澁澤卿(しぶさわけい)の版画・日本画の買取価格とポイント
1949年~2012年 物故作家。
群馬県生まれ。1967年に目黒第3中学校・都立目黒高校を卒業し、大伯父・和田三造の進めにより東京藝術大学工芸科デザイン専攻を受験することになり大藪雅孝に師事し有元利夫・宮廻正明らと共にデッサン等基礎を学ぶ。1974年に東京藝術大学美術学部を卒業し、日本橋高島屋宣伝部にデザイナーとして勤務する。この年銀座画廊にて始めての個展を開催する。当初の作品は人物画が多かった。1977年に出家得度して日蓮宗僧侶となる。1981年頃から花や風景など具象的作品を発表する。1982年に東京藝術大学非常勤講師に就任する。1989年にバーゼル・アートフェアに出品する。1995年に日本美術界を代表して中路融人らと共に中国政府に招かれ上海を訪れる。2008年にモスクワ・ワールド・ファイン・アートフェアに出品する。東京美術俱楽部の他に全国の有名百貨店や画廊で展覧会を開催する。
買取ポイント
澁澤卿の作風
日本画家・澁澤卿といえば、<日本の風景>を題材にした絵画作品ではないでしょうか。
気が滅入るくらい精密なタッチで細部まで表現され、技術的な上手さだけではなく根気が必要な作風です。日本画は油絵と違い制作するのに非常に時間がかかります。日本画は油絵のように絵の具が乾く前に上塗りすることが出来ないため、塗ったところが乾いてからではないと次の作業に写れません。澁澤卿の作品を見れば一目瞭然ですが、一枚の絵を完成させるための製作期間がかなり長かったそうです。芸術家として評価されているのは当然ですが、職人的な側面もある作家と感じます。
澁澤卿の現在の評価と価値
没後数年が経過した現在も人気が高い作家のひとりです。ピカソやゴッホなどの世界的な作家以外は、亡くなった後に評価が徐々に下がる傾向です。様々な理由で市場価値が決まるのですが、生前時にどれだけ評価され、活動できるかが大きなポイントとなります。澁澤卿は大きな相場変動がないため、一流の作家と言えるのではないでしょうか。
澁澤卿の高価買取ポイントは、<細かさ>でしょう。
そもそも澁澤卿が描く風景は細かいですが、その中でも特に細かい作品は評価が高いです。また、桜などの季節を感じさせる作品も高価買取しやすい傾向です。版画作品も制作されていますが、日本画と比べると落ち着いた買取価格になる印象です。
日本画は保存状態によりシミなどのダメージがでる場合があり、状態により評価が変わります。日本画は共シールの有無が買取価格に影響します。共シールが無いと若干評価が下がるでしょう。現在、所定鑑定機関はありません。
ご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
澁澤卿の作品
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秋光彩影(版画)
洋画の様な奥行きがある表現方法です。
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輝赫錦楓(版画)
真っ赤に染め上げられた紅葉が印象的です。
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香霧夕照(版画)
落ち着いたトーンに手前の花が明るさを出しています。