今井麗の買取価格とポイント
1982年~現在に至る。
神奈川県生まれ。2004年、多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。2006年から本格的に活動をスタートさせ、2011年に角田光代の小説「曽根崎心中」で徳兵衛とお初を描き、2012年、「ヒマラヤロックソルト」でシェル美術賞「本江邦夫審査員奨励賞」を受賞。2016年、植本一子のエッセイ「かなわない」、椰月美智子の小説「明日の食卓」に装画、2017年、虎屋のようかん「ゆるるか」の広告チラシに作品が登場して広く知られるようになる。鴻上尚史の小説「ジュリエットのいない夜」の装画を担当したことでも有名。
2018年に初めての画集「gathering」を出版。2019年、総合生活雑誌「暮らしの手帳」8月号と9月号の表紙を担当する。2017年に洋画家の父親:今井信吾と共に展覧会を開催して以降、2019年~2021年まで東京・ロンドン・ロサンゼルスで個展が開かれる。2020年は5回開催。画家としての知名度と魅力が多くの人に伝えられ、それをきっかけとして2021年の個展へとつながる。同年、画集「MELODY」を刊行。2022年にはアート作品を多くのオーナーでシェアできる「STRAYM(ストレイム)」から、2021年に描かれた「FRUITS」が出品され、右肩上がりにオーナー権を求める人も増えている。
今井麗の作品の買取ポイント
今井麗の作風
今井麗は、初めの頃こそフランス人形などをモチーにした作品を手がけ、次第に焼きたてのトーストや新鮮な果物、動物のぬいぐるみなどへシフト。画集「MELODY」出版前の展覧会では、「自分が本当に描きたいものを描くのが一番」というコンセプトから、家の中でしか描けない食卓の風景やおもちゃなどをモチーフにします。日常の他愛もないひとコマを描いた作品には、古典的な技法と対象物に対する筆の勢いも感じられるでしょう。作品に光を取り込んだ表現だからこそ、モチーフそのものに呼吸を感じるのかもしれません。ポップなデザインと温もりのある色彩、今井麗にしか描けない独特の世界観は、現代アートに新しい風を吹き込んでいます。
近年は風景画への気持ちも熱くし、静かで明るさのある油絵を意識して描いていると言われています。気になるモチーフは様々な角度からスマホで撮影、お気に入りのベスト写真をプリントアウトし、構図を考えたうえで下描きせずいっきに描き上げるのが特徴です。画集「MELODY」に収められた作品は106点。コントラストの強い絵は1度乾燥させて再び描く。空気感を変えないために短期間で仕上げる。そんな工夫と努力を重ね、忘れられない可愛さを備えた作品として人気です。
今井麗の現在の評価と価値
2021年に画集「MELODY」刊行を記念した展覧会では新作を含む作品展示の他、今井麗の作品をグッズにして販売されていました。Tシャツやトートバック、アクリルマグネットや丸缶など、「作品そのものは買えないけど…」という若者や女性にも高評価を得ています。高知県のアートギャラリーや栃木県那須塩原市のアートフェスティバルにも作品が展示され、地方でも多くのファンから注目されているでしょう。
当初の画集「gathering」は、現在ほとんど手に入りません。Twitter開設によるSNSでの情報発信は、それまでアートに興味のなかった人にも等身大の彼女の言葉を届けられます。展覧会への参加や個展での展示、雑誌や単行本への装画をとおして作品の素晴らしさは「国内外へ知れ渡っている」と言っても過言ではありません。油彩画を専門にして描いてきたからこそ、他の人には表現できない趣むきも楽しめます。「3人のお子さんを育てながら描く」という背景も、日本人が好む傾向にあり、今後ますます人気も高まるでしょう。
モチーフ・図柄・サイズにもよりますが、数十万円から数百万円と買取価格は大きく異なります。現代アートというマーケットは良くも悪くもアクティブな相場のため、売りたいと思ったタイミングや雰囲気によって査定額にも影響をあたえます。問い合わいただいた時点での最高評価をご提案させていただきますので、今井麗の作品のご売却をご検討の際はお気軽にご相談ください。