島田章三

島田章三の絵画・油絵の買取価格とポイント

1933年~2016年 物故作家。
神奈川県三浦郡浦賀町生まれ。1940年に大津尋常小学校(現在の横須賀市立大津小学校)に入学するが、1943年に肋膜炎となり休学する。一時期祖父の住む長野市に疎開するが45年に横須賀に帰り、46年に大津国民学校高等科に入学する。在学中に絵を学び、神奈川県内の絵画コンクールで受賞を重ねる。1949年に横須賀高等学校に入学する。1952年に同校を卒業し東京藝術大学進学を志して川村伸雄のアトリエに通う。1954年に東京藝術大学美術学部油画科に入学し、2学年は牛島憲之、3学年は山口薫、4学年は伊藤廉にそれぞれ指導を受ける。1958年に東京藝術大学油画科を卒業する。同期生には高松次郎、中西夏之などがいる。1966年に新設された愛知県立芸術大学に恩師・伊藤廉に請われて講師として赴任する。1968年に愛知県在外研究員として渡欧し、古典から現代まで広く西洋美術に接した。特にピカソ、ブラック、レジェなどキュビスムの作家から影響を受ける。1979年に藤田吉香、大沼映夫ら10名の洋画家で「明日への具象展」を設立する。1999年に日本芸術院会員となる。2004年に文化功労者となる。享年83歳。

島田章三

買取ポイント

島田章三の作風

島田章三といえば<キュビスム>を連想させる絵画作品ではないでしょうか。
略歴のところで記載しましたがヨーロッパ留学時代にピカソとブラックなどのキュビスムに影響を受けました。キュビスムとは対象物を1つの視点からではなく部分的に様々な視点から見た対象物を1つのキャンバス上に表現した当時では革新的な表現方法です。ピカソの人物を描いた作品が分かりやすいでしょう。目は正面から見た図、鼻は左から見た図、口は右から見た図を合わせて1つの顔を描きました。見る視点は1つだけではないという常識を打ち壊した絵の可能性を広める芸術活動です。
島田章三は本場のキュビスムを模倣するだけではなく自身の表現方法へ落とし込みました。特徴的なのは色合いです。原色ではなくトーンを落とした重みがある色合いを使用して描かれています。色合いを統一することで島田章三らしさを生み出しました。

島田章三の現在の評価と価値

没後数年しか経過していませんが、現在も評価されている作家のひとりです。一部の世界的作家を除くと、亡くなった後は徐々に市場価値が下がっていくのが一般的です。生前と同様の市場価値を有している作家は珍しい方でしょう。島田章三は生前から大きく評価は変わっていない印象です。現在の相場を基に島田章三の買取ポイントを紹介させていただきます。
高価買取のポイントは<人物>か<花>でしょう。この2つの絵画作品は島田章三のキュビスムを感じる上で大切なモチーフです。具体的な金額は作品ごとに異なり、数万円台の買取もあれば、数十万円台まで様々です。

具体的な金額は作品の構図・色合い・サイズ・コンディションにより決定します。現在は所定鑑定機関が設立されていないため、現物を確認して判断させていただきます。お気軽にご相談ください。

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島田章三の代表作品

  • 人と花

    人と花(油絵)

    花台の描き方にキュビスムらしさが出ています。買取査定額は8万~12万円前後となります。

  • 花

    花(油絵)

    市場に多く流通している花の作品です。サイズが小さかったので買取査定額は5万~8万円前後となります。

  • はなかご

    はなかご(油絵)

    島田章三らしい色合いと構図です。買取査定額は10万~15万円前後となります。

  • 卓上白花

    卓上白花(油彩)