ワシリー・カンディンスキー

ワシリー・カンディンスキ
ーの買取価格とポイント

1866年~1944年 物故作家
ロシアに生まれる。モスクワ大学で法律と政治経済を学ぶ。1896年にミュンヘンで絵の勉強を始め、フランツ・フォン・シュトゥックに師事する。その後様々な展覧会に出品し、フランス印象派展で見たモネの「積み藁」が忘れられず、画家になることを決意。1911年にフランツ・マルクと共に「青騎士」を結成、1910年に初の抽象画を制作している。ロシア革命後の1918年にモスクワに戻ったが、当時のソ連ではレーニンによって前衛美術は革命的と思われており、政治役員の職にも就いた。しかし後にスターリンが台頭し、前衛美術が軽視されるようになると再びドイツへ移住した。芸術・建築の学校である「バウハウス」で教師として教え、1934年にパリに移住。1944年にパリ郊外で永眠、ドイツ国籍、フランス国籍も取得している。多くの著書も残しており、美術理論家としても有名。
2021年に行われたサザビーズのオークションでは、1937年の作品に約32億もの高値が付いた。

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買取ポイント

ワシリー・カンディンスキーの作風

カンディンスキーは抽象美術の先駆者と言われていますが、1908年頃までは写実的な絵画が多く、ヨーロッパを旅しては風景や人物を描いていました。後にだんだんよりシンプルで簡素な表現へと移り変わっていきます。モネの「積み藁」を見た時に、それが一体何の絵であるかは分からないが、その美しさに心を奪われ「絵画は見ている対象の再現にとどまらない」と思ったそうです。代表作とも言える「コンポジション」シリーズは鮮やかな色彩と力強い線で表現されており、具象から抽象、非対称へと変化していく筆致を感じ取ることが出来ます。
晩年はさらに簡略化され、円や線や幾何学模様の抽象画が多くなりますが、カンディンスキーは抽象画を自らの主観や内面の精神世界の表れであると主張し、その軽やかな浮遊感と色彩は見る側の気持ちをどこか明るくさせます。「コンポジション」シリーズは晩年に至るまでに10作制作されています。時代の流れと共に画風が変わってゆくのに注目して鑑賞しても楽しいかもしれません。油彩作品が多い作家ですが、版画作品も精力的に発表しています。

ワシリー・カンディンスキーの現在の評価と価値

国内に流通する多くの作品は版画となり、直筆作品はあまり見かけない印象です。また版画でも直筆サインがあるかどうかで大きく金額が異なります。カンディンスキーの作品のご売却をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

ワシリー・カンディンスキーの代表作品