小野隆生

小野隆生の作品の買取価格とポイント

1950年 ~ 現在に至る。
岩手県生まれ。1971年、イタリアに渡航、国立ローマ美術学校絵画科に入学。1977年国立ローマ中央修復研究所絵画科に入学、1980年に卒業。在学中、イタリア各地の教会壁画や美術館収蔵作品の修復に携わる。1976年、銀座の現代画廊で初個展。1980年まで修復作業に携わっていたが、その後修復を止め作家活動に専念する。主にテンペラ画手法で制作し、手掛けるのは肖像画が多い。2008年には伊東の池田20世紀美術館で「描かれた影の記憶 小野隆生展 イタリアでの活動30年」展を開催。現在もそのままイタリアに在住しており、現地で活動中。

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小野隆生のポイント

小野隆生の作風

小野隆生と言えば、テンペラで描いた肖像画でしょう。テンペラとは顔料に乳化作用を持つ物質を固定剤として混ぜた絵の具または手法で、ルネサンス初期などからよく用いられました。有名なところでは、顔料に卵を混ぜると卵テンペラです。卵の乳化作用で、乾いた後にすぐ塗り重ねることや水に濡れても溶け出さないという特徴があり多く利用されました。発色も良く、劣化もしづらいのが特徴です。
小野の作品もよく見ると顔の表情や体など細かく丁寧に描き込まれているのが分かります。多くは西洋人の肖像画ですので、彼らの持つ淡い色合いの肌や髪の色、目の色などが濃淡を使い分けて巧みに表現されています。しかしながら彼らの雰囲気はどこか無機質で、透明さや儚さと同時に少し不安を掻き立てるようでもあります。実在の人物をモデルにしているのではなく、想像して人物の肖像画を描き出しているということが、そう感じさせるのでしょうか。肖像画だけではなく、靴や帽子、洋服だけを単体で描く作品もあり、それらは全て独立しており、背景に人を感じさせません。古典美術の修復で培った描写力で、自身の追い求める具象画を追及し続けています。
テンペラ画が多い印象ですが、油彩・鉛筆・リトグラフ・銅版画など幅広く制作しています。

小野隆生の現在の評価と価値

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小野隆生の作品