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2019年12月05日 陶磁器 骨董 買取

有田焼の巨匠!柿右衛門と今右衛門の買取時にプロが見るポイント!

十四代柿右衛門
東京の骨董品買取なら獏

はじめに

絵画買取専門店 獏の小林です。

今回は有田焼界が誇る有名作家である【柿右衛門】と【今右衛門】の作品について、買取の際、プロがどこを見て良し悪しを判断しているかご紹介したいと思います。
もし柿右衛門と今右衛門の作品をお持ちでしたら売却時の参考になると思いますので、是非ご覧ください。
両作家の素晴らしさは既に様々なサイトで語られておりますので、本ブログでは実務的な話のみご紹介致します。

柿右衛門・今右衛門とは?

酒井田柿右衛門(サカイダ カキエモン) ・今泉今右衛門(イマイズミ イマエモン)は新作陶器の中でもよくお問合せをいただきます。

ご存じの方も多いと思いますが、どちらの作家も人間国宝(重要無形文化財)であり、有田焼特有の白地に色絵を施した美しい作品で有名です。
個人的には、柿右衛門は「伝統的な作風」を維持し、今右衛門は「薄墨・吹墨のような新たな表現方法を開拓している」という印象です。

柿右衛門の当代は15代目で、市場によく出てくるのは13~14代目の作品が多い印象です。
今右衛門の当代は14代目で、市場によく出てくるのは12~14代目の作品が多い印象です。

美術品にあまり詳しくない方でも、名前だけ耳にしたことがある・・・という方が多いのではないかと思います。
作家自身が単純に有名だということもありますが、市場に出回っている作品数の多さも大きな理由でしょう。

作品数が多い理由のひとつが【工房作】の存在です。
柿右衛門や今右衛門は需要の高さから【作家本人】が制作した作品だけではなく、各作家の名を冠しで工房で作られた【工房作】が流通しています。本人が制作した作品よりも安価に入手できるのが大きなポイントです。
正しく価値を評価するためにはまず、【本人作】か【工房作】かを見極める必要があります。作家ごとに見ていきましょう。

柿右衛門の見極め方

大前提ですが、「新作陶器」といわれる比較的近代の日本の陶芸作品には<共箱>という作家自身のサイン・タイトルを記した木箱がセットになっています。
【本人作】か【工房作】かは作品からだけではなく、共箱からも判断できますので作品しか見当たらない方は是非探してみてください。共箱が無いと市場評価も著しく落ちてしまうことがありますので要注意です。

~本人作のポイント~
共箱の記載→濁手(にごして)の記載アリ!
作品のサイン→銘はナシ!

~工房作のポイント~
共箱の記載→錦(にしき)の記載アリ!
作品のサイン→銘は染付で【柿右衛門】とアリ!

共箱 サイン
また、両作品とも白地に絵付けされていますが、白地の見え方が微妙に異なります。
本人作の方が少し白が濁ったような色合いで、工房作はハッキリとした白がポイントです。
一応画像を載せますが、現物を見ないと分かりにくいかもしれません。

比較 ※左が本人作、右が工房作

本人作
濁手
工房作
工房作

今右衛門の見極め方

今右衛門の作品は柿右衛門と異なり、作品に記されている銘で判断します。
工房の作品は、作品の底に<染付で今右衛門>と描かれており、本人作は<引っ掻いて今右衛門>とあります。
本人作は柿右衛門のように銘が無いように見えますが、釉薬の内側に彫っているように見えます。

また、近年の今右衛門作品は古典的な有田焼と一線を画した個性的な作風が特徴的です。作品の裏を見れば一目瞭然ですが、作品の見た目からでも判断しやすいです。

まとめ

以上、ご紹介した内容は買取価格を決める上で重要なポイントです。まず【本人作】か【工房作】を判断してから、作品の景色、大きさ、種類(茶碗・壷・香炉など)を考慮して最終的な価格が決まります。
もし作品をお持ちの方がいらっしゃれば、まず作品の裏面を見てみて下さい。柿右衛門も今右衛門も下記の画像の様に染付でサインが書かれていれば【工房作】となります。一つの判断材料にしていただければと思います。

柿サイン
柿右衛門・今右衛門作品の売却・整理・処分をお考えの方。
陶磁器を相続・遺贈で取得したが、整理・処分をお考えの方。

是非当社、絵画買取専門店 獏へお任せください。
エリアによっては無料の出張買取を行っております。是非お気軽にご相談ください。