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2019年12月09日 絵画 買取

絵画・美術品買取業者の失敗談!海外作家の鑑定は時間が必要!

ミスパンダ

東京の美術品買取専門店 獏の小林です。

今回はお客様に迷惑をかけてしまった失敗談です。

まず前提となるお話ですが、現在美術業界では
有名作家の原画(油絵・水彩等)作品は「鑑定書が無いと流通できない」というのが一般的です。
『鑑定書』とは、作品が美術品として本物であることを証明するものであり、これは日本国内においてだけではなく、海外でもそのような傾向があります。
また、作品の金額が高額になればなるほど、作品の来歴も重要になります。作品がつくられてから現代に到るまでに空白部分(所在地不明期間)があると、「贋作ではないか?」と疑われる要素になってしまいます。反対に、有名美術館・博物館への出品履歴があると、作品の説得力や市場価値が非常に高まります。

そのような世界の潮流から、鑑定機関が設けられている作品は鑑定書を付けて販売をするのが良しとされています。著しく市場価値が低い作家などを除き、当社でも作品を売買する際、鑑定書が無い場合は基本的に取るようにしています。
鑑定書取得のためには所定の鑑定機関に作品を出す必要があり(画像のみの提出で良いケースも有り)、国内の作家作品の場合鑑定代が3~6万円ほど必要となることが殆どです。その関係で市場価値が5万前後の作家作品だと割に合わず、結果、全ての作品で取得しているわけではありません。

鑑定
やっと本題ですが、私の失敗というのは鑑定をとるだけで半年以上の時間を要してしまい、またそのことを事前にお客様に説明できていなかったことでした。
一般的に日本国内の作家作品の場合は2~3か月で鑑定結果がわかることが多いのですが、その作品は海外作家のものであり、鑑定機関も海外で倍以上の時間が掛かってしまいました。その際は幸運にも非常に理解のあるお客様でしたのでご納得いただけましたが、売却を急いでいるお客様だとしたら・・・と思うとゾッとします。

日本国内ではなかなかあり得ないことなので、かなりビックリした記憶があります。
この経験を踏まえ、海外作家の原画作品をご売却される際に気をつけた方が良いことを紹介させていただきます。

(1)とりあえず時間は余裕をみる

日本国内では鑑定日が月に1回は設けられていることが多く、鑑定結果も1~2週間ほどで出ることが殆どです。
しかしながら、海外の場合は2〜3ヶ月はかかります。作品を実際に送るとなるとその分更に時間がかかります。

過去にあったケースですが、11月に鑑定を出したら「12~1月はバカンスで鑑定できない」と言われ、途方にくれた時もありました。フランスの作家でしたが、ヨーロッパの人は本当に長期休暇をとるのかとカルチャーショックを受けたものです。
そのようなこともありますので、すぐには売却の予定が無くても鑑定書がない方は先に取っておいてもいいかもしれません。

(2)作家によっては没収されてしまうことも

作家によって鑑定方法は大きく異なります。画像や写真だけで判断できる機関もあれば、現物を見て判断する機関もあります。
基本的には鑑定書が発行されない(=正規品と認められなかった)作品は返却してもらえますが、ごく一部の鑑定機関では真作と認められないものに関しては作品を没収される事があります。
鑑定に出す際はそのような特筆事項がないかしっかり確認する必要ありです。

(3)結論、何が起こるか分からない

某外国作家の作品で、鑑定をとるのに1年以上かかったケースもあります。海外は日本に比べ、イレギュラーな事が頻繁に起こります。

くどいようですが、売却の予定がなくても鑑定書は一応取っておいてもいいのではないかと思います。
鑑定が必要な外国作家はそれなりの売却価格になるケースが多いです。すぐ現金化できるかどうかでも、資産としての価値は違ってきます。


海外の原画作品は査定をする上で豊富な経験や知識が必要になります。
このように失敗を含め沢山の経験をしているからこそ、お客様の状況にあったご提案ができるかと思います。
絵画・美術品のご売却をご検討の際は是非当店 絵画買取専門店 獏 へご相談ください。