浮田克躬

浮田克躬の油絵・絵画・パステルの
買取価格とポイント

1930年~1989年 物故作家。
日本の洋画家。東京都杉並区生まれ。実母が病身のため幼少期から母方の祖父浮田和民に養育され、のちに両親が離婚したため浮田姓を名のる。1944年に小林萬吾のもとで石膏デッサンを学ぶ。1945年に藤沢中学校を修了して東京美術学校油画科(後の東京藝術大学)に入学する。安井曽太郎、伊藤廉に師事し、同校を卒業する。第14回新制作派協会展に<集荷場>で初入選する。1954年より一水会運営委員の田崎廣助に師事し、同年より一水会展に出品する。1967年に渡欧しフランスを中心に8ケ国を巡る。以後たびたび渡欧し、西洋の都市が多く描かれる。この後、西欧に加えて中南米の風景を描くようになる。1981年に第13回日展出品作「シシリーの家」で会員賞を受賞する。

買取ポイント

浮田克躬の作風

浮田克躬といえば<海外の風景>をモチーフにした絵画作品ではないでしょうか。
主に西洋の都市を描いた堅牢で構築的な作品が多く、そこに住まう人々が醸し出す感情を排除しているように感じます。浮田が描く風景は圧倒的な迫力で鑑賞者に圧力を与え、その空間に重厚感が漂います。人を積極的に描かない所も作品の重みを増しているでしょう。また色味も控えられ特徴的ですが、厚塗りでダイナミックなマチエールも浮田克己が得意とする表現方法です。具象芸術は美しくキレイという固定概念を覆し、厳しく重みがある作風を完成させました。好みが分かれる作品かもしれません。

浮田克躬の現在の評価と価値

買取価格に関しては<海外風景>+<赤色>が高額査定のポイントです。もともと色目を抑えて描かれる作品が多いですが、そこに赤で屋根などを描いていると評価しやすいです。二次元ながらも立体感があり、落ち着いたトーンは緊張感を与えてくれます。風景画でも自然だけを描く作品ではなく、建造物やフランスを中心としたヨーロッパの街を描いた作品が良いとされています。

現在でも評価が高い作家です。厚塗りの作品が多く、死後30年以上経過しているため、ダメージには注意が必要です。作品の技法により評価が分かれるため順番に見ていきましょう。

浮田克躬の相場や鑑定について

① 油絵
街が描かれている風景画で赤色を多く使っている作品が最も高い評価を得ています。一方、トーンが明るい風景や、静物画などは評価が下がる傾向です。
買取金額は数十万円台になる事が多く、サイズや描き込み具合により100万円を超える事もあります。
油絵作品は湿気等によるワレやカビがでる場合があります。作品によっては数十年以上経過していますので、状態のチェックは必要です。浮田の作品は絵の具のワレが出ている作品に出合うことが多いので、管理には注意が必要です。

油絵などの原画作品は<浮田和枝氏>の鑑定書が必要となります。鑑定書が無くても査定後にとれますので、お気軽にお問合せください。

② パステル
油絵作品に比べると流通量は少なく珍しいですが、買取金額には影響しません。基本的には油絵の10分の1くらいになる印象です。

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浮田克躬の代表作品

  • 北海道風景(油彩)

  • 古城と村(油絵)

    赤い屋根が多く、よりトーンが暗い方が良いです。買取査定額は50万~100万円前後となります。

  • 僧院(油絵)

    スッキリとした構図で街の静寂さを表現しています。買取査定額は30万~60万円前後となります。

  • 北国(油絵)

    日常の風景を芸術作品まで昇華しています。ただ、代表的な構図とは距離があります。15万~30万円前後の買取査定額となります。