田崎広助

田崎広助の絵画・油絵の
買取価格とポイント

1898年~1984年 物故作家。
福岡県八女市生まれ。同郷の画家・坂本繁二郎、青木 繁の活躍に触発され、画家としての道を志す。1920年に上京して安井曾太郎に師事し二科会に所属する。1926年に第13回二科展にて初入選を果たす。1932年に渡欧したパリ留学で西洋の美を学ぶも、帰国後、洋画による日本の美を追求する。1936年に一水会の設立に加わり画壇に寄与し、1961年に日本芸術院賞を受賞する。1973年に東郷青児と日伯現代美術展を主催し、その功績でブラジル政府グラン・クルーズ章、コメンダドール・オフィシアール章 (最高名誉章・文化章)を受章する。以後、数ある受賞を重ね1975年に文化勲章を受章する。翌年、立花町名誉町民八女市名誉市民の称号を贈られる。1984年の1月28日自宅にて永眠。享年86歳。
没後、1986年に財団法人田崎美術館が開館し、 2016年には八女市田崎廣助美術館が開館する。
2023年に八女市田崎廣助美術館で「田崎廣助の画業―初期から晩年を辿る―」が開催された。

八女市田崎広助美術館HP 田崎美術館(軽井沢)HP

買取ポイント

田崎広助の作風

田崎広助といえば、<富士山><浅間山><桜島>など、山の風景を描いた絵画作品ではないでしょうか。
略歴で述べた通り一度はパリで西洋の芸術を学びますが、それを模倣するのではなく自身が生まれ育った日本の美を独自の表現方法で描いてきました。田崎広助が描く山は同じ目線で描かれています。上空から見下して描かず、山の麓から見上げるように描くわけでもなく、あくまでも山と対峙して対等に扱いたいという気持ちの表れかもしれません。
油彩画の表現方法の一つとして<遠近法>というのがあります。二次元のキャンバス上で三次元を表現する技術です。遠近法を使うことにより自分の目で見ているかのような立体感を生み出します。しかし、田崎広助は遠近法を使わず日本画のように平面で対象物を描いており、近代日本画の手法を参考にしているかのようです。近代日本画には遠近法という概念は薄く、輪郭線をハッキリと書いた平面的な様式が特徴です。和洋折衷ではありませんが、当時得た技術の中で自分の理想通り描く到達点だったのでしょう。

田崎広助の現在の評価と価値

田崎広助の現在の評価はバブル期に比べると落ち着いた相場ですが、同時期に活躍した作家に比べると高価買取可能です。
高価買取のポイントは、<朱(あか)富士>です。数ある山の絵でも、朱富士が最も人気があり、査定額にも反映されています。浅間山や桜島も人気がありますが、富士山をモチーフにした作品が最も評価できます。

油絵作品と版画作品とで大きく買取金額が異なります。
油絵はキャンバスに油彩で描かれている作品で、数十万円台の買取が多い印象です。
一方、版画作品は安価な買取価格になるでしょう。

田崎広助の鑑定や買取の注意点

油絵は湿気等によりワレやカビなどのダメージがでる場合があります。コンディションにより評価が変わりますので、現物の確認後に最終的な判断をさせていただきます。現在、所定鑑定機関は<田崎広助鑑定委員会>になりますが、鑑定書が無くても査定は可能となりますので、お気軽にご相談ください。鑑定書が必要なのは油絵などの原画作品のみで、版画作品は必要ありません。

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田崎広助の作品

  • ハコネアカフジ(油絵)

    田崎広助という名前を聞くと、このような図柄を想像するぐらい代表作です。査定額は20万~60万円前後となります。

  • 阿蘇山(油絵)

    具象画の山岳作家として有名です。阿蘇山も人気があるモチーフの1つです。査定額は10万~50万円前後となります。

  • 富士(版画)

    こちらは版画作品になります。田崎広助はマチエールが魅力に1つですが、迫力が抑えられてお部屋に馴染みやすいです。査定額は1万~2万円前後となります。

  • 浅間山(油絵)

  • 阿蘇山(リトグラフ)

  • 朱富士(リトグラフ)