ルイ・イカール

ルイ・イカールの絵画・油絵
・版画の買取価格とポイント

1888年~1950年 物故作家。
フランスの洋画家。トゥールーズ生まれ。1905年にパリで絵はがき工房の仕事を得る。エッチングやリトグラフなどの技術を習得。1912年バルセロナで最初の個展を開催する。1913年にワグラム画廊がイカールの作品をアメリカ合衆国に販売する。1914年にゲント(ベルギー)の展覧会に出品し、栄誉賞を受賞する。1918年に第一次世界大戦が終わり、復員する。1920年にファニー・ヴォルメールと正式に結婚し、シモンソン画廊で油彩画の個展を開催する。1922年にニューヨークの画廊ベルメゾンで個展を開催する。1923年にアメリカ合衆国内の個展巡回のためフィラデルフィアへ移る。1932年にニューヨークのメトロポリタン画廊で油彩画の展覧会を開催し、以後数々の画像で個展を開催する。1944年のパリ解放とともに版画制作を再開する。

ルイ・イカール美術館

買取ポイント

ルイ・イカールの作風

イカールといえば<女性>をモチーフにした絵画作品ではないでしょうか。
油絵と版画では雰囲気が異なり、油絵はパステルカラー中心で繊細な女性を描き、印象派のような雰囲気です。一方で版画作品も女性を題材にしていますが、色数が抑えられておりシックな印象です。多くの版画作品が銅版画(エッチング)の技法を使い制作されている事がひとつの理由かもしれません。銅版画らしいシャープな様式とイカールが描くクールな女性との相性が抜群です。技法により作風が異なる表現豊かな作家になります。

買取価格に関しては<女性と犬>が高額査定のポイントです。油絵と版画に共通する部分ですが、女性と犬が描かれていると高価買取しやすいです。
日本国内で流通しているのは、主に油絵と版画となります。順に見ていきましょう。

ルイ・イカールの現在の評価と価値

① 油絵
キャンバス又はボードに油絵の具で描かれた作品が多い印象で、モノによっては100年以上経過しています。過去に出合った作品は何かしらのダメージが出ていますので、致命的なダメージ以外はそこまで評価額は下がりません。多少の痛みは許容範囲内です。
アール・デコの時代に生きた作家らしく、華やかな作風が高い評価を得ています。
現在、所定鑑定人はいませんので現物を見て判断させていただきます。

② 版画
エッチングで制作されている作品が殆どです。油絵と異なりエッチングの特性を生かしたシャープな表現様式で女性の妖艶さを引き出しています。画面の多くを黒と白で構成された作品もありイカールの二面性に驚かされます。

買取金額は数万円台の作品が多く、一部の人気作品のみ10万円以上の評価となります。

油絵作品と同様にダメージが出ているものが多いですが、版画に関しては若干厳しく判断し、評価額に反映していきます。

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ルイ・イカールの版画作品の特徴とは?

イカールの版画作品の大きな特徴が【限定部数の記載が無い】事です。すべての作品ではありませんが、殆どの作品に記載されていません。現代版画の多くは【直筆サイン+限定部数】を記載することにより作品のクオリティと権威性を担保させます。しかし、イカールが活動した時代(1900年代前半)には限定部数を記載する概念は薄く、作家によってはサインも記入されていませんでした。その為、限定部数が無いからといって評価が下がることはありません。

たまにサインが鉛筆ではなく印刷されている作品があるため、注意が必要です。サインが印刷の場合はポスターのような扱いになり、値段のご提示ができかねます。

ルイ・イカールの作品

  • 狩猟II(1930年)

    エッチングで摺られた作品で、原画作品とは異なり知的な印象を受けます。買取査定額は10万~15万円前後となります。

  • リリー(1934年)

    黒い背景に白いドレスが映えます。買取査定額は5万~10万円前後となります。

  • スピードII-SpeedII(1927年)

    躍動感があるイカールの人気作品です。買取査定額は5万~10万円前後となります。

  • 青いシンフォニー(1936年)

    爽やかなブルーが特徴的です。

  • オーキッド(1937年)

    妖艶な雰囲気が漂うイカールらしい作品です。

  • 恋の華(1937年)

    現代でも通用するような近代的な構図です。

  • カルメン(1927年)

  • 椿姫(版画)

  • チャーム オブ モンマルトル(版画)