岩沢重夫

岩沢重夫の版画・日本画の買取価格とポイント

1927年~2009年 物故作家。
日本画家。大分県生まれ。父親の反対を押し切って画家を目指す。1947年に京都市立美術専門学校(現在の京都市立芸術大学)に入学する。在学中の1951年に第7回日展で初入選する。1952年に卒業後、1954年に堂本印象に師事し東丘社に入塾する。1955年には印象の筆頭弟子三輪晁勢の長女で、印象の姪にあたる蓉子と結婚する。1960年には東丘社の先輩達と位双展を組織し、抽象表現の可能性を追究する。1962年より日展委嘱となり、1968年に第11回新日展で菊華賞を受賞する。その後、1972年に日展会員、80年評議員となる。1983年から85年にかけて日中文化協会派遣の日本美術家訪中団に毎年参加し、この訪中体験をもとに描いた「古都追想(西安)」が85年第8回山種美術館賞展で大賞を受賞する。1990年に京都府文化功労賞を受賞する。1992年に第5回MOA岡田茂吉賞絵画部門大賞を受賞する。1993年に日本芸術院賞を受賞する。2000年に日本芸術院会員となる。2001年に日展常務理事に就任する。2009年に文化功労者となるも、その直後に逝去する。鹿苑寺(金閣寺)客殿の障壁画63面を手掛けるなどの活動が有名。享年81歳。

買取ポイント

岩沢重夫の作風

岩沢重夫といえば、<山の風景>を題材にした絵画作品ではないでしょうか。山の風景を多数描いていますが、新緑の風景が最も人気があります。緑一色で表現された画面は迫力があり、自然の雄大さと偉大さを存分に表現されています。晩年に近い作品は風景画をメインに制作していましたが、戦後すぐは静物画など岩沢重夫のイメージとはかけ離れた作品も作っていました。このような移り変わりを経て洗練された作風に辿り着いたのでしょう。京都画壇を代表する作家のひとりです。

岩沢重夫の現在の評価と価値

没後10年以上経過した現在でも相場が残る作家のひとりです。全盛期に比べると落ち着いた価格帯ですが、まだまだ需要があります。
岩沢重夫の高価買取ポイントは<滝>です。山を描いた新緑の風景の中でも、滝が描かれているとさらに評価が高くなります。画面の中央付近に描かれていることが多い印象です。また、緑一色で構成されている画面に黄色などの色が添えられていると全体が引き締まって評価が高くなります。

上記のような代表的な構図ですと、買取金額は数十万円台になる事が多いですが、それ以外のモチーフになると数万円台の可能性もあり得ます。作品により大きく市場価値が分かれる作家です。

岩沢重夫の鑑定について

岩沢重夫は物故作家ですが、現時点で所定鑑定機関は設けられていません。現物を確認して真贋の判断をさせていただきます。また、作品によっては制作されてから長い年月が経過しているため、シミやカビ等のダメージが発生しているケースも見受けられます。コンディションが良くないと買取価格に影響を与えます。保管には注意が必要でしょう。
ご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

日本画の買取について詳しくみる

岩沢重夫の作品

  • 烟雲洛東(版画)

  • 薫蘭(日本画)

  • 翆畑(版画)