松本零士の版画の
買取価格とポイント
1938年~2023年 物故作家。
福岡県久留米市生まれ。小学生の頃から漫画を描き始め、1954年に15歳で描いた『蜜蜂の冒険』が、雑誌「漫画少年」第1回新人王に入選、本格デビューを果たす。その後、「少女」、「毎日小学生新聞西部版」などに連載を持つが、高校卒業後、上京する。『セクサロイド』「四次元世界シリーズ」などを経て、1972年に『男おいどん』が大ヒットする。その後、『宇宙戦艦ヤマト』『宇宙海賊キャプテンハーロック』『銀河鉄道999』などのヒット作を続々発表。2001年秋に紫綬褒賞受賞する。
2023年に「銀河鉄道999 シネマ・コンサート 特別追悼公演~松本零士さんを偲んで~」が東京と福岡で開催された。
松本零士の最新買取情報
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ミレニアムクイーン(シルクスクリーン)
10
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光の彼方へ(シルクスクリーン)
10
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帰還(ピエゾグラフ)
7
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無限の夢(リトグラフ)
75,000
福岡出身の漫画家・松本零士の経歴
父親が下士官から叩き上げで将校である陸軍少佐にまで上った帝国陸軍の軍人であり、その関係で幼い時に見たアメリカの戦闘機やB29などの軍用機を目撃、それがのちの作品に大きな影響を与えたと言います。終戦後、福岡県北九州市に移り住み、小学生の同級生たちと「九州漫画研究会」を結成します。当時の小学校の学級文庫にあった手塚治虫の「新宝島」「キングコング」などの漫画との出会いが、漫画家を目指すきっかけになりました。高校1年生の時に投降した漫画が「漫画少年」に掲載されデビュー。その頃にはもう名が知られており、手塚治虫が九州に出奔して漫画を描くときなどにアシスタントで呼ばれたということです。同い年の石ノ森章太郎とは手塚のアシスタント仲間であり「旧友」と呼び合う仲で、松本零士は手塚漫画のコレクターでもあり、手塚治虫本人が自分の漫画を探すときはまず松本に連絡を入れていたそうです。
SF作品に非常に関心が強かった松本はメカニックデザイナーとしてアニメ「宇宙戦艦ヤマト」に全面的に携わり、再放送を経て大人気となり、その後「銀河鉄道999」「宇宙海賊キャプテンハーロック」などの作品がアニメ化され松本零士ブームが到来しました。
松本零士が手がけた代表漫画
(男おいどん)
「週刊少年マガジン」で1971年5月から1973年8月連載され、第三回講談社出版文化賞児童まんが部門受賞。四畳半の下宿で主人公・大山昇太が過ごす、ありふれた日常が親しみやすく、当時の若者から大反響があり多くの読者からファンレターが届いたそう。
(宇宙戦艦ヤマト)
「冒険王」の1974年11月号から1975年4月号までアニメ放映と並行して連載。松本は本アニメのデザインスタッフとして呼ばれましたが、プロデューサーの西崎義展が松本が「セクサロイド」で人間と機械の共存を自然に描いていることに感銘を受け、結果的にはキャラクターやストーリーなど重要な部分にも携わることになりました。
(銀河鉄道999)
「少年キング」で1977年から1981年にかけて看板作品として連載。全18巻。第23回小学館漫画賞を受賞。謎の美女メーテルにパスをもらい、機械の体をくれるという星へ行くために999に乗って旅をする鉄郎の冒険を描く大作です。1981年に一度完結しましたが、999話まで描きたいという松本の意志により1996年に第2部となる「エターナル編」を執筆再開。
(宇宙海賊キャプテンハーロック)
「プレイコミック」で1977年から1979年にかけて連載。宇宙で活躍するため地球を飛び立ったハーロックのスペースオペラ。元は「ハーロック」や「銀河鉄道999」のアニメと同時進行で連載を開始しましたが頓挫、未完のままとなっています。アニメでは鉄郎やメーテルの名が出るなど、リンクしている部分もあり非常に興味深い作品です。
松本零士の作品の買取ポイント
松本零士の作風
松本零士といえば、<銀河鉄道999>や<宇宙戦艦ヤマト>を題材にした版画作品ではないでしょうか。日本の漫画界の生き字引であり現在も活動する世界的な作家です。日本で生活しているならば誰もが知る有名作品を数多く生み出し、版画作品の制作など美術品としての評価も高まっています。古典芸術の系譜ではなく、アニメーションの流れから美術品の世界へ入り、結果を残しています。漫画やアニメは本流のアートを対にしてサブカルチャーとして呼ばれていた世界ですが、現在はその線引きが曖昧になっています。その立役者の一人と言えるのではないでしょうか。
松本零士の現在の評価と価値
松本零士の版画作品は、漫画というサブカルチャーが世界でも認められてきている状況と、「クールジャパン」として日本が誇る文化を世界へ発信しようとしている現状でアート界でも徐々に評価が高まっているジャンルに含まれるのではないでしょうか。
少し前まではアニメのセル画やグッズなどは美術品専門のオークション会社では取り扱いがありませんでしたが、近年は需要の高まりから多くの作品が出品されています。このような経緯で以前よりは買取金額が上がっています。
松本零士のシルクスクリーン(版画)の相場は?
松本零士が制作する版画作品は額装にもこだわっており、額を含めて作品の世界観を味わえますが、重要なのはどのようなモチーフかです。
高価買取のポイントは、<メーテル>でしょう。松本零士が生み出した数あるキャラクターの中でもメーテルが最も人気が高く、高価買取しやすい作品となります。「銀河鉄道999」、「宇宙戦艦ヤマト」、「キャプテンハーロック」などのキャラクターを中心に制作されていますが、メーテル作品の需要が最も高いです。買取金額は数万円台になる事が多く、版画作品で10万円以上の買取は非常に少ないでしょう。
版画は保存状態によりシミや退色などのダメージがでる場合があります。状態により評価が変わるため、現物の確認後に最終的な判断をさせていただきます。版画に関しては、保証書などが付属している作品もありますが、あった方が良いとされています。
松本零士の代表作品
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銀河鉄道999 ~母なるアンドロメダへ(版画)
人気モチーフのメーテルです。
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ハーロックとアルカディア1号(版画)
松本零士の隠れた名作です。
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古代進(版画)
宇宙戦艦ヤマトの主人公です。古代進をモチーフにした版画作品は少なく評価額もそこまで高くありません。
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青春の夢(版画)
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銀河鉄道999~私はけっしてあなたを~(版画)
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星の海へ(版画)
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エメラルダス伝説
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愛の戦士たち
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銀河鉄道999 旅の思い出