クリストの版画の買取価格とポイント
1935年~2020年 物故作家。
ブルガリア・ガブロヴォ生まれ。本名はクリスト・ヤヴァチェフ。1953から56年の間にソフィアの美術学校で学んだ後、プラハに移る。1957年からウィーン美術アカデミーで学び、翌年にパリへ移り、ジャンヌ=クロードと出会う。1961年から公共の建物の梱包、積まれたドラム缶、ケルン港における「埠頭のパッケージ」など、二人で共同のプロジェクトを始める。1964年にクリストとジャンヌ=クロードはニューヨークに移住する。オランダ・ステディリク・ヴァンアベ美術館、アメリカ・ミネアポリス美術学校ウォーカー・アートセンター、ドクメンタ展など世界各地で作品を発表する。1991年には「アンブレラ、日本-米国、1984-91」として日本国内でも大規模な作品が発表される。1995年に高松宮殿下記念世界文化賞・彫刻部門で受賞する。2009年にジャンヌ=クロードが逝去し、2020年にはクリストも逝去する。
2022年から2023年にかけて21_21 DESIGN SIGHTで「クリストとジャンヌ=クロード “包まれた凱旋門”」が開催された。
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クリストとジャンヌ=クロードのことを
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クリストの最新買取情報
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WrappedMonumenttoVittorioEmanuele,Project for Piazza del Duomo,MIlan(リトグラフ・コラージュ)
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WrappedSylvette, Project for Washington Square Village, New York,(シルクスクリーン・コロタイプ・コラージュ)
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Wrapped automobile(projectforVolvo 122-5 Sport Sedan)(リトグラフ・コラージュ)
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WrappedArmchair, Project(Schellmann88)(リトグラフ)
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クリストの作品の買取ポイント
クリストの作風|凱旋門などの物体を布で梱包する作風が特徴的
クリストはブルガリアで生まれ、1958年にパリに移住してアーティストとして活動を始めます。この頃から工業製品や缶などを布で包むという作風でした。その後すぐジャンヌ=クロードと出会い、「クリストとジャンヌ=クロード」として活動するようになります。1961年から2人は野心的で巨大な作品を数多く制作しました。クリストの代表的な作品は橋やビルを布で包装する行為ではないでしょうか。他にもケルン港で石油樽を防水シートで包装する作品や「鉄のカーテン」と呼ばれる240本のドラム缶をパリの狭い通りに並べて色鮮やかな壁を作りました。油絵や彫刻のように後世に残るものではなく、一過性であり短命な儚い作品を残しました。他のランドアーティストと異なり、人里離れた場所ではなく、人が住んでいてながら多くの人々の干渉を受けない所を選んでいたそうです。
クリストとジャンヌ=クロードの作品は、企画から関係各所との交渉や、労働者や会社との共同作業で完成までに何年もかかるものもあったそうです。
クリストの作品の現在の評価と価値
作風で紹介したようにクリストの代表作は大規模なランドアートのため現存していない事が多く、美術品として売買する事は困難です。アート作品として市場に出回っている作品の多くは版画作品です。シンプルなリトグラフ作品もあればコラージュで布などが縫い付けられている作品もあります。買取金額は数万円台から数十万円台と様々で、コラージュされている作品の方が評価は高くなるでしょう。
クリストの版画作品のご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
妻のジャンヌ=クロードと様々なプロジェクトを成し遂げた
クリスト夫妻は、1964年に活動拠点をヨーロッパからニューヨークへ移します。道路や建造物、環境を舞台としたプロジェクトを開始。彼らは自身の活動を「プロジェクト」と称していましたが、俗に言うビジネスのようなお金を生み出す「プロジェクト」とは異なるものでした。作品制作時は助成金に頼ることなく、自ら資金を調達し、制作のプロセスまでも作品に含んでいます。
ニューヨーク時代の主な代表作品には、シドニーの海岸を布で包んだ「包まれた海岸線」(1969年)やパリのセーヌ川の橋を布で包んだ「ポン・ヌフの梱包」(1985年)があります。2020年にクリストが逝去してからのちの2021年には、生前約60年にわたって構想していたパリの凱旋門を覆うプロジェクトが実現されました。
クリストは過去に日本でもプロジェクトを実施
クリストは1990年、茨城県北部に1,340本の青い傘、カリフォルニアに1,760本の黄色い傘を立てるという「アンブレラ」というプロジェクトを実施しました。傘の大きさは広げると8メートル以上あり、かなり大きなものだったそうです。クリストは傘を「家」に見立て、そこにある自然・そこに住む人々など全てを含めて一つの作品と考えていました。山間に立ち並ぶ傘は圧巻であったことでしょう。約3週間ほど展示され今はもう見ることはできませんが、人々の記憶にはしっかりと刻まれているようです。
クリストの代表作品
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アンブレラ2(リトグラフ)
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Surrounded islands,project by Biscayne Bay 1987(right)(シルクスクリーン+コラージュ)
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Surrounded islands,project by Biscayne Bay 1987(left)(シルクスクリーン+コラージュ)