五味悌四郎の油絵・絵画の買取価格とポイント
1918年~2004年 物故作家。
東京都生まれ。川端画学校を経て、東京藝術大学に入学する。1945年の第1回日展から出品し、1947年からは一水会にも出品する。1964年に渡欧してパリのグランショミエールに学ぶ。1965年にはボザール展入選 、ル・サロン展銀賞と海外でも結果を残す。1968年に一水会優賞、1970年にはフランスでアンデパンダン展に出品する。1984年に一水会委員に推挙される。1986年に一水会を退会し無所属となる。積極的にヨーロッパの芸術に触れ学ぶ。
買取ポイント
五味悌四郎の作風
五味悌四郎といえば、<椿>を題材にした絵画作品ではないでしょうか。市場に出回っている多くの作品が椿を題材にしており、備前焼などの花入れと一緒に描かかれています。背景や花入れは色目を抑えられており、椿に焦点をあてられるよう工夫されています。油絵作品でありながら侘び寂の精神を感じられ、茶の間にも飾っても違和感がないです。在籍していた一水会の方針でヨーロッパの伝統である写実を重視するという目標を体現するかのような精密な描写が特徴的です。
五味悌四郎の現在の評価と価値
査定に関しても代表作である<椿>を題材にしたものが高価買取しやすいです。椿の色は白でも赤でも大きく評価には影響しません。高価買取のポイントは入れ物です。花入れにさされている構図が多く、花入れの描き込みや種類も評価に影響します。また、写実的であればある程、良いとされています。
査定には全く関係ありませんが、サインがGOMiTEiなので、業界ではそのままゴミテイと呼ぶことが多いです。
※一水会とは?
一水会は昭和11年に有島生馬、石井柏亭、木下孝則、木下義謙、小山敬三、硲伊之助、安井曾太郎、山下新太郎の8名によって創立されました。
一水会の目的は『西洋絵画の伝統である写実の本道を守り、安易な会場芸術を非とし、技術を重んじ高雅なる芸術をめざす。』とされています。美しい・キレイ・理解しやすいなどの大衆に迎合するような作品ではなく、信念と目的をもって崇高なる芸術を目指すのが目的と言えます。一水会という名前の由来は次の通りです。清朝初期の技法書「芥子園画伝」中の十日一水五日一石という語句から採られ、石井柏亭の発案により入念な作画態度を示すという意を含み、「一水会」と命名された。
公募団体全般に言えることですが、個人的には昔ほどの勢いがなく過去に巨匠が在籍していた団体という認識です。現在も著名な作家も在籍していますが、時代の流れには抗えないのかなと感じます。
五味悌四郎の絵画の買取価格は?
五味悌四郎を買取金額は数万円~数十万円台と作品のモチーフ・構図・サイズにより大きく異なります。上記で述べたように写実的に椿を描いた作品以外はより落ち着いた価格帯になるかもしれません。代表的なモチーフとそうではないモチーフとで明確な差がでる印象です。
油絵作品は湿気等によりダメージがでる場合があります。作品のコンディションにより評価格が変わるため、現物を見て判断させていただきます。五味悌四郎の作品でもキャンバスの目が見えるくらい薄く描いている作品はダメージが出ていない印象があります。現在、五味悌四郎の所定鑑定機関はないため、現物を確認して判断させていただきます。
五味悌四郎の代表作品
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山椿(油絵)
五味悌四郎の代表的な構図です。このように椿を多く描き、壷の描き込み具合も十分です。
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椿(油絵)
縦型の珍しいサイズです。
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白玉椿(油絵)
小ぶりなサイズですが、重厚感がある背景に白と黄色が映える作品です。