辰野登恵子の買取価格とポイント
辰野登恵子は、1950年生まれの日本の抽象画家・版画家。
長野県に生まれる。高校を卒業後、東京芸術大学美術学部に入学。大学時代に柴田敏雄や鎌谷伸一と共にグループ「コスモス・ファクトリー」を結成。アンディ・ウォホールなどの写真制版によるシルクスクリーンに興味を持ち、いち早く取り入れる。1970年、初めての展覧会を開催。70年代は彫りの強弱やぼかしなどの表現力を生かせる版画やドローイングを中心に活動していたが、80年代からは油絵の具を使った絵画を主に手掛けるようになる。それまでのドットやストライプを使った幾何学的な作風から一転、油彩による温かみのある感情豊かな表現方法に移行していく。1996年、第46回芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。2003年、多摩美術大学客員教授となる。2004年、同大学教授となる。2013年1月、第54回毎日芸術賞を受賞。2014年9月日、転移性肝癌のため死去。64歳没。
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買取ポイント
辰野登恵子の作風
辰野登恵子と言えば、色彩豊かに描かれる丸や四角のモチーフを思い浮かべる方が多いかもしれません。無機質なものであるはずの「形」を、どこか温かみのある重厚なテクスチャーで表現する辰野の作品は現在も高い人気を誇っています。ポストミニマリズムに関心を持ちつつ試行錯誤した70年代を経て、辰野は80年代に本格的に油絵に取り組み始めます。油絵の質感を活かすために、油で伸ばした絵の具で色を重ねていき、ナイフで削り、またその上に絵の具を重ねていく技法を用いたそうです。様々な技法を試行錯誤し出来上がった作品こそが辰野登恵子の世界観そのものと言えるでしょう。
デッサンや木版画も多く手掛けてきた辰野ですが、晩年にはリトグラフにもチャレンジしています。石を使った石版画も制作しており、芸術への飽くなき探求心を持ち続けていた辰野の貪欲さが伺えます。急逝を惜しむ声が非常に多く、いまだその作品群は後進の芸術家を刺激してやみません。
辰野登恵子の現在の評価と価値
現代アートの需要が高まるにつれて、辰野登恵子の作品も二次流通に顔を見せるようになりました。今まではどちらかと言うと知る人ぞ知る作家だったかもしれませんが、作品が市場へ出回る量が増えて認知度が高まったように感じます。
辰野登恵子の作品で最も評価が高いのは、キャンバスに油彩で描かれたものでしょう。
買取金額は数十万円から100万円を超える作品まで多岐にわたります。どちらかというと、比較的大きいサイズの作品を制作し、一定のサイズがあれば100万円を超える金額になります。
一方、版画作品は油彩原画と比べると落ち着いた価格帯になるでしょう。
辰野登恵子の作品のご売却をご検討の際はお気軽にご相談ください。
辰野登恵子の代表作品
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Work(リトグラフ)
(1991年)
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Spring to SummerⅤ(リトグラフ)
(1995年)
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DEC-2-93 (リトグラフ)
(1993年)