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2019年12月17日 版画 買取

絵画・美術品の革命家!ヒロヤマガタ(山形博導)とシルクスクリーン!

ヒロヤマガタ本人

日本のポップアート!絵画・美術品の新たな歴史

「バブル期に一世風靡したシルクスクリーン作家」という印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか。ヒロヤマガタ(山形博導)が表現する作品を簡単に説明させていただくと、<写実的な風景>に<簡素化した人物描写>を合わせるギャップアーティストといえます。
写真をそのまま使用したかのような写実的な風景(殆どが街の風景)に、幼児向けアニメから出てきたような二頭身の人物を描写するギャップは革新的で、一つの画面で被写体の解像度を変える作風は当時新しい試みだったのではないでしょうか。

また、彼の作品には版画技法の一つである[シルクスクリーン]がよくマッチしています。
シルクスクリーンの特徴は光沢感があり、絵の具の厚みがある点で、写真のようなイメージになります。この技法を採用することでヒロヤマガタの写実をより写実的にして、人物描写との間にギャップを出すという計算された表現方式だと思っています。
絵の表現方法は無限大だということを教えてくれます。

今まで200枚以上の版画作品を世に出していますが、最初の2枚はリトグラフで制作されています。
具体的には、1976年のパリ時代に制作された<ウェスタンフィルム>と<パリ・フィルム>です。
現物を見ると昔のフィルム映画を思い出させる懐かしさで、版画技法が違うだけでこれほど見え方が違うのか・・・と驚かされます。
また、リトグラフで刷られた珍しい絵画作品ですので、他の作品と比べて市場評価も高めです。
ウエスタンフィルム
パリフィルム

彼は1978年にロサンゼルスに移ってから本格的にシルクスクリーンを用いた版画作品制作を始めました。作品によっては100色以上の色を使っており、プリンター(版画技術者)が苦労したそうです。

ウォーホルのように有名人とコラボレーションをして地位を高める!

ヒロヤマガタは有名人や有名企業とコラボレーションをして自身の価値を高めていきました。
まずはゴルフ界の帝王、<ジャック・ニクラス>です。
ゴルフ好きな方であれば一度は名前を聞いたことがある名プレーヤーだと思います。世界的に有名なゴルフ場を舞台に数種類の絵画作品を制作し、ファンの裾野を広げる画期的な作品となりました。
アースリーパラダイス
<アースリーパラダイス>シリーズとしてベンツともコラボレーションをしました。
ウェディング、ハミングバード、ウォータードロップ 、フラワーブルームなどが挙げられます。ベンツの車体に、美しい自然のイメージとしてカラフルな色使いで南国の動植物を描いたのが始まりです。初めて見た時、彼はこのような絵も描けるのかと驚いた記憶があります。

ご存じの方も多いと思いますが、<世界のディズニー>ともコラボレーションしています。
日本の一画家が、世界の大企業・ディズニーとコラボレーションできるとは誰が考えたでしょうか。ヒロヤマガタの絵が日本だけではなく世界でも評価された大きな証拠です。
複数枚発表されていますが、ヒロヤマガタファンだけではなくディズニーファンからも人気があるので、通常の作品と比べると評価は高くなっています。
ペリエ

結局、ヒロヤマガタの絵はどんな評価?

芸術的な立場から見ると日本国内では評価が二分する作家ですが、上述の内容を考慮すると一つの絵画作品として十分評価に値すると思います。
商業的な立場からは、バブル期に爆発的に売れたせいか残念ながら現在は市場価格が著しく下落しています。作家本人に、新作を発表してバブル期の様な評価を今一度されたいという気が無いのかもしれません・・・。

しかし全体的には価格が下がっている中でも、一部の人気シルクスクリーン作品(ペリエ、レイニーデイなど)は高価買取が可能です。「現在の市場価値を把握したい」といった理由でも結構ですので、是非当社 東京の美術品買取専門店獏 へお気軽にご相談ください。