はじめに
昨今、インターネットの普及により、絵画をはじめ美術品の購入はかなり身近なものになったと思います。例えば某インターネットサイトのオークション。一般の方でも出品・落札が可能です。遡ること約20年、インターネットが各家庭に普及する前は、美術品の購入と言えば「百貨店」「画廊」が一般的でした。インターネット購入のような気軽さは無いものの、担当者から作家情報・背景等 説明を聞くことが出来、何より実物を見てから購入することが出来るという良い点があります。弊社に売却のご相談をいただくお客様にも、かつて百貨店で作品を購入された という方が多くいらっしゃいます。
絵画を購入できる場所が増えた今ですが、今回は元々主流であった「百貨店」での絵画購入について、メリット・デメリットを含め、美術品買取専門業者目線でご紹介いたします。
百貨店で売られている絵画の主な特徴
先述の通り絵画を購入できる場所は増えていますが、どの場所でどのような作品が売られやすいか、という住み分けはある程度されているように感じます。百貨店で多く販売されているのは、ある程度高額な作品や、新人の作家作品です。百貨店ではよく存命している作家の新作展が開催されます。
一方、インターネット上のギャラリーやオークション(ヤフオクなど)では、既に亡くなった中堅作家の作品や、相場が安定している版画作品が多く売られています。既に亡くなった作家の作品は、悲しいことに偽物が出やすい傾向にあります。理由としては、作家自身が亡くなっているので偽物が暴かれにくい事があるでしょう。百貨店が存命している作家の作品を多く扱うのは、偽物が紛れにくい点も大きな理由のひとつです。
次章でご紹介するメリットのひとつですが、「百貨店」は何よりも作品が本物であることを重要視します。そのため、ある程度値段が張る きちんと本物である裏付けが取れているものや、偽物が出回りにくい存命している作家の作品を好みます。
百貨店で絵画を購入するメリット・デメリット
現代の状況もふまえ、百貨店で絵画を購入するメリット・デメリットをご紹介します。【メリット】
① 安心・安全
② 高いステータス性
③ 良質な作品が集まる
百貨店で購入する最大のメリットは【安心・安全】であること、具体的には上にも書いた通り、贋作(偽物)が含まれていない事でしょう。既に亡くなった有名作家は贋作が作られやすい傾向にありますが、百貨店で購入する作品ならそのような心配がありません。万が一購入後に偽物であることが発覚した場合も、百貨店が保証してくれる為安心です。(念のため購入前にご確認ください。)
2点目に挙げた【高いステータス性】は、購入する喜びです。絵画・美術品は所有することで価値を発揮しますが、購入に至るまでの過程も重要です。百貨店ならではのサービスとおもてなしを受ける購入までの時間も大きな価値と言えます。
3点目は【良質な作品が集まる】点です。私は職業柄様々な絵画販売場所を見ますが、百貨店には希少な作家・希少な作品が多く集まっている印象です。また、同一作家の作品でも評価の高い作品と、そうではない作品がありますが、百貨店には比較的評価の高い作品が集まりやすいと思います。
【デメリット】
① 販売価格が割高
② 欲しい作品がすぐに見つかるかは運次第
③ 絵画の販売自体が、主に都心の百貨店でしか行われない
百貨店での購入において、最大のデメリットは【販売価格が割高】であることでしょう。高いなりの付加価値(安全性やステータス性など)があるのでやむを得ませんが、インターネット上のギャラリー等での販売価格と比較すると割高です。
2つ目のデメリットは、販売スペース・販売期間・取り扱い数に限りがあるため、欲しい作品と巡り合える可能性が低いことです。その点インターネットは膨大なスペースを有するため、ご自身の好きな作家作品と出会える可能性が高くなります。また、多くの百貨店では展示即売会前に招待客のみを対象としたプレ販売会を行ったり、外商で特定のお客様へ紹介したりと、公式に展示即売会が開始される前に販売がスタートしてしまうこともあるようです。人気作品はその時点で売り切れてしまうこともあります。
3つ目は単純に、絵画販売を行っている百貨店が遠い場合、行くことが難しいという点です。
これは考え方を少し変え、たまには気分転換を兼ねたお出掛けついでに絵画を見ていただくのもいいのではないかと思います。
今回は百貨店での絵画購入についてご紹介しました。
個人的には、好きな作家さんが決まっていない方、素敵な作品と出会いたい方は是非選び抜かれた質の高い作品と出会える「百貨店」へ足を運んでいただきたいと思います。
お部屋に飾り十分楽しみ尽くしたら押し入れで長期保管する前に、是非当店 東京の美術品買取専門店獏 へご相談ください。