松谷武判の買取価格とポイント
1937年 ~ 現在に至る。
大阪府生まれ。1952年に西宮市に移る。初めは日本画を志し、1957年西宮市展日本画部に入選。1960年からビニール接着剤に興味を持ち、絵のマチエールに使用するようになる。同年、吉原治良に師事し1963年に具体美術協会会員となる。29歳で渡仏。1967 年S.W. ヘイターの版画工房アトリエに入門、自身で版画工房を設立する。その後渡仏10年余りの年月を経て再び絵画へ取り組むようになる。その後パリのアトリエを拠点に、精力的に作品を発表。1980年代に入って、ビニール接着剤で盛り上げたキャンバスを鉛筆で黒く塗りつぶす作品を発表。2002年西宮市民文化賞受賞。2017年のヴェネツィア・ビエンナーレではメインセクションに出品、2019年にはポンピドゥーセンターでの個展と世界を舞台に活躍している。
買取ポイント
松谷武判の作風
具体美術協会で吉原治良から「誰もやったことのないことをやれ」と言われビニール接着剤に着目した松谷は、以後何十年もビニール樹脂の持つ可能性に取り組んできました。
滑らかなビニールが伸び広がっていく自由な方向と、鉛筆の黒煙が持つ暖かい黒の線一本一本が見事に融合して深遠な世界が広がります。東洋的な墨の黒の静謐なイメージを持ちつつも、温かみのある黒の表現は見事です。ビニールの質感は官能的でありながら、白と黒の湛える滑らかな静けさは、どこか宗教的で極めて独創的で、世界でも高い評価を得ています。
具体時代の作品や、版画にのめり込んだ時代の作品、そして代表作とも言えるボンドに鉛筆で塗り込んだ作品など色々ありますが、近年は黒だけではなく鮮やかな青や黄色も使い、新たな一面をのぞかせ制作の幅をさらに広げています。
松谷武判の現在の評価と価値
黒を基調とした立体感がある作品が印象的です。作家の意図を排除した独自の表現様式で大きな評価を得ました。作品によっては数百万円台の買取金額をご提案する事もできます。松谷武判の絵画作品のご売却をご検討の際はお気軽にご相談ください。