はじめに
東京の美術品買取専門店 獏です。今回は買取業者としては一種の競合他社となるのでしょうか、、フリマアプリについて考えていきます。
近年、急成長のプラットホームに【フリマアプリ】があります。
フリマとはフリーマーケットの略で、ネット上でフリーマーケットを行えるアプリです。
フリーマーケットとは、不用品を広場などに集めて交換・売買する青空市です。物を大切にする、という考え方に基づいたシンプルなライフスタイルの発想が、環境問題やリサイクル運動などと結びついて各地に広まりました。1970年代に日本にもたらされたと言われています。
個人的にはお金がない学生時代は良く利用させていただき、たくさんの掘り出し物をゲットできた記憶があります。出品者の方には申し訳なかったですが、値切り交渉もフリーマーケットの醍醐味でした。
フリマは場所を借りて対面で行うことが当たり前でしたが、文明の発展によりインターネット上で売買できることが可能となりました。
非常に便利で【メルカリ】や【ラクマ】などを使用し、日用品や本などを売買しています。手続きも簡単で世の中のスピードがすごいなと実感しています。
その中で、ちらほらと絵画や美術品も出品されています。
フリマアプリで絵画・美術品の売買を行ったことが無いですが、今後インターネットオークションの様に選択肢のひとつになるかもしれません。
前置きが長くなりましたが、絵画・美術品の買取専門店の立場からメリットやデメリットを考察してみます。
フリマアプリの売買の過程は?
フリマアプリの売買過程はインターネットオークションと大きく変わらない印象です。出品者が自ら作品の写真を撮り、商品説明を記入し出品します。作品が落札されたら自身で梱包し発送します。
インターネットオークションとの大きな違いは【金額の決め方】でしょう。
インターネットオークションは名前の通り、期間を決めてオークション形式で落札価格が決定されます。
一方、フリマアプリは期間を設けず希望売却価格を決めて出品します。決められた金額で落札されるのを待ちます。
フリマアプリで絵画・美術品を扱うメリット
基本的に即決価格のため、欲しいと思った瞬間に購入が出来る点ではないでしょうか。また、購入者からすると1点モノが多い傾向のため、早く購入の決断をしないと別の人に取られてしまうのではないかと危機感が募ります。このような心境を与えるため落札率が上がるのではないでしょうか。
フリマアプリで絵画・美術品を扱うデメリット
最も難しいのは【金額を決める難しさ】でしょう。オークションでしたら商品説明が出来なくても画像を沢山アップすればその画像で判断して入札されます。そのため安い金額で出品したとしてもそれなりの金額(そもそも価値がある作品が前提)になります。一方、フリマアプリは売却価格を決めなくてはならないため、適正価格を判断するのが難しいです。
そもそも絵画・美術品は定価という概念が希薄のため、定価の何割とかいう決め方も難しいです。
まとめ
絵画・美術品の値段設定は判断に迷うのではないでしょうか。ブランド品や家電の様に定価という概念が薄いため、値付けが難しいです。オークションのように相場前後に安定して落札されやすいですが、フリマアプリは最初に金額を決める必要があるため相場の力を頼りにくいです。
ただ、インターネットオークションと比べるとフリマアプリは歴史が浅いです。今後、更なる発展により、絵画・美術品を売買する場として重要な流通チャネルになるかもしれません。
安全に多くの人が絵画・美術品を取引できるようになれば、コレクターの数も増えると信じています。コレクターが増えることにより日本の美術業界が発展するのを期待しています。