ジョルジュ・ルオー

ジョルジュ・ルオーの版画の買取価格とポイント

1871~1958 物故作家。
フランス・パリで家具職人の息子として生まれる。ステンドグラス職人のもとで見習いの後に国立美術学校に入学し、マティスらに出合う。その後、ギュスターヴ・モローに師事し、この頃からキリスト教主題の作品を描き始める。1894年に「博士たちの間の幼きイエス」でシュナヴァ-ル賞を受賞する。1903年に師の遺言によりモロー美術館の初代館長に就任し、この頃から道化師や娼婦を題材とした作品を発表する。1914年からは版画も制作し、1918年以降は宗教的主題の比率が増える。1941年にアメリカ各地で巡回展を開催する。

母国フランスにあるルオー財団のHPはコチラ
(アーカイブも見られます)

買取ポイント

ジョルジュ・ルオーの作風

キリストなどの宗教をモチーフにし、陰鬱で重厚感がある作風が特徴的です。ルオーは宗教画家として見ることもできますが、古典的な宗教画とは一線を画す唯一無二の作品を作り上げたため、モチーフだけで単純に分類するのは難しいかもしれません。宗教画の重要な目的は偶像崇拝で使用するためですが、それだけではありません。当時の貴族階級の知的遊戯として使われていました。聖書に書かれている宗教上の話を作品に取り込み、絵画を見て鑑賞者同士で雑談が繰り広げられていたそうです。そのため、宗教画は描かれている内容が判断しやすいように写実的に表されているのが一般的でした。
しかしながら、ルオーが残した作品は写実的とは言い難い荒々しいタッチで、鑑賞者が容易に主題を判断することが難しい画風です。アンリ・マティスやマルケなどに出合い、フォービスム運動に傾倒したことが大きな理由でしょう。結果的に20世紀で最も有名な宗教画家として名を残し、日本国内でも多くのファンを作りました。

ジョルジュ・ルオーの現在の評価と価値

シャガールやルノワールなどの作家に比べると、油絵等の直筆作品も国内でもある程度の流通量があります。しかしながら、流通する多くの作品は版画作品でしょう。
ルオーの版画作品は連作が多く、代表的なシリーズは『悪の華』や『ミセレーレ』などが有名です。また、色がついていないモノクロの作品も多く、刷り直しが行われている作品もよく見かけます。
バブル期に比べると落ち着いた価格帯となり、版画作品の買取金額は数万円台になる事が多いです。数万円台の買取になる事が多い中、1938年に制作された『秋』などの一部の作品は数十万円台となります。ルオーの作品のご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

版画の買取について詳しくみる

ジョルジュ・ルオーの代表作品

  • バレリーナ「サーカス」より

    (1930年)

  • 見捨てられた十字架のイエスの下で「ミセレーレ」より

    (1926年)

  • 師に至るまで、そして十字架上の死に至るまで従順なる「ミセレーレ」より

    (1926年)