目 次
はじめに
こんにちは、東京の美術品買取専門店獏 です。東京で絵画・美術品の買取を行っていますが、日々幅広い作品の買取依頼をいただきます。美術品を所有されている方は意外にも多く、美術業界で従事している立場としては非常に嬉しい気持ちです。販売ではなく買取ですので何らかのきっかけで整理しなくてはならない作品の橋渡しを行っており、買取金額に喜んでいただくこともあれば、ガッカリされる事もあります。
買取に関しては家・車・貴金属・ブランド品などと同様に市場相場をもとに金額を決めていますので、購入価格の何割という考え方ではありません。なので、50万円で購入した作品が買取価格1万円になることもあれば、100万円になることもあります。
ただ、購入場所(百貨店など)や購入時期(バブル前後)によっては購入価格と比べて買取金額が大幅に下がることが多いです。
その中でも現在でも評価が高い木版画作家を厳選して紹介させていただきます。その作家が売れ始める前に買っていれば購入金額よりも高く、売れ始めてから買っていれば購入金額よりも安くなる傾向です。比較的相場が安定している作家なので購入する際に参考にしてもらっても良いかもしれません。買取での評価が高い作家は大幅に値下がりしにくい傾向です。
なぜ木版画作家に限定させていただきたかというと、個人的に好きな技法であるのと、ジャンルを限定しないと紹介したい作家が山ほどいるためです。では、具体的に現在の相場等を紹介させていただく前に「版画」や「木版画」について簡単に紹介させていただきます。
版画とは
まず簡単に「版画」とは何か?から説明させていただきます。版画とは色の数に合わせて版を制作して、一色一色摺って一枚の作品を完成させることです。美術品として出回っている作品の多くは「作家直筆のサイン」と「限定部数」が記載されています。作家のサインが作品保障の役割を果たし、限定部数を記載することにより作品の希少性を担保します。限定部数とは23/100など数字で記載されているタイプからアルファベット記載のものまで様々ですが、50部~300部ぐらいが一般的な枚数です。
限定部数が少ないほど希少性は高いですが、ある程度人気がある作家ではないと市場評価に影響を与えません。
木版画とは
木版画とは版画を制作する技法のひとつです。木版以外にはリトグラフ、シルクスクリーン、銅版画などが存在しますが、最も温もりがあり、多くの人に馴染み深い版画技法です。版画作品は洋画家や日本画家などが、多くの人に作品を楽しんでもらうために制作することもあり、流通量に比べて版画専業作家の作品はそれほど多くはありません。実際に買取する作品の多くは洋画や日本画が専門の作品です。
なので、版画を専業で行っている作家は比較的に珍しく、専業作家は木版か銅板で制作している事が多い印象です。
木版は名前の通り木を版にしていますので、木の木目が作品に表れることから温もりがある版画作品と呼ばれています。また、美術の授業で彫刻刀を駆使して木版を作った方も多いのではないでしょうか。
代表的な木版作家3人
前置きが長くなりましたが、現在でも市場評価が高い木版画作家を紹介します。棟方志功、斎藤清、清宮質文です。他にもたくさんの木版画作家がいますが、キリがありませんので厳選しました。選ぶ基準は、美術業界への影響力、市場評価、作品の独自性などを考慮しました。有名な作家なのでご存じの方は多いと思いますが簡単に紹介させていただきます。
① 棟方志功(ムナカタ シコウ)
日本で最も有名な木版画作家ではないでしょうか?木版で作品の輪郭線を黒く摺り、一枚一枚自身の手で色を入れていく制作方法で、版画ではありながら同じ作品は一枚とありません。作品の種類によって数万円~数百万円まで買取価格に大きな幅があります。
② 斎藤清(サイト ウキヨシ)
地元会津の冬景色をモチーフにした連作「ウィンターインアイズ」が有名な作家です。シンプルで身近な景色を題材にした情緒ある作品が人気のポイントです。数万円~30万円前後の買取価格が多いですが、中には50万~100万円前後の作品もあります。
③ 清宮質文(セイミヤ ナオブミ)
花や風景などの具象的なモチーフを独自のブルーで幻想的に表現した作品が特徴的です。現代美術のような洗練された印象を受けます。買取金額は10万~30万円前後になる事が多いです。
最後に
他にも有名な作家は多数いますが、上記3作家に厳選させていただきました。金額的には棟方志功が頭一つ抜けていますが、齋藤清も清宮質文も人気が高い作家です。洋画や日本画だけではなく版画作品も積極的に買取を行っております。コレクションの整理や作品の処分をご検討の方はお気軽にご相談ください。作家名や詳細が分からなくても大丈夫です。お問い合わせお待ちしております。