元永定正

元永定正の絵画・油絵・版画の買取価格とポイント

1922年~2011年 物故作家
日本の洋画家。三重県生まれ。1938年に三重県上野商業学校を卒業して大阪の機械工具店に就職する。当時は漫画家を志す。日本国有鉄道に入社し関西各所で勤務したのち、1944年に上野に戻り地元の画家濱邊萬吉に師事する。1946年に濱邊が局長を務める上野愛宕町郵便局に就職したことをきっかけに、本格的に油彩画をはじめる。その後、退職して神戸市に移る。吉原治良らによる芦屋市美術協会主催の芦屋市展を知り作品を出品する。当時の芦屋市展には多くの抽象画が出品されており、大きく影響を受けて抽象画に転向する。具体美術協会に入会して活躍する。1958年ごろから日本画のたらし込みの技法にヒントをえて、画面上に絵具を流した絵画を制作する。1960年にミシェル・タピエの紹介でニューヨークのマーサ・ジャクソン画廊と一年契約を、翌年はトリノの国際美学研究センターと十年契約を結ぶ。1966年に渡米する。1970年代から絵本の制作にも携わる。1980年代以降も精力的に発表を続ける。国内外で開催された具体関連の展覧会に積極的に参加する。
2023年にThe Third Gallery Ayaで「元永定正の『写真』」が開催された。

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買取ポイント

元永定正の作風

元永定正は初期と晩年で大きく作風が異なります。年代によって作風が変わる事は一般的ですが、通常の作家は代表作が収斂されます。しかしながら、元永の場合は2つの作風双方が高い評価を得ています。厳密にいえば若干の差はありますが2つの代表作があると言っても過言ではありません。

代表作①
1958年ごろに辿り着いた「たらし込み」での表現方法です。画面上に絵の具を流して制作する方法で元永定正の代表的な構図です。ニューヨーク滞在中はうまく流れる絵具が手に入らなかったため、代わりにエアブラシやアクリル絵具を使っていたそうです。そこから着想を得て新たな作風を確立したそうです。明確な線引きは難しいですが70年より以前の作品に多い傾向です。

代表作②
2つ目の代表作は1980年代以降に制作されている事が多く、〇△□などの記号を使いながら構成された抽象作品です。こちらの構図は版画にもなっていて比較的美術愛好家には浸透していると思います。陶磁器でオブジェなども制作されています。

元永定正の現在の評価と価値

元永定正の作品は現在も人気が高いです。近年、具体美術協会に所属していた作家に注目が集まり、再評価されています。特に吉原治良や白髪一雄などは非常に高い金額で動いていますが、具体美術協会に所属していた作家全てが評価される訳ではありません。独自の表現方法を確立し、自分なりの芸術を追い求めた一部の作家のみです。元永定正はその一部の作家に数えられ高い評価を得ています。
現代作家の特徴ですが、サイズが大きければ大きいほど買取金額は高くなる傾向です。

元永定正の買取価格は?

代表作①の方が市場に出回る量が少ないため買取価格は高いです。作品の構図・サイズ・コンディションにより具体的な金額は異なりますが、キャンバスで数百万円台の買取が多く、サイズが大きく、描き込みが豊かなほど金額が上がります。
油絵などの原画作品は「モトナガ資料研究室」の鑑定書が必要となります。鑑定書が無くても査定後に手続きできるため、お気軽にご相談ください。

元永定正の作品は油絵などの直筆のみではなく、版画作品も制作されています。油絵の評価に比べると非常に厳しい価格帯となります。

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元永定正の代表作品

  • 無題(版画)

  • 無題(版画)

  • 無題(版画)