陶磁器作家 鯉江良二
1938年~2020年 物故作家。
愛知県常滑市に生まれ。1957年に愛知県立常滑高等学校窯業科を卒業する。1962年から66年まで徒粉目市立陶芸研究所で勤務する。1967年に朝日陶芸展入選入賞する。1970年に大阪万博の大型陶製ベンチ制作に参加する。1972年に第30回「フェンツァ国際陶芸展」出品し、第3回「国際陶芸ビエンナーレ展」国際名誉大賞に受賞する。1986年にパリ・ポンピドゥセンター開催の「日本の前衛1910~1970」に出品する。1989年にベルギー・モンス市立美術館「ユーロバリア89ジャパン現代陶芸展」に招待出品する。1992年に愛知県立芸術大学の教授に就任するし、2004年の退官まで後進の育成に努める。1993年に日本陶磁協会賞に受賞する。1995年に広島市現代美術館「戦後文化の軌跡1945~1955」に出品する。1996年に岐阜県立美術館「鯉江良二展」に開催する。2003年にメトロポリタン美術館開催「織部-転換期の日本美術」に出品する。2005年に中日文化賞を受賞する。2008年に日本陶磁協会賞金賞を受賞する。
買取ポイント
鯉江良二の作風
現代陶器作家という側面が取り上げられがちですが、伝統陶芸に通じる器、インスタレーション作品など、ジャンルを超えた多様な作品を残しました。固定概念に囚われず、自由に作品を残し、現代陶芸というジャンルの礎を築いた作家のひとりではないでしょうか。個人的に鯉江良二は非常に文学的な作家だと感じ、理由としてはメッセージ性がある作品が有名だからです。器として役割を超えて、衛生陶器を粉末にした粒状素材(シェルベン)を押しかためて焼成して自分の顔をかたどった「土に還る」や、反戦・反核をテーマにした「チェルノブイリシリーズ」「ノー・モア・ヒロシマ、ナガサキ」などを残し、社会に対して強いメッセージを送り続けました。常滑での原風景と自分が体験してきた労働などから、このような作品が生まれました。
鯉江良二の現在の評価と価値
没後間もないですが、活動期間が長く、作品数も少なくないため、相場は安定していると言えます。現代的な作風が印象的な作家ですが、マーケットに流通している多くは伝統的な形を世襲した作品です。買取金額は数万円台から10万円以上と様々で、作品の種類・サイズ等により異なります。他の陶磁器作家と共通する点ですがサイズが大きい程、制作の難易度が上がるため、評価が高い傾向です。一方、ある程度サイズが決められている茶碗などは出来次第で大きく評価が異なるでしょう。鯉江良二の作品のご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
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