はじめに
絵画・美術品の買取を専門に行っている≪東京の美術品買取専門店 獏≫です。今回のブログでは【額】単体の売却についてご紹介します。
「額?美術品買取専門店が額のみを買い取ってくれるの?」とお客様にも言われたことがありますが、はい、当社では額のみでも買取をさせていただくケースがあります。
基本的に額は、絵画等美術作品の付属品として考えられています。それ故、美術品買取業者で、額のみに金額を付けて買い取る業者は稀だと思います。
ちなみに、作品を査定する際は基本的に『額縁に入っていることが前提』です。お客様からの買取後再販する際は一般的に額縁に入っている状態のため、額が無いと買取額が多少下がる場合もあります。(額縁代程度ですが。但し、高額作品の場合はあまり影響しません)額縁は付属品でありながら、無いと評価が下がってしまう存在と言えます。
但し、額と一言で言ってもとても幅が広く、額単体で値段を付けて買取できるモノから、引き取りすらできかねるモノまであります。
今回は絵画買取を専門的に行っている業者として、『売れる額』と『売れない額』をご紹介したいと思います。
※額縁のみを対象とした出張買取は現在行っておりません。他美術品の買取時に一緒に買い取らせていただきます。
※油絵や日本画などの作品が入っていない状態の額を【空額(からがく)】と呼びます。
額縁買取のポイント3選
当社で額を査定する際の重要ポイント3点をご紹介いたします。(あくまでも当社基準のため全ての業者には当てはまりませんこと、予めご了承ください。)どれか1点だけ当てはまるのではなく、3点すべてに該当する時に初めて買取対象となります。ポイントが3つもあると聞くと条件が厳しいように思われますが、衣類や家具など他のリサイクル商品と比べると、当たり前の条件に思える内容ではないでしょうか。
では早速、具体的なポイントを紹介させていただきます。
整理や処分を検討されている方は、チェック項目として使っていただければと思います。
ポイント①:規格が決まっている
絵画には油絵・日本画・水彩画・版画(リトグラフやシルクスクリーンなど)・書画と数多くの種類があります。また、サイズも多くの種類が存在します。
多くの種類がある中でも買取対象となりやすいのは、油絵・日本画用の額縁です。
油絵と日本画はサイズの【規格】が決まっているため、作品の入れ替えが容易であり汎用性が高いと言えます。
(よりマニアックな内容を書かせていただくと、一般的に出回っている10号以下のサイズで『F』という規格のサイズが買取の観点では好ましいです。それよりもサイズが大きかったり、『M』や『P』といったサイズはそもそもの作品数の分母が小さいため、汎用性が高いとは言い難く、買取につながらないことが多いです。下記に規格表をのせています。)
一方、版画や水彩画はシートのサイズに合わせて額縁を注文するケースが多いため、汎用性は低くなります。(少しマニアックな内容を書かせていただくと、マットを調整することで大まかなサイズが合っていれば入れ替え可能ですが、油絵や日本画と比べると需要が少ないため評価が難しいです。)
特にファインアートの版画作品の場合、簡単に作品の入れ替えが出来ないよう額縁が厳重に閉じられているケースが多いため、高価な額縁でも買取が出来ません。
ポイント②:未使用である
特注品などの例外を除いて額縁は基本的に大量生産品であり、新品購入時の価格も数千円~3万円と 極端に高い価格ではありません。
そのため、未使用品 もしくは限りなく未使用に近いモノでないと、金額を付けての買取は行いません。
稀に販売価格が10万円を超えるような高価な額縁もあります。その場合は当社の在庫状況等により、多少ダメージがあっても取り扱いができるかもしれません。お気軽にご相談ください。
ポイント③:今の時代に合うデザインであるか
額縁も絵画と同様、時代によって流行り廃りがあります。バブル期には作品よりも瀟洒な額縁が多くありましたが、現在は比較的落ち着いた雰囲気の額縁が人気です。
額縁で絵画全体の印象が大きく変わるため、額のデザインも時代に合わせ変化し続けています。
油絵などの規格が決まっている種類の額縁で、未使用品であっても時代の古さを感じさせるモノは難しいです。額縁の最も重要な役割は「作品保護」ですが、作品をより良く見せるための「装飾品」としての側面も持ち合わせています。
抽象的な表現になってしまいますが、【今っぽいデザイン】であることが高価買取のポイントとなるでしょう。
具体的な額縁の買取金額は?
買取金額は、先述のポイントを満たしているもので、[定価の数パーセント~]になる可能性が高いでしょう。過去の実績では、数百円~での買取となる事が多い印象です。安い・・・とがっかりされる方もいらっしゃるかと思いますが、値段を付けてくれない業者も多くありますので、空額(作品の入っていない空の額縁)を多くお持ちの方は是非美術品売却時に合わせてご相談ください。
額縁買取で空額でも売れるのか?
上記と一部重複しますが、結論、作品が入っていない空額でも買取対象となるケースがあります。しかしながら、買取できる条件は作品とセットになっている時よりも少し厳しく設定させていただいています。作品が入っている状態であればその作家の評価により買取金額をご提案させていただきますが、額縁のみの場合はだいたいが金額が付かない引取りorお気持ち程度の買取金額になります。
【絵を描く】ことは現在、幅広い世代の趣味として広まっています。
作品を描き続けると、展覧会や公募展などで発表して自分の実力を試したいと思われる方もいるでしょう。一生懸命描いた作品を発表する際にむき出しのキャンバスやボードのままでは格好がつかないため、額縁に入れて展示する方が殆どです。
また、折角描いた作品は飾りたくなる事が多く、実際にご自宅の至る所にご自身の作品を飾っている方もよく見かけます。そんな時にも額縁が必要になりますね。
このような経緯で額縁を購入する方は一定数存在し、絵を描くことを終えるタイミングで整理に困ってしまいます。片づけるのがご自身か遺族かは別として点数が多いと非常に困るでしょう。知り合いに絵を描く方がいれば金額関係なく譲ることもできます。しかしながら、絵を趣味にしている方は十分に額縁を用意している傾向のため、断られる事が多いと聞きます。
絵画・美術品の世界で従事している立場としては、折角美術品を楽しむために使用されていた額縁の処分で困る方を減らしたい、何とかできないかと感じます。
取扱をさせていただく額縁には条件がありますが、出来る限り対応させていただきたいと思います。
額縁買取なら東京の株式会社獏へおまかせください
額縁・空額の整理に頭を悩ます方は意外と多いのではないかと思います。美術品ではなく作品の付属品として考えられることが多いため、額単体での買取は行わない業者がほとんどでしょう。当社でも生憎全ての空額を扱えるわけではありませんが、額縁単体でも状態を確認してきちんと査定させていただきます。お悩みでしたら是非一度ご相談ください。