バカラ
フランスの世界的有名なクリスタルブランド。
1764年、度重なる戦争で疲弊したフランスを復興させようと、ロレーヌ地方バカラ村にルイ15世の命によりガラス工場が設立されたのが始まりである。(現在も同じ場所に至る)
1814年に初めてクリスタルガラスが製造され、1825年にはアルクール公爵の注文により「アルクール」シリーズの原型が登場する。また、1855年、1867年、1878年のパリ万博ではグランプリを受賞し、そのブランドの知名度は高まっていった。
製品のうち消費者に渡る6-7割の他は不適合作品として破棄される。そのため2級品やアウトレットなどの作品は存在しないとされている。
極めて技術力の高いバカラ社はフランスのM.O.F、フランスの最優秀職人を50人以上輩出している。また各国の王室、皇室でも愛用されていてイギリス王室やロシア皇室、タイ王室、モロッコ王室、そして日本皇室も注文している。1921年には当時皇太子だった昭和天皇がパリのバカラショップを訪問したとある。
バカラの買取ポイント
質の高いクリスタルガラスと高度な職人技で、世界中で人気のバカラ。コレクションで集めている方も、贈答品として貰ってお持ちの方も多いのではないでしょうか。
有名なワイングラス、ロックグラス、タンブラーなどの他に花瓶やオブジェ、大きなシャンデリアなど様々な作品がありますが、共通して言える一番の買取ポイントは「欠けていないこと」が重要になります。美術品としても、食器としても誇り高い質を誇るからこそ、欠けや傷などがありますと勿論査定価格にも響いてきますし、最悪の場合値段を付けられない可能性もあります。逆に言うと使用済みでも、欠けや傷がない限り価格はつけることができるのです。
次に、付属品である「赤い箱」の有無になります。もしお持ちでない場合でもバカラ作品の査定はもちろん可能ですが、箱がついている方が査定はしやすいと思います。。
他のポイントとしては、シンプルより装飾の多いデザインのほうが高値になる傾向があります。細かい彫りや図柄の作品は、職人の技が鮮やかに生きているので人気も高いのです。バカラは約200年の歴史を持つメーカーですので、年代物のアンティークバカラも多く残っており、コレクターも多数います。主に、1900年前後の作品は装飾性も高く、コンディションがよければ買取価格も非常に高くなる可能性があります。
バカラの人気の作品一覧
世界的なクリスタルブランドとして高い人気を誇っています。日本国内でもプレゼントとしても使用され、デパートなどで見かける方も多いでしょう。ウィルキーグラスやシャンパングラスなどのテーブルウェアがメインですが、オブジェやシャンデリア等の装飾性が高い作品も存在します。非常に歴史あるブランドですが、時代背景やトレンドに合わせ多くの作品を生み出しています。
アルクール
1841年にフランス国王ルイ・フィリップのオーダーによって作られたグラスを基に作られた、バカラで一番歴史のあるコレクション。どっしりとした台座を持ち、大胆なカットが施されている。180年愛好され続けており、デザイナーによって色々なコレクションが生み出されている、代名詞ともいえるシリーズ。
ローハン
フランス北西部の町ローハンの名前が付けられたシリーズ。蔓草模様がガラス全体に細かくエッチングされており、蔓草の太さや模様の変化などで作られた時代が想定できるという、人気のシリーズ。
パーフェクション
1886年にデザインされ、シンプルかつ洗練された、まさにパーフェクション(完璧)と謳われるシリーズ。シンプルであるがゆえにバカラガラスの輝きがより一層引き立つとされる。スコッチウィスキーやバーボンを飲むオールドファッションロックグラスなどが有名。
タリランド
「アルクール」シリーズをベースに作られたシリーズ。名前の由来はフランスの有名な外交官タレーランから。重心が低く安定感があるが飲み口は薄いガラスで作られている。歴史は古く、刻印の無いものが1833年にはカタログに載っているのが発見されている。
パルメ
空想上の楽園に生息する鳥と花をモチーフにしてエッチング加工してあるシリーズ。フランス大統領のハンティングロッジで使用するために制作された。繊細ながらゴージャスな加工は非常に人気が高い。
ベガ
1995年に発表された、バカラのモダンデザインを代表するシリーズ。ステム部分にあしらわれたダイヤモンド型のクリスタルは光の反射を計算して作られており、シャープで煌びやかな輝きを放つ。北の空に輝く織姫星からその名前が付けられた。
マッセナ
1980年に発表された、ナポレオンに「勝利の女神の申し子」と呼ばれた陸軍元帥の名前を貰ったシリーズ。丸みを帯びた形状は手の中にすっぽりと納まるようなフィット感で非常に人気である。底の部分から炎が立ち上るように入れられた大胆なカッティングは、一本一本若干長さや太さの違いがあり、職人の手作業で作られているこその温もりがグラスに宿っている。
コンコルド
2001年に発表された比較的新しい作品だが、現在はもう廃盤になっている。グラスの飲み口を厚く24金で金彩した、クリスタルガラスと金のコラボが美しいゴージャスなシリーズ。コンコルドはフランス語で「調和」を表す。廃盤ながらもその高級感から今でも変わらぬ人気があり、高値で売買されることが多い。
バカラの現在の評価と価値
プレゼントなどの贈答品としても使用されているため、美術品の中では多くの方が所有されている印象です。日常でも使用できるテーブルウェアから非日常空間を演出する特別なものまで幅広いジャンルがあります。買取金額にも影響し、シンプルなテーブルウェアよりもオブジェやシャンデリアなどの高級感がある作品の方が評価は高い傾向です。
買取金額は数千円台から100万円以上と様々で、ある程度販売価格にも比例します。バカラの作品のご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。