北川民次の絵画・油絵・水彩・版画の買取価格とポイント
1894年~1989年 物故作家。
日本の洋画家。静岡県生まれ。県立静岡商業学校を卒業し早稲田大学へ入学したが、1913年に中退してカリフォルニア在住の伯父を頼って渡米する。ニューヨークのアート・ステューデンツ・リーグで学ぶ。ジョン・スローンに師事し、国吉康雄に出会う。卒業するまでは舞台美術家として生計をたてる。1923年にアメリカからキューバへ放浪しメキシコに移る。メキシコでサン・カルロス美術学校に入学し無事卒業する。1931年にメキシコで野外美術学校校長となり、児童の美術教育にあたった。1936年に学校を閉鎖し帰国する。戦後は、二科展をはじめ、美術団体連合展、日本国際美術展、現代日本美術展、国際具象美術展、国際形象展、太陽展などに制作発表を行う。また、児童美術教育にも尽力し、名古屋動物園美術学校の開設し、北川児童美術研究所を設立する。代表作は<メキシコの三童女>などがある。享年97。
買取ポイント
北川民次の作風
北川民次といえば、<瀬戸の民衆生活>、<母子>、<花>を題材にした絵画作品ではないでしょうか。
戦前から生涯を過ごした瀬戸の民衆生活を題材に、独創的なデフォルメによる原始的な生命感を表す作風を展開しました。デザイン化された人物や花は北川民次の代名詞と言ってよいでしょう。フランスを含めたヨーロッパ留学が一般的な時代にアメリカ・メキシコで学んだ経験が如実に表れています。はっきりとした輪郭線や色の配置はその賜物でしょう。北川民次の作品が油絵や水彩だけではなくメキシコ時代に学んだ銅版画、石版(リトグラフ)、木版画などの作品を残しました。
北川民次の現在の評価と価値
没後30年以上経過した現在でも相場がある作家のひとりです。高価買取のポイントは<鮮やかな色>です。原色を少し薄くしたような色味が特徴的で、北川民次が描く独特な対象物の魅力をより引き出させます。色合いがはっきりしている方が高額査定しやすい傾向です。北川民次の作品は油絵、水彩、版画と大別されますので順に見ていきましょう。
① 油絵
キャンバスに油彩で描かれた作品です。全盛期に比べると大きく評価額が下がっているのが現状です。良質な作品でも50万円以上で買取できるものは少ない印象です。母子や花を北川民次らしいタッチで描かれている作品でもサイズが小さいと10万~15万円前後の買取となります。
② 水彩
紙に水彩で描かれた作品です。描き込み具合やサイズにより異なりますが、数万円台になることが多いでしょう。
③ 版画
北川民次の版画作品は挑戦的なモチーフや構図が多く、技法の特性を生かしながら作られていますが市場価格は低いです。厳しい評価になるでしょう。
鑑定について
北川民次の油絵は<日本洋画商協同組合>が所定鑑定機関になりますが、鑑定書が無くても査定は可能となります。水彩画作品も自筆ですが鑑定は取らない事が多いです。ご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
北川民次の作品
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女の群れ(版画)
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母子(版画)
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バッタ(版画)