奥龍之介の絵画・油絵の買取価格とポイント
1923年~1986年 物故作家。
東京都生まれ。1945年に東京美術学校(現在の東京藝術大学)を中退する。1953年に日展で初入選する。同年、光陽会運営委員、光陽会賞。1967年に第10回安井賞候補新人展に出品する。1972年に第15回安井賞展に出品する。63歳の若さでこの世を去る。
買取ポイント
奥龍之介の作風
奥龍之介といえば、<女性と楽器>を題材にした絵画・油絵作品ではないでしょうか。穏やかな色合いに楽器と女性の構図は奥龍之介の代表作になるでしょう。人物画のお手本のようなバランスで描かれた作品は古典洋画の集大成とも言え、多くのコレクターを魅了してきました。モチーフに描かれている女性は奥龍之介の娘と言われています。人物画だけでも評価されていたと思いますが、奥龍之介のもう1つの特徴は楽器です。クラシック音楽の才能もあり、バイオリンが得意だったそうです。楽器を持つアイデアは自身の経験から生まれたのでしょう。過去に取り扱ったことがある構図ではフルート・バイオリン・マンドリンなどの楽器を持っていました。売却時の印象ですと、女性+楽器という構図であれば弾いてなくても評価は変わらなかったです。このように一貫して描き続けた事により、作家自身の様式を確立しました。
奥龍之介の現在の評価と価値
没後30年経過しましたが根強い人気がある作家です。
高価買取のポイントは<奥龍之介の代表的な構図>でしょう。女性と楽器を描いた油絵作品以外にも男性+楽器や静物画などの作品を残してきました。基本的に女性と楽器の構図が多いため、その構図が高価買取の大前提となります。最終的には女性の顔や全体のバランスや雰囲気を考慮して査定させていただきます。中には描き込みが弱い油絵作品もあり、日本画の世界では良いとされる空間も奥龍之介の場合は評価が下がることもあります。
買取の注意点
美術品の中で油絵はワレやカビ等のダメージが発生しやすいです。作品に出ているダメージの度合いにより評価が変わるため、現物確認後に最終的な判断をさせていただきます。保管状態が最も重要ですが、制作されてからの期間が長いとダメージが出やすい傾向です。没後も活発的に流通している作家の1人ですが、時間には抗えません。現在、所定鑑定機関はないため、現物を確認して判断させていただきます。
絵画の買取について詳しくみる奥龍之介の代表作品
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少女
うつむいた表情が印象的な作品です。人形を持つ仕草に愛くるしさを感じます。
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フルートと女性
正面を向いてしっかりと顔を描いている事が多いですが、珍しく横を向ています。
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薔薇
作品自体は良く描かれていますが、奥龍之介の代表作とは言えない構図になります。