誰もが楽しめる絵画です。
そのため、床の間のあるご家庭なら山水画や水墨画の掛軸をお持ちの場合も多いでしょう。
昔からある山水画、水墨画が押し入れの中にあったり眠っていたりすることもあるのではないでしょうか。
特に、骨董品や美術品といったものには知識が求められます。
そのため、専門業者でないと山水、水墨画の価値を見抜くことができません。
山水、水墨画の売却をご検討の際は美術品買取専門店 獏にぜひともご相談ください。
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