加藤東一

加藤東一の版画・日本画の買取価格とポイント

1916年~1997年 物故作家。
岐阜県岐阜市生まれ。1934年に岐阜県立岐阜中学を卒業し、画家を志しながら家業を手伝う。1940月に東京美術学校(現在の東京芸術大学)を受験するため千葉県市川市に住んでいた兄・栄三を頼り上京し、翌年同校日本画科に入学する。結城素明、川崎小虎らに師事する。復員後は東京美術学校に復帰し、小林古経、安田靫彦らに師事する。1947年に同校を卒業し、高山辰雄を中心とする「一采社」に参加し出品を始める。1948年より山口蓬春に師事する。1955年に第11回日展に「砂丘」を出品して特選・白寿賞を受賞する。1957年に蓬春の勧めにより大山忠作らと研究団体「三珠会」を結成し、展覧会を開催する。1963年にヨーロッパを周遊し更なる飛躍を求める。1975年に日展理事に就任し、89年には理事長となる。1991年岐阜市に加藤栄三・東一記念館が開館し、1995年に文化功労者となる。兄は日本画家・加藤栄三。

加藤東一
加藤東一の詳しい情報

買取ポイント

加藤東一の作風

加藤東一といえば、<鵜飼>を題材にした絵画作品ではないでしょうか。静物や風景など様々なモチーフを描いてきましたが、代表作は岐阜県で行われている長良川鵜飼を題材にした作品です。長良川における鵜飼は日本で唯一皇室御用の鵜飼であり、篝火で驚かせた鮎を捕らえる鵜飼を行っています。夜の水面に写る篝火を描写する加藤東一の日本画は幻想的です。濃いブルー系の岩絵の具をふんだんに使用し、その中に輝くオレンジが目を引く作風です。

加藤東一の買取金額について

加藤東一ほどモチーフにより評価が異なる作家はいないかもしれません。基本的に作家の名前である程度相場があり、その相場内で図柄に良し悪しで評価額が決定します。しかし、加藤東一の場合は『鵜飼を題材にした』作品かどうかが最も重要です。鵜飼を題材にした作品は「漁火」の題名が付いていることが多く、群青の岩絵の具を存分に使用しています。
鵜飼をモチーフにした作品ですと数十万円台の買取になりますが、それ以外は数万円台となります。中には10万円以上つくケースもありますが、鵜飼の買取金額に比べると非常に安価になる印象です

加藤東一の鑑定について

加藤東一の日本画は<東美鑑定評価機構鑑定委員会>が所定鑑定機関となりますが、鑑定を取得しないと流通できないわけではありません。まったく必要ない訳ではなく、鑑定がないよりはあった方が良いです。
また、日本画に関しては共シールと呼ばれる作家直筆のサインとタイトルが書かれたものが必要になります。近代日本画は作品と共シールがセットで完品となるため、共シールが無いだけで評価額が下がります。

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加藤東一の作品

  • 漁火

    漁火(版画)

  • 漁火

    漁火(版画)

  • 牡丹

    牡丹(版画)