西村功の絵画・油絵・版画の買取価格とポイント
1923年~2003年 物故作家。
大阪府大阪市生まれ。3歳の時に病気で聴覚を失い大阪府立聾口話学校に進む。中之島洋画研究所に学んだ後、1948年に帝国美術学校を卒業する。1950年に第4回二紀展に「女学生」が初入選し、佳作賞を受賞する。翌年には同人となる。1956年には委員に推挙される。1970年に初めて渡欧し、パリの街景やメトロ、行き交う人びとにも題材を広げる。1965年に「ベンチの人びと」で第9回安井賞を受賞する。1986年に第40回二紀展には「シテ駅界隈」を出品し、総理大臣賞を受賞する。1982年に神戸市文化賞、88年に兵庫県文化賞を受賞する。享年80歳。
絵画買取のポイント
西村功は1950年代はじめに赤帽を題材にしたことを契機に、駅や駅員、時計、乗客、プラットホームなどを描きました。その後1970年に渡欧したことがきっかけでパリの風景やメトロなどモチーフの幅を広げました。この時の体験が晩年の作品に大きく影響していると言えます。
画面の構成方法も特徴的でモチーフを大きくとらえ、複雑に塗り重ねられる一方で時に縦横に引掻く線も用いられます。つまり、西村功が表現する油絵は厚塗りではないですが激しいマチエールと引っかくような直線を多用した人物描写が写実絵画とは異なるリアリティを感じさせます。リアリズムとは写真のように対象物の瞬間を切り取る表現様式ですが、西村功のリアリズムは目で見る事が出来ない光・風・人間の感情を独自の表現様式で表しています。
個人的には西村功の作品は「フォービスム」と「印象派」を掛け合わせたような表現様式だと感じます。フォービスム特有の荒々しいタッチ、印象派特有の光をキャンバス上に表す表現と市井の人をモチーフにする方法と合致するのではないでしょうか。もちろん西村功独自の表現様式として確立していますが少なからず影響を受けているのではないかと思います。
西村功の買取相場
一時期に比べると買取価格は下落しています。その要因としては死後20年弱経過したことによるコレクターの減少と百貨店やギャラリーの取り扱い数の減少です。
現在の買取査定額は5万~20万円前後となります。具体的な金額は作品の構図、サイズ、コンディションにより決定しますので、お気軽にご相談ください。
サイズと簡単な図柄だけお教えいただければお電話やメールで概算価格をお伝えできますが、画像があればより具体的な査定額をご提案できます。コンディションに関しては現物を拝見してみないと判断できかねます。現在所定鑑定機関はありませんので鑑定書等は必要ありません。
西村功の作品
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本を見る人(油絵)
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犬と人(油絵)
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メトロ(油絵)