志村立美の版画・日本画の買取価格とポイント
1907年~1980年 物故作家
群馬県高崎市に生まれ。神奈川県立神奈川工業高等学校図案科を中退し、山川秀峰に入門する。当時、山崎秀峰は鏑木清方同門の伊東深水と共に、挿絵での活動もしていた。岩田専太郎らと挿絵会の「三鳥羽」と呼ばれ、挿絵での活動を行うようになる。
肉筆画も鏑木清方主宰の郷土会、師である山川秀峰、伊東深水らの主宰する青衿会等へ出品する。その後、主婦の友や婦女会などの雑誌口絵などでその名を知られるようになり、林不忘原作の丹下左膳の挿絵などで岩田専太郎と並ぶ人気画家となる。
当時の大衆娯楽としての挿絵の重鎮として活動していくが、晩年挿絵での活動を休止し、本来の立美の原点である日本画、美人画への回帰をしていく。出版美術家連盟会長などをつとめ、1976年作品集『美人百態』で日本作家クラブ賞を受賞する。
買取ポイント
志村立美の作風
挿絵画家として確固たる立場を築いていましたが、転機となったのは57歳の時です。この頃から本格的な日本画、美人画の制作へとシフトしていきました。繊細で独特な切れ長の目。透明感あふれる白い肌。美しさを追求した美人画は世間から高い評価を得ました。終生、女性像の美の追求を続けました。美人画を描く日本画かは数多くいますが、後世にも名が残る作家のひとりでしょう。死後、40年経過しましたが、高い人気を誇っている美人画作家のひとりです。
志村立美の現在の評価と価値
志村立美の絵画作品は【日本画】と【版画】で大別されます。当然ですが、作品の技法によって大きく評価が変わるため、順番に見ていきましょう。
【日本画】
サイズや描き込み具合によりますが、数十万円台の買取になる事が殆どです。
原画の場合は「志村立順氏」の鑑定が必要な場合があります。購入時期が古い作品には基本的に鑑定書は付いていないため、最初から無くても問題ありません。
【版画】
木版で制作されている作品が多く、日本画のような直筆作品と比べると落ち着いた評価になるでしょう。
志村立美の代表作品
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虹(シルクスクリーン)
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あやめ(木版)
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しぐさ(木版)