松本哲男の版画・日本画の買取価格とポイント
1918年~2019年 物故作家。
日本画家。栃木県佐野市に生まれ。1961年に栃木県立佐野高等学校卒業後、日本画家・塚原哲夫に学ぶ。はじめは東京藝術大学建築科を志望するが、2年間浪人の後、宇都宮大学教育学部美術科に入学する。1968年に同大学を卒業後、栃木県立那須高等学校に美術教師として赴任する。1972年には栃木県立今市高等学校に異動となり、79年まで高校教師を続けながら制作活動に励む。1969年に第54回院展に初入選し、以後院展に出品を続ける。1972年に第57回院展に「叢林」を出品し、院友に推挙され今野忠一に師事する。その後、郷倉千靱に師事する。1983年に日本美術院同人に推挙される。1993年に東北芸術工科大学芸術学部助教授となり後進の指導にあたり、2006年から11年まで学長を務める。1994年に栃木県文化功労者として表彰され、同年にパリ・三越エトワールで「地と宙へ 松本哲男展」を開催する。2005年には、90年代半ばより取り組んでいた世界三大瀑布(ナイアガラ、ヴィクトリア・フォールズ、イグアス)のシリーズを完成させ、宇都宮美術館で記念展を開催し、2008年には同シリーズにより第16回MOA岡田茂吉賞絵画部門大賞を受賞する。日本美術院理事も務める。享年69。
買取ポイント
松本哲男の作風
松本哲男は風景画を中心に制作活動を行っていました。大学卒業後に赴任した栃木県那須高等学校で出会った那須の自然に始まりスペイン、ネパール、中国、アメリカの大自然を題材に、繊細な筆線で画面を埋め尽くしました。モチーフの質感を確かめながら自然に近づく制作態度を一貫して保つことで有名です。自然本来の雄大さや厳かな雰囲気を画面上に凝縮されています。
松本哲夫の現在の評価と価値
物故日本画家では数少ない10万円以上の査定額を出せる作家です。松本哲男の全盛期に購入された方からするとビックリするほど安くなっていると感じると思いますが、現在の相場を考慮すると買取価格が高い作家に分類されます。
富士を中心とした風景画を描いている作品が多く、描き込みが十分でサイズも伴っていると数十万円台の買取になるでしょう。一方、条件を満たさない作品ですと数万円台の買取価格になるかもしれません。
鑑定について
現在、松本哲男の所定鑑定機関は設けられていません。真贋に関しては現物を拝見して判断させていただきます。また、日本画家すべてに言えることですが「共シール」が無いと評価額は下がり、現存作家であれば無くても新たに書いてもらうこともできますが、亡くなった作家は現実的に難しいです。様々なポイントを考慮して買取金額をご提案させていただくため、ご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
日本画の買取について詳しくみる松本哲男の代表作品
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桜富士(日本画)
富士の裾野に咲く桜が印象的です。
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赤富士(日本画)
松本哲男の代表的な構図です。
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夜想(版画)