高塚省吾

高塚省吾の油絵・パステル・版画の買取価格とポイント

1930年~2007年 物故作家。
岡山県巌井生まれ。東京藝術大学美術学部に入学し梅原龍三郎らに師事する。1953年に恩師で日本美術会の委員長を務めた硲伊之助の影響から、第7回日本アンデパンダン展に出品する。以後、第11回まで出品する。新東宝撮影所美術課に勤務のかたわら「8人の会」を結成し、個展を開くなどしたが作品に恵まれず、1955年には谷桃子バレエ団の美術担当となり台本も書く。同年、銀座の村松画廊にて初めての油彩画個展開催。1956年にNHK広報室嘱託となり、1968年まで勤める。1957年より小津安二郎監督映画のタイトルを担当するなど多方面に活躍する。田原良作に彫刻を学ぶなどして制作の幅を広げていく。1968年に「週刊女性」にスターのイラストルポを担当する。1970年代初めには、春陽堂版江戸川乱歩全集の表紙絵を手がけ、1978年にはジャパン・エンバ美術賞入選。1980年に『高塚省吾素描集 おんな』を出版、裸婦美人画家としての名声を確立、その絵はカレンダーやポストカードとなり画集は広く親しまれた。

高塚省吾

高塚省吾の作品の買取ポイント

高塚省吾の作風|裸婦をモデルとした油彩画作品が多い

高塚省吾

高塚省吾といえば、<裸婦>を題材にした絵画作品ではないでしょうか。
ルノワール、梅原龍三郎、高塚省吾の共通点といえば裸婦です。更に遡ればルネッサンス期でも良く描かれていました。このように裸婦は非常に歴史の重みがある主題になります。近代の巨匠から脈々と受け継がれた表現方式を、高塚省吾流の解釈を加えた唯一無二のスタイルを確立させました。
1900年前後、近代の巨匠たちの作品は印象派の特徴ともいえる、鮮やかな色合いをキャンバス上に散りばめて、風の動きや太陽の光を表現してきました。一方、高塚省吾の作品は印象派ほど色を使わず、限定された色数の中で余白を多用しながらシンプルに描いています。
裸婦を描く作家は多数いますが、これほどまでに徹底して描き続けた作家は他にはいないでしょう。油彩作品だけではなくパステルやデッサンで描かれた作品が数多く残され、今でも高い評価を受けております。では、技法ごとの評価を見ていきましょう。

高塚省吾の現在の評価と価値

① 油絵
高価買取のポイントは、裸婦が描かれているかどうかになります。また、裸婦単体ではなく帽子や椅子などの付属品の書き込み具合によって買取価格が左右されます。
女性の絵でも衣服をまとっていると裸婦よりは落ち着いた価格帯になる傾向です。

② パステル
油絵や版画と比べても市場に多く出回っています。通常の作家ですと油絵とパステルの作品にはハッキリとした価格差が見受けられますが、高塚省吾の場合はそこまで大きな価格差は無いです。帽子や椅子などの付属品が多いほど高くなりますが、シミ等のダメージが出ていると評価額は下がります。

③ 版画
数は多くないながらも制作されています。図柄にもよりますが、厳しい評価になるかもしれません。

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高塚省吾の価格や鑑定について

高塚省吾の作品は現在も一定の人気があります。死後10年以上経過しましたが買取金額は大きく変動していません。死後相場が下がる作家もいる中で、生前と大きな価格差が無い事実は人気の高さを証明しています。
裸婦の作家として有名で市場には油絵・パステル・版画などが流通しています。その中で最も評価が高いのは油絵作品です。具体的な金額は作品次第となるため概算価格になりますが、数十万円台になる事が多く、100万円以上の作品は少ない印象です。
また、作品によっては遺族の鑑定を取得するケースもあります。

高塚省吾の代表作品や価格まとめ

  • 初夏

    初夏(油絵)

    高塚省吾の油絵作品です。帽子やストールなどの付属品があれば更に評価が高くなります。

  • ブレザー

    ブレザー(パステル)

    紙にパステルで描いた作品です。
    買取金額は10万円~15万円です。

  • 光と風

    光と風(版画)

    ジークレー作品です。

  • 後のミカエル

    後のミカエル(油彩)