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翡翠(ヒスイ)とは?その特徴と魅力を解説!

翡翠(ひすい)と言えば丸みを帯びた緑色の宝石というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。

翡翠は日本でも産出する宝石で、日本を代表する国石(こくせき)にも選ばれています。また、翡翠には高値で取引きされる硬玉(こうぎょく)と比較的安価な軟玉(なんぎょく)の2種類があり、緑以外にもさまざまな色のバリエーションがあります。

今回はそんな翡翠について、その特徴や魅力をご紹介します。

翡翠ってどんな石?

翡翠はおもに緑色の半透明な宝石で、日本ではエメラルドと並んで5月の誕生石にも選ばれています。古くは瑪瑙などとともに「玉(ぎょく)」と呼ばれていました。

指輪やネックレスといったアクセサリーや、皿、盃などの器、置物などにも加工されるほか、近年ではパワーストーンのひとつとしても人気です。

ここでは、翡翠がどういうものなのかについて解説します。

翡翠の特徴

「翡翠」はもともと中国でカワセミのことで、麒麟(きりん)と同じく「翡」がオス、「翠」がメスを指します。それが時代を経るうちに宝石の玉にも使われるようになったと言われています。

中国では仁義礼智信の五徳を備える高貴な石として大切にされ、マオリ族からは長寿と多産をもたらすお守りとして、アステカ族からは癒やしの力を持つ霊石として愛されました。日本でも翡翠製の勾玉(まがたま)が残されています。

油分を吸着する親油性が高く、油を吸ってツヤを増す性質があります。日常的に身に付けることが効果的な手入れ方法として知られており、そのため「育てる宝石」とも評されます。

翡翠の産地

翡翠は日本でも産出することで知られていますが、宝石として通用する品質のものが採れるところはかぎられています。いちばんの産地は新潟県糸魚川とその周辺地域です。

ただし、美しい翡翠が産出する小滝川ヒスイ峡や青海川ヒスイ峡は国の天然記念物に指定されており、翡翠の採取はもちろん、立ち入りも禁止されています。

世界的に見ると、有名なのはミャンマー(旧ビルマ)で、市場に出回っているうちの90%ほどはミャンマー産だろうと言われています。ほかにも、グアテマラやロシアなども翡翠の産地として知られています。

日本の国石「翡翠」

「国石(こくせき)」とは、国を代表する石のことです。

日本のかつての国石は水晶でしたが、2016年9月に日本鉱物科学会の記念事業の一環で新しく翡翠が選ばれました。

その理由は、翡翠が海洋プレートが沈み込む地域の地中で産出する宝石であり、地質学的に見て日本ならではの石と考えることができることがあげられます。また、新潟県糸魚川市で翡翠加工がはじまったのが現在判明しているうちで世界最古であること、また翡翠が縄文時代から装飾品や日用品として使われていたことなどがあります。

翡翠は2種類に分けられる

「翡翠」には「硬玉」=ジェダイトと「軟玉」=ネフライトの2種類があります。

硬玉と軟玉は、鉱物としての組成は異なるものの、見た目が似ていることからひとまとめに「翡翠」と呼ばれています。

宝石として価値があるのは硬玉のみですが、経験を積んだプロでないと正確に鑑定するのはむずかしいと言われています。

硬玉とは

硬玉は90%以上がヒスイ輝石で構成された岩石のことで、日本で単純に「翡翠」と言う場合は硬玉を指します。軟玉も含めた翡翠と区別する意味で「本ヒスイ」とも呼びます。そのためもあって「硬玉」という言葉はあまり使われません。

なお、宝石としてあつかわれるのはヒスイ輝石が50%以上含まれたヒスイ輝石岩を指します。

純粋なヒスイ輝石は白色または無色ですが、含有する不純物の種類などによってさまざまな色に変わります。

代表的な緑色はクロムと鉄によるもので、マンガンが多いと紫色に、マンガン・チタン・鉄が混じると青紫になります。ほかに、チタンと鉄による青、酸化鉄によるオレンジ色、グラファイトによる黒などの色もあります。

軟玉とは

軟玉はおもに透閃石(とうせんせき)で構成される岩石で、硬玉に比べるとやや柔らかく傷つきやすいこともあって「軟玉」と言います。宝石としての値打ちがあまり高くない半貴石という分類になります(硬玉は貴石です)。

硬玉に比べると広い範囲で産出し、中国やニュージーランド、アメリカ、カナダなどがおもな産地として有名です。硬玉が採れない中国では「玉」と言えば軟玉を指し、珍重されていました。

軟玉の色味はおもに緑色から暗緑色ですが、硬玉に比べるとくすんだ色味のものが多いようです。ほかに、黒色や白色のものもあります。

おもに鉱物の硬さ(傷つきにくさ)をあらわすモース硬度は6〜6.5。ナイフで傷を付けられない程度の硬さです。硬玉はもう少し硬く、モース硬度は6.5〜7となります。

ちなみに、もっとも硬い宝石であるダイヤモンドのモース硬度は10です。

硬玉と軟玉の見分け方

硬玉も軟玉も見た目はとても似ているため、区別はむずかしいと言われています。

両者を見分ける方法としては、

・光に透かして繊維を見る
・色味の違いを比べる
・手に持った重さを比べる
・傷付きやすさをたしかめる

などがあります。

硬玉と軟玉では結晶構造に違いがあり、光に透かしてみて石の繊維が直角に近い87度で交わっていれば硬玉、斜めの角度(124度)で交わっていれば軟玉です。

色味については、硬玉のほうが透明度が高い、緑色が鮮やかといった傾向があります。ただし、軟玉でも透明度が高いものや色鮮やかなものもありますから、目安のひとつと考えてください。

硬玉は比重が3.3前後、軟玉は3.0前後と、硬玉のほうがやや重いです。見た目より重めに感じれば硬玉、やや軽めなら軟玉と言えます。ただし、どちらも花崗岩(比重2.6前後)よりは重めなので、慣れないとむずかしいかもしれません。

硬度の違いは決定的で、硬玉と軟玉をこすり合わせて傷付いたほうが軟玉です。乱暴な方法ですが、加工前の原石を鑑定するのには効率的と言えます。

要注意!翡翠に似た石

翡翠が好きな人なら「キツネ石」という言葉を目にしたことがあるかもしれません。

キツネ石とは見た目が翡翠に似た石の総称で、人をだますと言われるキツネになぞらえて宝石として価値のある硬玉と勘違いしやすい石をそう呼んでいます。キツネ石という名前の鉱物や岩石があるわけではなく、硬玉を採取する翡翠ハンターのあいだで硬玉と硬玉以外を区別するために使われる俗称が一般化したようです。

そのため、人によっては軟玉もキツネ石に分類している場合があります。

キツネ石に分類されるものには、

・曹長石
・クリソプレーズ
・ロディン石
・蛇紋岩
・緑石英

などがあります。

素人目には翡翠との区別がむずかしいこともあって、翡翠として市場に出回っているものもあるようです。

光に透かすほか、色味や比重、硬度の違いなどで判別できる場合もありますが、硬玉を購入する際には注意が必要でしょう。

緑以外もある!翡翠の色

上にも書いたとおり、翡翠にはさまざまな色があります。

硬玉の多くは緑色ですが、純粋なヒスイ輝石は白色または無色です。鉄やマンガン、クロム、チタン、石墨といった元素をわずかに含有することで紫色や青色、オレンジ色、黄色、灰色、黒色といったバリエーションがあります。

ミャンマーでは赤色や赤橙色の赤翡翠が採れます。これは土壌中の鉄分が原石にしみ込んで付く色で、原石の外側(スキンと言います)だけが黄色〜赤色となります。ちなみに、日本では赤色やオレンジ色の硬玉は発見されていないそうです。

軟玉も緑色のほかに黄色、茶色、黒色、灰色、白色がありますが、硬玉よりもややくすんだ色合いのものが多く、色のバリエーションも少ないです。

原則として硬玉よりも値打ちが低いとされる軟玉でも、特に上質な白玉として知られる「羊脂玉(ようしぎょく)」または「羊脂白玉(ようしはくぎょく)」などは高値で取引きされます。

価値のある翡翠とは

翡翠の価値を左右する要素としては、色、産地、透明度があります。
また、翡翠は見た目をよくするために加工されることがありますが、どのような加工がなされているのかによっても市場価値が大きく変わってしまいます。

ここではどのような翡翠に価値があるのか、その特徴を解説していきます。

人気があるのはポピュラーな緑色です。日本では鮮やかで濃い色合いが、中国などでは淡い色合いが好まれるというように、お国柄などにも左右されます。

基本的には色が濃く、色ムラが少ないほど価値が高くなります。

淡い紫色のラベンダー翡翠も人気がありますし、無色で透明度の高い氷翡翠は産出量が少ないこともあって高値になりやすいです。

産地

翡翠の最大の産地として知られているのはミャンマーのカチン州です。ミャンマー産の翡翠はヒスイ輝石の含有率が高く、良質なため、価値の高いものが多いです。

日本の糸魚川産のヒスイも、現在は採掘が禁止されているため、希少価値があります。

また、前述の羊脂玉はウィグル産の軟玉ですが、品質の良いものは硬玉よりも高値となる場合があります。

透明度

透明度の高さも翡翠の価値を大きく左右する要素です。印刷物の上に置いて文字が読めるほどの質の高いものは高値になると言えます。特に濃い緑色で透明度の高い硬玉は大変に希少です。

また、内包物(石が成長する過程で内部に取り込まれた別の鉱物の結晶や液体、気泡など)や色のムラは、場合によっては石の個性ともなりますが、基本的には少ないほうが高価になりやすいです。

どういった加工がされているか

市場に出回っている翡翠の多くは、カットや研磨のほかになんらかの人工的な加工処理がほどこされています。加工の程度によって、翡翠の価値も大きく影響されます。

翡翠は加工の程度によって4つのランクに分類されます。

・A貨 カット・研磨のみ、ワックス加工のみのもの
・B貨 漂白処理や樹脂含浸処理がなされたもの
・C貨 染色処理がなされたもの
・D貨 貼り合わせや粉末などを固めたもの

上記のうち、宝石としての価値があるのはA貨のみです。

ワックス加工は石自体の価値を損なう加工ではありませんので天然の翡翠としてあつかわれます。しかし、漂白して透明感を出したり、樹脂でコーティングしたりしたもの、また人気の色に似せるために染めたりなどは宝石としての値打ちを損ないます。

こうした加工処理については鑑別書に記載されている場合もありますので、購入時には必ず確認しましょう。

最高級の翡翠 琅(ろう)かん

翡翠の中でも最高峰に位置づけられるものは「琅かん」と呼ばれます。英語では「Imperial Jade(インペリアル・ジェイド=皇帝の翡翠)」と言い、まさに翡翠の中の翡翠というイメージです。

鮮やかで濃い緑色はエメラルドに匹敵する美しさと評され、最高級品ともなるとエメラルド以上の価値があるとも言われています。

表面に油を垂らしたかのようなとろっとしたツヤ感があるのが大きな特徴です。一般的な翡翠に比べて格段に透明度が高いため、ほかの石と間違われることさえあるそうです。

やはりミャンマー産のものがほとんどですが、日本で採れたものも存在します。

獏は翡翠の買取を行っております

美術品買取専門店「獏」では、翡翠の買取をおこなっています。

翡翠には安価な加工品もあれば、琅かんといった希少で非常に高価ものもあります。しかし、一般の方には見分けがつきにくいことも少なくありません。

もし、実家じまいなどで翡翠が見つかったような場合は、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富なスタッフが丁寧に査定させていただきます。

出張買取

「獏」では出張買取も行っております。電話・メール・LINEでのお問い合わせ後、査定スタッフが訪問し無料査定を行います。金額にご納得いただければ、その場で支払いが可能で、作品もお引き取り致します。1日でスムーズに完結し、ご希望であればお振込みも対応可能です。現住所が記載されている身分証明書が必要になりますのでご用意ください。

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「獏」では持込での店頭買取も大歓迎です。予約制となっておりますので事前にご連絡の上、商品をお持ちください。査定スタッフが無料査定を行い、金額にご納得いただければその場でお支払いができます。とりあえず査定するだけでも構いません。現住所が記載されている身分証明書が必要になりますのでご用意ください。

郵送・宅配買取

遠方のお客様は郵送・宅配買取も可能です。電話・メール・LINEにて作品の詳細をお伝えください。無料査定後、ご納得いただければ必要書類をお送りしますのでご記入の上、着払いで郵送してください。到着後、コンディションを確認し最終的な金額をお伝えいたします。金額にご納得いただきましたらご指定の口座に振込という手順となります。

まとめ

お持ちの翡翠の売却をご検討の際には、美術品買取専門店「獏」までぜひお問い合わせください。

値打ちがあるかどうかわからないという場合にもまずはお気軽にご相談いただければしっかりと対応させていただきます。

獏では経験豊富でたしかな鑑定眼を持ったスタッフが、大切なお品物を丁寧に査定。正しい価値を、正しい金額でご提案させていただきます。

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