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掛け軸の正しい保管方法と取り扱い方について解説

飛鳥時代に中国から伝わったとされる掛け軸ですが、近年では住宅事情の影響などで、掛け軸を掛ける床の間が減少したこともあり、飾る場所がなくなってきています。

そのため、掛け軸の保管方法が分からず困っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、掛け軸の保管方法や取り扱い方について解説します。

掛け軸の正しい取り扱い方

掛け軸は和紙でできているため、繊細な骨董品です。

そのため、正しく取り扱わないと、掛け軸が傷んでしまう場合があります。

ここでは、掛け軸の正しい取り扱い方について解説します。

掛け軸は湿気に注意

掛け軸は和紙でできていますが、和紙は空気中の湿気を吸収したり吐き出したりしているため、掛け軸は息をしていると言われることがあります。

そのため、掛け軸は高温多湿の場所や直射日光を避けるようにしましょう。

同じ理由で、エアコンの空気が吹き付ける場所も掛け軸の保管場所には適していません。

掛け軸は湿気に弱いため、取り扱い際も濡れた手で触らないようにしましょう。

また、掛け軸の近くに花を活けることがありますが、掛け軸に水滴がつかないように、少し離れた場所に置くようにしましょう。

他にも、掛け軸を長期間掛けたままにしていると、湿気が原因で掛け軸に反りができたり、日焼けやシミの原因になります。3日に1度を目安に、掛け軸を巻いて休ませることも重要です。

掛け軸の正しい保管方法

掛け軸は、保管方法にも注意を払うことが重要です。

掛け軸は保管方法を間違えると、傷んだりカビが生えるなどの問題が出る場合があります。

ここからは、掛け軸の正しい保管方法について解説します。

保管する際はホコリを落とし桐箱へ

掛け軸を保管する場合は、桐箱に収納するのがおすすめです。

桐箱は湿気に強い特徴があるため、湿気が天敵である掛け軸の収納には最適です。

掛け軸を収納する場合は、まずしっかりとホコリを払うようにします。

その後、掛け軸を薄い和紙などで包み、幅が厚い方に八双が来るようにして、桐箱の中に入れましょう。

また、掛け軸を濡れた手で触れたり、雨の日など湿気を含んだ状態で収納すると、桐箱の中でカビが発生することがあるため、掛け軸は乾燥した状態で収納する必要があります。

正しい巻き方でしまう

掛け軸は収納のために巻く必要がありますが、正しい巻き方をする必要があります。

特に、長期間掛けていた掛け軸を巻く場合は、掛け軸が乾燥しているため、折れやすくなっているため注意が必要です。

掛け軸を巻く際には、慎重に負担がかからないようにゆっくりと巻いていきます。

巻き方としては、まず片手で掛け軸の中心をやさしく包み、もう一方の手で矢筈を持って掛け緒に掛け、金具から掛け緒を外します。

次に、矢筈を外さない状態で、掛け緒に掛けたまま、掛け物を下に向けて巻き上げます。

巻いた掛け軸は一度畳の上に置きますが、畳が濡れていないか確認しましょう。

金具から外した掛け軸を畳に置き、紐下を用意して、左右の風帯をたたみます。

最後に紐を結び、掛け軸を桐箱に収納しましょう。

掛け軸をしまうときは晴れた日に

掛け軸は湿気が苦手なため、掛け軸をしまうときは晴れた日に行いましょう。

掛け軸が湿気を含んだ状態で収納してしまうと、湿気に強い桐箱に収納した場合でも、桐箱の中でカビが発生する危険性があります。

また、収納する時に、掛け軸を濡れた手で触ることもカビの原因になります。

雨の日など湿気が多い日に収納しても、同様にカビの原因になるため、収納は湿気が少ない晴れた日に行いましょう。

また、湿気が多い時期に掛けていた掛け軸は、収納した後でも、乾燥している日に陰干しをすることで湿気を防ぐことができます。

掛け軸用の防虫香も忘れない

掛け軸は、正しく収納した場合でも虫食いの被害にあう場合があります。

虫食いから掛け軸を守るために、桐箱に収納する際には、防虫香も同時に収納するようにしましょう。

この防虫香は、一般的に販売されている洋服用のものではなく、掛け軸専門の防虫香があるため、それを利用します。

年に2回は虫干しを

桐箱は湿気に強いのですが、掛け軸を長期間保管していると湿気が発生しやすくなります。

そのため、年に2回は虫干しを行いましょう。

虫干しは、掛け軸を取り出して床に広げ、エアコンの除湿機能を使って湿気を飛ばします。

ただし、エアコンの風は直接当てないように注意しましょう。また、同封されている極め札などもあれば一緒に干すようにしましょう。

虫干しの時期は、春と秋がおすすめです。

掛け軸が破損や汚れてしまった場合

掛け軸が破損したり汚れてしまった場合、自分で汚れを取るのは困難です。

掛け軸は繊細な和紙でできているため、無理に汚れを取ろうとすると、より傷つけてしまうことがあります。

そのため、少しのホコリを取る場合でも、慎重に行う必要があります。

掛け軸に汚れがついた場合は、早めに専門店に相談するようにしましょう。

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まとめ

ここまで、掛け軸の正しい保管方法と取り扱い方について解説しました。

掛け軸は繊細な和紙でできているため湿気に弱いという特徴があります。

そのため、取り扱いは掛け軸が湿気を含まないよう注意することが必要です。また、保管方法についても掛け軸に湿気がつかないように桐箱に入れて収納します。

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