アントニ・タピエスの版画の買取価格とポイント
1923~2012 物故作家。
スペイン・バルセロナに生まれる。1944年にバルセロナ大学で法律を学ぶが、画業に専念するために退学する。1949年にシュルレアリスムに関する一連の絵画を制作し、この頃から東洋の芸術や哲学に関心を持つ。1950年にバルセロナで初個展を開催する。同年、フランス政府から奨学金を得てパリへ行く。1952年に第26回ヴェネツィア・ビエンナーレに出品する。1953年に初めてニューヨークを訪れ、同年サンパウロ・ビエンナーレでグランプリを受賞する。1984年にアントニ・タピエス財団が創立される。1990年に高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門で受賞する。2012年2月6日、スペイン・バルセロナにて逝去する。
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買取ポイント
アントニ・タピエスの作風
タピエスの作品の特徴は、コラージュでしょう。コラージュとはフランス語の「糊付け」を意味する言葉で、異素材を組み合わせる絵画技法です。パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックらが絵画の世界に広め、 タピエスは土や陶器のかけら、麻紐や布など使用して独自の世界観を作り上げました。
油絵具にワラや砂、大理石の粉などを混ぜて、キャンバスに塗り込み立体感を出していきます。1945年頃の若い時代からコラージュ制作を試み、歳を重ねるごとに成熟していきました。アンフォルメル運動の旗手としても有名です。
アントニ・タピエスの現在の評価と価値
タピエスは日本文化にも精通していました。禅、俳句、書道の本を愛読し、座右の書は岡倉天心の「茶の本」だったそうです。美術評論家であり作家の滝口修三と詩画集「物質のまなざし」も制作しています。1996年には大回顧展が日本全国を巡回しました。このような経緯から国内での認知度が高く、多くの作品が輸入されました。直筆の作品よりも版画作品の方が流通量は多い印象です。
版画作品の買取金額は数万円台から数十万円台と様々です。コラージュを得意とした作家のため、その特徴をカーボランダムという技法を使用し、版画でも表現されています。
カーボランダムは、版画技法のひとつです。 木版画等と違い版を彫らずに制作されます。 版に特殊な混合物を塗ってボコボコとした起伏を作り、その凹凸(おうとつ)部分に彩色、プレスして用紙に刷るという技法で、立体感を生み出します。
平面的な印象になりやすい版画ですが、カーボランダムを使用して タピエスらしい作品を生み出しています。市場価値に関しては、カーボランダムの有無よりも作品次第でしょう。 タピエス の版画作品のご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
アントニ・タピエスの代表作品
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Endarrera aquesta gent
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Ratlles vermelles
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抽象