鶴岡義雄

鶴岡義雄の絵画・油絵・版画の買取価格とポイント

1917年~2007年 物故作家。
茨城県土浦市生まれ。両親が芝居小屋などを経営してきた芸能一家に育つ。旧制茨城県立土浦中学校の在学時に同校の先輩にあたる熊岡美彦の講習会に参加して画家を志すようになす。1937年に日本美術学校(現在の日本美術専門学校)に進学し、林武に師事する。同時期に織田広喜、鷹山宇一らと知り合う。1941年の同校卒業と同時に第28回二科展に「台湾蛮女」を出品し初入選を果たす。1944年に関東軍としてハルピンに赴任し、帰国後まもなく土浦で終戦を迎える。1946年に服部正一郎を中心に二科会茨城支部を結成し、創立会員として参加する。
1973年にパリにアトリエを構えマドモアゼルのシリーズに取り組む。1974年頃から舞妓の作品も描くようになる。2002年に二科会理事長となり、2006年に同会名誉理事に就任する。1996年には地元茨城県のつくば美術館で「画業60年鶴岡義雄の世界展」が開かれる。

マドモアゼルで有名な日本画家鶴岡義雄の略歴|ヤフオクやオークションの作品は本物?

鶴岡義雄の詳しい情報

買取ポイント

鶴岡義雄の作風

鶴岡義雄といえば、<女性>を描いた画家と言えるでしょう。戦時中は風景や人物の写実作品を中心に描いてきましたが、50年代半ばからシュルレアリスムやキュビスム風の描写を取り組んでいました。その後、パリへ渡り美を最大の価値とする耽美(たんび)様式が確立され、鶴岡の代表作が生まれました。ある程度フォーマットは確立されていましたが、挑戦的な作風も数多く残しています。芸術家という立場で見ると新たな表現方法を模索する姿勢は素晴らしいですが、買取の立場から見ると代表作の方が安定した相場のため、評価しやすいです。

鶴岡義雄の現在の評価と価値

鶴岡義雄は大きく分けて2つの女性像を描いています。まずは「マドモアゼル」のシリーズが生まれ、その直後に「舞妓」のシリーズが生まれました。現在の評価を基に、油絵作品の買取価格と特徴を見ていきましょう。

まず1つ目は<マドモアゼル>です。
マドモアゼルはタイトルに付けられている事が多く、耽美主義の名のもと海外の女性を華やかに描いています。その女性は普段着ではなく、ドレスアップされ様々な装飾物を身に着けています。買取査定額は数万円台から10万円以上と様々です。

2つ目は<舞妓>です。
日本画家が描く古典的な舞妓ではなく、西洋画を学んだ鶴岡だから描ける作品に仕上がっています。舞妓さんが鼓を奏でている構図が多く、買取査定額はマドモアゼルの構図と大きく変わらない印象です。

上記は油絵作品としての評価となります。版画(リトグラフ)も制作していますが、現在は需要の低下により殆ど金額が付きません。厳しい評価になるでしょう。

両図柄に共通する点ですが、サイズ・描き込み具合・コンディションにより評価が変わります。特に古い作家のためコンディションには注意が必要です。
所定鑑定機関は「鶴岡義雄鑑定委員会」となりますが、鑑定書は無くても買取できます。お気軽にご相談ください。

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リトグラフでも有名なマドモアゼルシリーズ

鶴岡義雄がパリ滞在時にインスピレーションを受けて描いたのが「マドモアゼル」シリーズです。ジュエリーなど宝飾品をつけて煌びやかに描かれた女性たち。輝く瞳、すらりと伸びた鼻すじ、光を受けて佇む女性の美しさは多くのファンを魅了してやみません。
油絵とは異なりリトグラフは平面的な見え方になりますが、版画でも十分に良さを感じる事ができます。

舞妓シリーズも有名です

「マドモアゼル」後に鶴岡義雄が描いたのが「舞妓」シリーズです。
パリから帰国する際に「ふと純日本の様式美として舞妓が頭に浮かんだ」と残しており、これが自身の終生のテーマとなりました。欧米で学んだモダンなタッチとジャポニズムが見事に融合した人気作品で、いずれも洗練された美しさを覗き見ることが出来ます。

鶴岡義雄の作品

  • 鼓(油絵)

    代表作の舞妓を描いた作品です。サイズはそこまで大きくないですが買取査定額は10万~15万円前後となります。

  • マドモアゼル(油絵)

    耽美様式で描かれた華やかな女性図です。買取査定額は10万~15万円前後となります。

  • 早春賊(版画)

    十分な描き込みがありますが、版画作品は厳しい評価です。買取査定額は数千円代となります。