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宮城県出身の漫画家、石ノ森章太郎は、手塚治虫と並べて語られることも多い日本漫画界の巨匠です。石ノ森章太郎の代表作には『サイボーグ009』や『仮面ライダー』などがあり、彼自身は大のSF好きとしても知られています。
男女問わずさまざまな世代から愛されている石ノ森章太郎は、「漫画の王様」「漫画の帝王」と呼ばれることもあるようです。今回は、そんな石ノ森章太郎の作品が見られる美術館を3つ紹介します。
石ノ森章太郎の作品が見られる美術館
石ノ森章太郎の作品は、3つの個性的な美術館で楽しむことができます。
石ノ森萬画館
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「石ノ森萬画館」は、2001(平成13)年に開館した大型マンガミュージアムです。石ノ森萬画館という名称は、1989年に石ノ森章太郎が提唱した「萬画宣言」にちなんで名付けられました。石ノ森章太郎は、萬画宣言のなかで、漫画はあらゆるものを表現できる無限の可能性を秘めたメディアであり、万物を表現できる「萬画」であると宣言しています。
石ノ森萬画館の外観は「宇宙船」をイメージして作られており、石ノ森章太郎の原案をもとに制作されました。歴代仮面ライダーのマスクが並んだ「仮面ライダーの世界」をはじめとするさまざまな展示があり、楽しみながらマンガ文化に触れることができます。
・名 称 石ノ森萬画館
・営業時間 <3月~11月>9:00~18:00(定休日は毎月第3火曜日)
<12月~2月>9:00~17:00(定休日は毎週火曜日)
※チケット販売は閉館30分前まで
※7月の夏休み期間、8月、12/24~1/7の冬休み期間は休まず会館
※12/31のみ15:00閉館
・料 金 大人840(670)円、中・高校生520(410)円、小学生210(160)円
※( )内は20名以上の団体料金 ※年間パスポートあり
・住 所 〒986-0823 宮城県石巻市中瀬2-7
・電話番号 0225-96-5055
・公式HP https://www.mangattan.jp/manga/access/
石ノ森章太郎ふるさと記念館
石ノ森章太郎ふるさと記念館のそばにある、石ノ森章太郎の生家
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「石ノ森章太郎ふるさと記念館」は、石ノ森章太郎のふるさとである登米市(とめし)において2000年に開館しました。石ノ森章太郎は、宮城県登米郡石森町(現在の登米市)に生まれて高校を卒業するまでこの地で過ごしています。石ノ森章太郎の生家は記念館のすぐそばです。
石ノ森章太郎ふるさと記念館は、漫画を活用した生涯学習の推進を目指して活動しています。石ノ森章太郎をはじめ多くの漫画家が過ごしたトキワ荘の部屋を再現する展示や、普段なかなか見られないような珍しい原画を楽しめるでしょう。
・名 称 石ノ森章太郎ふるさと記念館
・営業時間 9:30~17:00(7月から8月は、9:00~18:00)
※入館は閉館の1時間前まで
※毎週月曜日休館(月曜日が休日の場合はその翌日)
・料 金 一般500(400)円、中・高校生300(240)円、小学生100(80)円
※( )内は20名以上の団体料金
※特別企画展示開催時観覧料は別に設定されます
・住 所 〒987-0601 宮城県登米市中田町石森字町132番地
・電話番号 0220-35-1099
・公式HP https://www.city.tome.miyagi.jp/kinenkan/
豊島区トキワ荘マンガミュージアム
石ノ森章太郎や手塚治虫、藤子不二雄、赤塚不二夫などの多くの漫画家が青春を過ごした伝説のアパートです。しかし、1982(昭和57)年に老朽化のため解体されてしまいました。「豊島区トキワ荘マンガミュージアム」は、漫画の聖地であったトキワ荘を再現するため、2020年に開館しました。
豊島区トキワ荘マンガミュージアムでは、漫画やアニメ文化を次世代に継承し発信する拠点として、年に3回程度の特別企画展の他さまざまなイベントを行っています。1階が漫画や書籍を展示しているラウンジ、2階がトキワ荘をリアルに体験できるフロアとなっています。
・名 称 豊島区立トキワ荘マンガミュージアム
・営業時間 10:00~18:00
※入館は17:30まで
※毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替え期間は休館
・料 金 特別企画展期間は有料
・住 所 〒171-0052 東京都豊島区南長崎3-9-22
・電話番号 03-6912-7706
・公式HP https://tokiwasomm.jp/
石ノ森章太郎と手塚治虫の関係性は?
1938(昭和13)年生まれの石ノ森章太郎と1928(昭和3)年生まれの手塚治虫は、ちょうど10歳ほど年が離れています。石ノ森章太郎にとって、手塚治虫は憧れの人でした。
手塚治虫が作画を担当した長編漫画『新宝島』は、石ノ森章太郎が漫画家を目指すきっかけとなりました。また、石ノ森章太郎が高校生のときには、「鉄腕アトム」を連載していた手塚治虫からアシスタントの依頼を受けたことがあります。このとき、石ノ森章太郎は学校を休んで上京し、背景の制作を手伝いました。
石ノ森章太郎は、手塚治虫主宰の月刊誌『COM』にファンタジー漫画『ジュン』を連載したこともあります。 石ノ森章太郎が漫画家として高く評価されるようになってからは、ふたりは刺激を与え合いながらお互いの道を究めていきました。
石ノ森章太郎が執筆した作品一覧
石ノ森章太郎の代表作品は、以下の通りです。
漫画
・龍神沼
石ノ森章太郎の姉、由恵をイメージしてヒロインを描いた作品です。
石ノ森章太郎による初期の傑作として知られています。
・ミュータント・サブ
輸血をきっかけに超能力が目覚めた少年を描く、石ノ森章太郎のSF漫画です。
・サイボーグ009
サイボーグ戦士の活躍を描く石ノ森章太郎の大人気SF漫画です。
累計発行部数が1,000万部を超え、石ノ森章太郎の代表作品となりました。
サイボーグ009公式サイト
・マンガ日本経済入門
日本経済新聞社から出版された経済学習漫画です。のちにアニメ化されました。
第33回小学館漫画賞と第17回日本漫画家協会賞大賞を受賞しています。
・マンガ日本の歴史
中央公論新社・中央公論社から出版された学習漫画です。
大人向けに描かれており、シリーズ累計で800万部以上を売り上げました。
小説
・佐武と市捕物控
江戸を舞台に、描かれた石ノ森章太郎によるミステリー漫画です。
のちに辻真先によって小説化されました。
佐武と市捕物控公式サイト
・仮面ライダー EVE-MASKED RIDER GAIA-
石ノ森章太郎が雑誌掲載用に制作した遺稿『仮面ライダーガイア』を原作にして、
早瀬マサトが小説にしました。
アニメ映画
・海底3万マイル
少年イサムの海底での冒険を描く、石ノ森章太郎原作の劇場用アニメ映画です。
1970年の『東映まんがまつり』内で上映されました。
・幻魔大戦
平井和正と石ノ森章太郎の共作漫画『幻魔大戦』、平井和正の小説『幻魔大戦』をもとに制作された幻魔大戦シリーズ初の映画作品です。
・空飛ぶゆうれい船
1960年の月刊誌『少年』に掲載された石ノ森章太郎の短編漫画「ゆうれい船」が原作です。
1969年の「東映まんがまつり」内で上映されました。原画スタッフとして宮崎駿が参加しています。
その他
・仮面ライダーシリーズ
原作を石ノ森章太郎が制作している特撮テレビドラマシリーズです。
1971年から放送されており、大人からも子どもからも愛されている人気の作品です。
仮面ライダー公式サイト
石ノ森章太郎の作品が見られる美術館まとめ
石ノ森章太郎の遺志を継いで作られた石ノ森萬画館、石ノ森章太郎のルーツをたどれる石ノ森章太郎ふるさと記念館、石ノ森章太郎の青春時代を体験できる豊島区立トキワ荘マンガミュージアム、これら3つの美術館で石ノ森章太郎の作品を楽しむことができます。
「漫画の王様」「漫画の帝王」 とも呼ばれる石ノ森章太郎の作品を間近で楽しみたい人は、ぜひ一度足を運んでみてください。
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