ノリタケ(株式会社ノリタ
ケカンパニーリミテド)
正式社名「株式会社ノリタケカンパニーリミテド」は、愛知県名古屋市西区に本社・工場を置く世界最大級の高級陶磁器・砥石メーカーである。
1904年(明治37年)に森村市左衛門によって日本陶器合名会社として創業された。前身の日本陶器は日本で初めて高級洋食器を生産し、明治9年(1876)、東京銀座に貿易商社「森村組」を創業。弟の豊(とよ)をニューヨークに送って輸入雑貨店「モリムラブラザーズ」を開き、本格的な海外貿易を開始。日本から送られてくる陶磁器や漆器、印籠、屏風、掛軸、団扇などの伝統的な日本の雑貨を販売する。
アメリカでは陶磁器(特に純白の生地)の人気が高く、今後の有望な商品になると感じた森村組では、自分たちで製品を作り、販売することを決意。
製造を決意してから10年の歳月が流れ、ついに純白生地の完成を見た森村組は1904年1月1日、ノリタケカンパニーの前身となる「日本陶器合名会社」を愛知県愛知郡鷹羽村大字則武(現在の名古屋市西区則武新町)に設立。「ノリタケ」の名は、この地名にちなんで付けられ、商標も由来している。
1914年(大正3年)に、日本初のディナーセットを完成。米国へ輸出された日本製の洋食器は大変な売れ行きで、やがて「ノリタケチャイナ」の愛称で慕われ世界中に知られるブランドへと成長していく。日本陶器は第二次世界大戦で多数の陶磁器と熟練職人、生産設備を失い、戦前のような高品質の製品を生産できなくなったため、戦後は一時ノリタケブランドを使わず、「ローズチャイナ」というブランド名で輸出を行った。その後ふたたび高品質な製品を世に送り出すことができるようになり、ノリタケブランドが復活する。その後は日本の経済発展に伴って、電子部品、ファインセラミックスなどの分野にも進出して現在に至る。
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ノリタケの買取ポイント
ノリタケの作風
初期の製品はハンドメイドで絵付けの美しさ、細工の繊細さで知られ、その後アール・デコを基調としたデザインの食器が大量に生産されました。凝ったデザインと華やかさから現在でも親しまれています。ノリタケブランドは欧米で絶大な人気を博し、国内の業者が模造して輸出した偽物が出回るほどだったそうです。オールドノリタケと言われるこの時期の製品は、陶磁器愛好家のコレクターズ・アイテムとなっています。
現在もデパートやギャラリーなどで取り扱いがある人気ブランドのひとつです。メインはテーブルウェア関係ですが、フィギアなどの芸術性が高い作品も存在します。
ノリタケの現在の評価と価値
現在でも数多くのコレクターが存在する、日本が世界に誇る磁器ブランドです。全盛期に比べると落ち着いた価格帯となり、作品により評価がはっきりと分かれる傾向です。買取金額は数千円台から10万円以上と様々です。ティーセットも人気が高いですが、フィギアや絵付けされた花入れなどは特に評価されている傾向で、シンプルな作品よりは華やかでサイズが大きいと高価買取が期待できるでしょう。ノリタケ作品のご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
西洋アンティークの買取について詳しくみる価値が高い「オールドノリタケ」とは?
オールドノリタケとは、日本陶器合名会社が明治期から戦前まで欧米に輸出した陶磁器のことで、花瓶・壺・陶器人形やテーブルウェアなどが主になります。当時は金盛装飾をふんだんに使い、鮮やかな彩色と絵柄で制作されアメリカに多く輸出されており日本国内での流通はほとんどありませんでした。様式もアール・ヌーボー様式とアール・デコ様式とがあり、いずれもその当時の流行りの装飾と高度な技術を持って制作されています。
ノリタケの前身である日本陶器合名会社は、日本の陶器の先駆けとも言われるほど、技術躍進に貢献して来ました。厚みや深さの日本の焼き物と違い、平たく薄く、且つ実用性を備えた食器を作ることがまず困難だったのです。欧米の陶器を研究し続け、そこに日本人ならではの感性と美意識をミックスさせた洋食器はコアなファンが居るほど人気となっています。
アメリカやヨーロッパでは当時すでに芸術的作品とみなされていたため、第二次世界大戦の時ノリタケの工場があった則武町周辺は空爆されなかったそうです。
オールドノリタケとは戦前までの作品のことを指しますが、食器としては流通していたため数が非常に少ないというわけではないので、買取価格はワレやキズがないかなどと言った基本的な要因に左右されます。食器裏の刻印も時代ごとに違いますので、お持ちであれば一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。