舟越保武

彫刻・ブロンズ作家 舟越保武

1912年~2002年 物故作家。
岩手県二戸郡一戸町生まれ。父は熱心なカトリック教徒だった。
県立盛岡中学校(現岩手県立盛岡第一高等学校)在学中同期に高村光太郎訳の「ロダンの言葉」に感銘を受け、彫刻家を志す。1939年に東京美術学校(現在の東京藝術大学)を卒業後、石彫を研究し独自の方法で制作をはじめる。美術学校在学中に同期だった佐藤忠良と共に新制作派教会彫刻部の設立にも関わり、戦後彫刻界の新たな潮流を作る一員となる。
1950年に長男が生まれて間もなく急死したのを機に、自らも洗礼を受けてカトリックに帰依、キリスト教信仰やキリシタンの受難を題材とした制作が増える。1967年に東京芸術大学教授となる。多摩美術大学の講師なども歴任する。島原の乱を題材にした「原の城」は、中原悌二郎賞を受賞する。1973年にはローマ教皇パウロ6世より大聖グレゴリオ騎士団長勲章を受章した。1999年に文化功労者に選ばれる。また、息子の舟越桂や舟越直木も同じく彫刻家として活躍している。

買取ポイント

舟越保武の作風

カトリック信仰に裏づけられた崇高で高潔な作風が印象的で、日本では数少ない大理石彫刻作家として知られるようになりました。カトリックは偶像崇拝を認めていませんが、どこか神秘的な雰囲気を身に纏った作品が印象的です。戦後の具象彫刻を牽引しました。佐藤忠良と同じく日本の彫刻史に名を刻み、後進に道を作ったと言われる作家のひとりです。

舟越保武の現在の評価と価値

没後20年前後経過した現在でも相場が残る作家のひとりです。市場に出回る作品の多くはブロンズ作品で石彫作品はあまり見かけません。その分、サイズが小さくても石彫作品は評価が高い傾向です。買取金額は数万円台から100万円以上と様々で、ボリュームゾーンは数十万円台の印象です。モチーフとしては、人物の頭部を表現されている作品が多いでしょう。また、デッサン等の絵画作品も残していますが彫刻作品と比べると厳しい評価になります。舟越保武の作品のご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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