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ブロンズ像とは?歴史や銅との違いについて解説

ブロンズとは日本語で「青銅」と呼ばれる、銅を主成分とし、錫を含む合金です。ブロンズは、その特徴により、昔から骨董や美術品の素材として用いられて来ました。
これから、ブロンズの特徴、ブロンズ像の起源と日本における歴史、ブロンズ像の骨董としての価値などについて詳しく解説していきます。

ブロンズとは?銅とは何が違うのか?

ブロンズ(Bronze)とは、日本語で「青銅」と呼ばれる、主成分の銅に副成分として錫を含む合金です。成分比は銅(約70~80%)、錫(約5~10%)、他に亜鉛、鉛、その他を含んでいます。
色は、含まれる錫の量によって変わり、少ないと赤銅色、多くなると黄金色に、さらに多いと白銀色になります。
硬度は、錫の量が多いほど上がって、もろくなる傾向です。

ブロンズの特徴

ブロンズの特徴の一つに「色の経年変化」があります。ブロンズは大気の中で酸化されて表面に炭酸塩を生じることにより、その色が年を経るにつれて赤褐色から褐色、さらに暗褐色から黒褐色、そして緑青色へと変化するのです。この経年変化の進む速さや程度は決まったものではなく、個々の合金ごとに違いがあり、またそれが置かれている環境(大気、天候、温度、湿度など)によっても変わります。
ブロンズのもう一つの特徴は、劣化や腐蝕がしにくい素材であることです。このため、屋外に展示される彫像などの材料に用いられています。なお、日本で銅像と呼ばれているものは、実はブロンズ像なのです。
また、ブロンズは銅に錫を加えることにより硬度が上がりますが、研磨や彫刻などの加工もし易い、という特徴もあります。

銅(Copper)と青銅(Bronze)の違いについて

化学の用語に、「単体」、「化合物」、「混合物」という言葉があります。あらゆる物質は、上記の3つの内のいずれか1つに分類されるのです。
単体とは1種類の元素から成るもの、つまり1種類の元素の原子の集まりを指します。
化合物とは2種類以上の元素から成るもの、つまり2種類以上の元素の原子の集まりで、且つ、それら異なる元素の原子の間に化学結合が存在するものです。
混合物とは2種類以上の元素から成るもの、つまり2種類以上の元素の原子の集まりで、且つ、それら異なる元素の原子の間に化学結合は存在せず、ただ混ざり合っているものを指します。
さて、銅は銅原子という1種類の金属原子の集まりなので、上記の分類では単体です。
一方、青銅は銅と錫その他の金属の合金、つまり2種類以上の金属原子の集まりで、且つ、それら異なる種類の原子の間に化学結合はなく、ただ混ざり合っているので、上記の分類では混合物に当たります。
つまり、銅は単体、青銅は混合物、これが両者の違いです。

特性が異なる青銅の種類

青銅は銅と錫、さらにその他の金属を含む合金ですが、この、その他の金属として何を含むかによって、いろいろ特性が異なる青銅が生まれます。この記事では、代表として、すず青銅、りん青銅、アルミニウム青銅の3つをご紹介します。
・すず青銅:錫青銅は銅にすずを3~7%加えた合金で、延性と展性に優れています。
・リン青銅:リン青銅は上記のすず青銅にさらにリンを加えた合金で、すずは3~9%、リンは0.03~5%です。弾性、耐摩耗性、耐疲労性、またばね特性に優れ、ばねや歯車の材料として用いられます。
・アルミニウム青銅:80~90%の銅にアルミニウム、鉄、マンガン、ニッケルを加え、光沢ある黄金色(真鍮に似た外見)をしており、引っ張り強さや硬度が大きいです。

ブロンズ像の起源と日本における歴史

ブロンズ像の発祥は、紀元前3000年頃、メソポタミア文明の初期に属するシュメール文明において行われました。その場所はイラン高原で、銅と錫が豊富に採掘され、さらに燃料の木材も豊富に採れる所です。
銅鉱石は錫を含むことが多いため、銅と錫の合金である青銅(ブロンズ)は自然に得られました。青銅は融点が低いので、原始的な木炭炉でも容易に融解して鋳造することができたのです。

中国から伝わったブロンズ像

日本にブロンズ製品が初めて伝わって来たのは紀元前3世紀頃のことです。中国で作られたブロンズ製の剣や鏡などが、朝鮮半島を通って伝来しました。
紀元前1世紀には中国や朝鮮から来た渡来人によりブロンズ鋳造の知識・技術や彫刻技術が伝えられ、日本国内での生産が始まります。始めは銅鐸など信仰や祭祀の道具が主に制作されました。
7世紀には飛鳥大仏や奈良の大仏などの大型仏像が作られます。とりわけ奈良の大仏は日本で最も有名なブロンズ像で、国宝に指定されているものです。
戦国時代になると鉄砲や大砲などが戦闘で使用されるようになり、日本国内においても青銅製の火縄銃や大砲が製造されました。

骨董としての価値と日本の有名なブロンズ像

骨董とは古くて希少価値のあるものです。骨董としての価値を決めるポイントとしては、この希少性の他に芸術性もあります。
ブロンズという素材は、屋外に置いて長い年月に渉り風雨に曝されても劣化しにくいという特性に加えて、硬度は高いが延性や展性に富み細かな彫刻もできるという特性も備えています。

希少性の高いブロンズ像

ブロンズ像の骨董としての価値は、著名な作家の作品ということや、希少性によって左右されます。
一例としてロダンの「考える人」を取り上げましょう。ブロンズ像を制作する方法は、先ず作者が粘土や石膏で原型を作ります。それを基にして熟練した職人が溶融したブロンズを型に流し込んでブロンズ像ができ上るわけです。従って原型さえ残っていれば、幾らでも同じ像ができるのですが、それを防ぐために作者が1つの原型から何個まで制作してよい、という制限を決めておきます。この制限内ででき上った作品は「オリジナル」とか「エディション」と呼ばれ、コピーとは見なされません。
ロダンの「考える人」の場合、何体作れるかの制限を決める権利をフランス政府が持っており、結局この像は21体制作されました。上野の国立西洋近代美術館に展示されている「考える人」もこの内の1つです。こうして原作者ロダンが与えた芸術的価値と同時に、数の制限による希少価値も保証されます。
また、時代背景による希少性というのもあります。戦争などで焼失してしまい数が少なくなった作品も希少価値が高いと言えます。

世界最大級の仏像「牛久大仏」

牛久大仏(うしくだいぶつ、正式名:牛久阿弥陀大佛)は茨木県牛久市の浄土真宗東本願寺の霊園「牛久浄苑」にあるブロンズ製の大仏立像です。この大仏の全体の高さは120m(像高:100m、台座:20m)もあり、ギネスブックには「世界最大のブロンズ製仏像」と登録されています。
この大仏建立の事業主体は浄土真宗東本願寺派本山の東本願寺で、1983年に事業構想に着手、1986年に着工、1993年に完成し、同年7月、観光施設として内部が一般公開されました。
なお、日本の三大仏として挙げられるのは、奈良、東大寺の「奈良の大仏」と鎌倉、高徳院の「鎌倉大仏」、もう1つは時代によって変わりますが、富山県高岡市、大仏寺の「高岡大仏」や岐阜市、正法寺の「岐阜大仏」です。

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まとめ

ブロンズ(青銅)とは、銅を主成分とし、錫を含む合金です。ブロンズには長期間、風雨に曝されても劣化しにくいという特徴と、硬度は高いが延性や展性もあり、微細な彫刻などもし易いという特徴があります。このためブロンズは、古代から彫像の素材として用いられて来ました。「奈良の大仏」もロダンの「考える人」もブロンズ像です。
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