陶器作家 藤原雄
1932年~2001年 故物作家。
岡山県備前市に生まれ。父は人間国宝・藤原啓である。生まれつき視力が非常に弱く、右目は0.03、左目は全く見えなかった。そんなハンデを抱えながらも、父・啓は健常者と同じように教育を受けていくことにこだわった。青年時代は音楽や文学、ありとあらゆる芸術に触れセンスを磨いていく。1955年に明治大学文学部を卒業後、みすず書店に編集の仕事に携わるも、父が病に倒れ看病の為休職し故郷に帰る。そこで小山富士夫の影響で陶芸の魅力に気づき、その世界に入る決心をする。回復した父啓に陶芸の基礎を学ぶようになった。1958年に日本伝統工芸展に初入選を果たす。1964年以降アメリカやカナダで個展を開き、各国の大学で講義を行い世界中に備前を広めた。
1996年に備前焼の重要無形文化財保持者として人間国宝に認定される。親子二代にわたり人間国宝に認定されるのは史上初の快挙。2001年に69歳で逝去し、息子・藤原和も陶心会会長と備前陶友会理事を勤める有名陶芸家である。
買取ポイント
藤原雄の作風
備前焼の人間国宝で金重陶陽と同じくらい有名ではないでしょうか。藤原雄の備前焼は金重陶陽や藤原啓が築いた現代備前をベースに、備前本来の品質を左右する土味にこだわった作品が特徴です。造形の点では北大路魯山人に粋を学び、穏やかな造形に削ぎや透かし、線彫で作家の作為性を加えたもので特に壺を多く作成しています。牡丹餅(ぼたもち)と呼ばれる丸い模様の使い方が秀逸で、擂座(らいざ)があると評価が高いです。
藤原雄の現在の評価と価値
備前焼作家で最も有名な作家のひとりです。バブル期には圧倒的な人気があり、日本国中で販売されていました。現在も全国のデパートやギャラリーで販売されていますが、全盛期に比べると落ち着いてきた印象です。
ぐい呑みや徳利の小品から大壷まで大小問わず様々な作品を残しました。買取金額も数万円台から10万円以上と様々ですが、サイズが大きいほど評価が高くなる傾向です。
藤原雄の作品のご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。
藤原雄の代表作品
-
備前酒杯(陶磁器)
-
備前酒杯(陶磁器)
-
備前酒杯(陶磁器)
-
備前茶碗