斎藤真一

斎藤真一の油絵の買取価格とポイント

1922年~1994年 物故作家。
岡山県生まれ。1948年に東京美術学校(後の東京芸術大学)を卒業する。1959年にフランスへ留学し藤田嗣治らと親交を結ぶ。1953年静岡県立伊東高校に着任。1957年光風会第43回展プルーヴ賞受賞。1961年に藤田嗣治の助言で津軽を訪れ、古老から瞽女のことを教えられる。1962年から「瞽女(ごぜ)」にひかれ盲目の女性を描く。津軽地方の三味線を弾き語る瞽女を手段とする作品に取り組む。1971年に第14回安井賞佳作を受賞し、18年間勤めた伊東高校を退職する。1973年第21回エッセイストクラブ賞ADC賞を受賞する。
2023年に秋田県立美術館で「旅する画家 藤田嗣治・斎藤真一」が開催された。12月現在出羽桜美術館で「斎藤真一 吉原炎上展」が開催中。

斎藤真一

買取ポイント

斎藤真一の作風

斎藤真一といえば、<瞽女(ごぜ)>を題材にした絵画作品ではないでしょうか。
瞽女とは、盲人の女性のことを言います。三味線を片手に各地を周り、説話や土地の風俗を歌い生計を立てていました。瞽女の歴史は古いですが明治から昭和の初期には新潟県を中心に活動し、近代化に伴い衰退していきました。

斎藤真一が最も力を入れて描いていたのは上記のように非常にデリケートな主題です。しかしながら、作品対象と真摯に向き合って描いているのが見て取れるため、芸術という枠を超へ社会に対してのメッセージだと感じます。そのメッセージをどのように受け取るかは鑑賞者次第ですが、見て終わりではなく考えるきっかけを生む作品だと思います。現代美術のように表面的な芸術でもコンセプトがあれば認められる自由な土壌ができてきましたが、芸術の枠を超えた社会性がある主題の方が作品の果たす役割は強いと思います。

斎藤真一の現在の評価と価値

没後20年経過していますが現在も需要がある作家です。
瞽女(ごぜ)というテーマで、赤・青・紫をメインに構成されている作品は厳しい世界観ながら、何かしらのメッセージがあるのではないかと感じます。越後の厳しさと瞽女のイメージが十二分に表現されています。
査定に関しては瞽女(ごぜ)が主題で制作された作品かどうかが重要です。その中でも<越後瞽女日記>というシリーズは評価が高いです。斎藤真一が描く作品の主な構図は、女性の顔が主題の作品と雪道の中で瞽女たちが移動している風景画のような作品です。若干後者の構図が高価買取しやすいです。

斎藤真一の気になる相場は?

斎藤真一の作品で最も評価が高いのは油絵です。モチーフ、サイズ、コンディションにより金額は大きく変わりますが数十万円台になる事が多いです。ボリュームゾーンは20万円~70万円となります。

油絵は作品の保存状態によりワレやカビがでる場合があり、コンディションにより評価が変わるため、現物の確認後に最終的な判断をさせていただきます。
斎藤真一の作品は板に描かれていることが多く、油絵の作家には珍しいですが共シール(作家のサイン・タイトルが書かれたもの)がついている作品が多いです。日本画家の共シール程重要ではありませんが、無いと若干評価が下がる傾向です。
現在、油絵作品の所定鑑定機関は<日本洋画商協同組合>になりますが、鑑定書が無くても査定は可能となります。お気軽にご相談ください。

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斎藤真一の代表作品

  • 陽の雪原

    陽の雪原(油絵)

    斎藤真一の代表的な構図です。瞽女の世界観をメリハリがある様式で表しています。評価額は25万~50万円前後となります。

  • 瞽女

    瞽女(油絵)

    印象的な表情で鑑賞者へ何かを語りかけています。斎藤真一らしい特徴的な色合いで、査定額は20万~40万円前後となります。

  • 紅い陽の村

    紅い陽の村(版画)

    版画作品でも斎藤真一の雰囲気を損なわず作られています。査定額は1万~3万円前後となります。

  • 帰宅「越後瞽女日記」より

    帰宅「越後瞽女日記」より(油絵)

    板に油彩で描かれた原画作品です。30万円で買取しました。

  • ヴァイオリン弾き

    ヴァイオリン弾き (銅版画)

  • 二本木の雪

    二本木の雪(リトグラフ)