はじめに
絵画を売却する際、少しでも高く売るために重要なのが、【作品の付属品】です。価値の大部分は描かれている作品自体が占めるものの、付属品の有無・コンディション(傷・汚れの有無など)により査定金額に若干の影響が出ます。本日はそんな付属品に目を向けてみたいと思います。まさに売却をご検討中の方、今後売却するかもしれない方は要チェックです!
査定に影響する4つの付属品
絵画の付属品といえば、主に以下4種類があります。・額縁
・黄袋(布製の袋。※下で詳しく説明します)
・箱
・保証書(鑑定書) ※こちらは作品によって必要な場合、不要な場合がございます
冒頭でも述べた通り、買取金額を決める上で最も大事なのは作品自体です。
しかし、我々買取業者側のお話を書かせていただくと、お客様から買い取らせていただいた作品を商品として流通する際、キャンバス・ボード・シートといった額縁に入っていない状態では都合が良くありません。額縁は作品の見栄えを大きく変えるだけでなく、運搬時 作品へのダメージを防ぐ役割も持ちます。
また、黄袋や箱がある事によっても作品の運搬や保管が容易になります。保証書(鑑定書)はあることによって査定がスムーズにいくことがあります。
上記のような理由により、付属品の有無が査定金額に影響を与えることは一目瞭然でしょう。
※黄袋とは:
額の大きさに合わせて作られた黄色の布。額装された作品を箱に出し入れする際、出し入れをスムーズにする 且つ 箱と額とのスレを防ぐ役割もあります。色は黄色の場合が殆どです。一般的に綿素材ですが、不織布などで作られたモノもあります。
付属品のコンディションも重要です
美術品買取業者の立場からすると、作品は勿論、付属品も新品に近い状態で有る事が好ましいです。お客様から買い取らせていただいた作品は、最終的に一般消費者の方の手に渡ります。一般消費者の方へ作品を販売する際、付属品に不足・傷などがある場合は、付属品を新調 もしくは修復します。絵画を購入する方のお気持ちを考えると、いくら付属品とはいえ「額に大きな傷が付いている」「箱や鑑定書が無い」といった作品に大きなお金は出していただけません。
この新調・修復の作業には数千円~数万円程費用が発生しますので、付属品が新品に近い状態であればあるほど、僅かではありますが査定金額がアップすることになります。
付属品の価値も侮れないことをご理解いただけたでしょうか?
付属品の中にも重要度のランクが・・・最重要は【額縁】!
上に挙げた通り付属品は複数ありますが、中でも最も重要なのは【額縁】、次に重要なのは【保証書(鑑定書)】です。まず【額縁】ですが、「傷が付いてしまったから捨ててしまおうかな・・・」とお考えの方、傷があっても捨てないで下さい。買取業者側の話ですが、額縁を新調するより修復する費用の方が安く済むケースが多く、そのため査定金額にも差が出ます。(当社では電話でお問い合わせをいただいた時点で作品詳細をご教示いただけた場合 おおよその査定金額をお伝えできますが、額装されている前提で査定金額を提示させていただいています。)
次に重要なのは【保証書(鑑定書)】です。
ここで言う【保証書】は、作品の販売元が作品が本物であることを保証するために制作した独自の証明書です。鑑定書と異なり公的な効力はありませんので、無いよりはあった方が良いかな?という程度です。
重要なのは【鑑定書】です。鑑定書とは、亡くなった作家の作品で、ある程度高い市場価値を有しているモノを再度流通するために必要な書面です。亡くなった作家作品すべてに鑑定書が必要なわけではありませんので、気になった方は美術年鑑や美術市場などの冊子で確認してみてください。但し、美術業界が認めている公的な鑑定機関以外が発行した鑑定書は効力がありませんので注意が必要です。
※公的な鑑定機関が設立されている作家さんの作品でも、鑑定書無しで再流通出来る場合もあります。(市場価値の変化によって必要有無も変わります。)少し複雑なので、最終的には美術品買取の専門業者に聞いてみることをおススメします。
【黄袋】や【箱】に関しては、捨ててしまうお客様も多く、査定金額に大きな影響を与えることはほぼありません。しかし額縁は無いと、シンプルに額縁代(数千円~2万円程度)分、査定額が下がります。特に版画作品は油絵や日本画と異なり規格(SMやF10号など)が決まっていない為、額縁代が割高になる傾向ですので、是非ご注意ください。
まとめ
今回は査定金額に影響する4つの付属品について紹介させていただきました。作品の売却を検討されている方は、是非一度付属品の有無を確認してみてください。また、付属品は状態が悪いものも、ひとまず捨てずに保管しておくことをおススメします。鑑定書に関しては特に必要有無の判断が難しいため、是非当社のような美術品買取専門店にご相談ください。
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