東京の骨董品買取なら獏
はじめに
東京都大田区で美術品の買取を行っている美術品買取専門店『獏』です。代替わりや生前整理など、様々なタイミングで美術品の買取依頼を多くいただきます。
中でも特に多くお問い合わせをいただく種類のひとつが【掛軸】です。特に美術品を所有していない家系の方でも、掛軸だけは先代から引き継がれることが多いようです。また、昨今の住宅流行の変化により床の間が無いお宅が増え、将来的に飾る可能性が低いという理由で売却を検討される方も多くいらっしゃいます。
このブログをご覧いただいている方の中にも掛軸の売却を検討されている方がいらっしゃるかもしれません。
何円で買い取ってもらえるかは専門業者に問合せないとわかりませんが、問合せ前にご自身で確認出来る『買取金額が高い可能性のある作品かどうかを判断する3つのポイント※』がありますので、ご紹介いたします。
※掛軸は日本のみならず中国でも描かれています。今回ご紹介する3つのポイントは、日本の軸を対象としておりますこと、ご留意ください。(日本の軸と、中国の軸とでは見るべきポイントが異なります。)
掛軸を見るべきポイントは3つ
買取専門業者は作家の相場や作品のクオリティなど、様々なポイントを見て総合的に価値を判断します。特に作家名は非常に重要な情報ですが、掛軸は作家名が書かれていても達筆であることが多く、知識の無い方にとって判別は非常に困難です。そんな掛軸の価値有無を判断するわかりやすいポイントは下記の3つです。3つ共当てはまる場合は少し価値があるのでは・・・と期待しても良いでしょう。
① 共箱(ともばこ)か
【共箱】とは掛軸を収める木箱で、作家のサインと作品のタイトルが書かれています。これは査定金額が付くかどうかの大きなポイントであり、本来価値が付く作家作品でも共箱が無いだけで評価が下がります。通常共箱は作家本人が文字を書きますが、それ以外に、作家の遺族や鑑定人が書いた【識箱】というモノもあります。共箱よりは若干評価が落ちるものの、何もないよりは良いです。
② 二重箱(にじゅうばこ)か
【二重箱】とは共箱の状態で収納する箱です。共箱を保護する役割を持ち、高価な作品ほど二重箱がある印象です。掛軸とそれを保護する箱を保護する、日本ならではの慣習です。また、二重箱に入っている作品は【太巻】と呼ばれるモノもあります。画像で確認していただくと分かるように巻く部分が太くなっています。
③ 牙軸(げじく)か
上の画像部分です。掛軸を巻くときに使用する部分で、軸先と呼びます。高価な作品は軸先部分に象牙を使っており、それを【牙軸】と呼びます。安価な作品の場合、軸先部分は象牙でなくプラスティックです。象牙とプラスティックとの見分け方は『模様の有無』です。象牙には木の年輪のような模様がありますが、プラスティックには模様がありません。上の画像を見ると分かりやすいのではないでしょうか。
番外編:インテリアとしての掛軸
絵画にも当てはまりますが、芸術作品として制作されたモノではなくインテリア目的で制作された作品も存在します。新品で購入すると数万円しますが、資産としての価値は殆どないでしょう。作品によっては共箱に入れられていますが、本来の目的(作品の保証)ではなく、見栄えをよくするために作られている印象です。
買取のプロが見れば美術品かインテリアかは一目瞭然ですが、ある程度の経験がないと判断が難しい所です。
近代以前の古い作家ほど、多くの業者に聞くのが吉?
掛軸は非常に奥が深い世界のため、作家によっては真贋の判断が難しい作品もあります。近代の作家(横山大観、竹内栖鳳など)は所定鑑定機関が設立されているため、取扱いは容易になりましたが、それ以前の作家(狩野派、円山派など)は鑑定機関が存在しません。鑑定機関が設立されていない作家の真贋に関しては、各画廊の判断になるため評価が分かれる傾向です。そのため、江戸時代に活躍した作家に関しては、多くの業者に見てもらった方が良いかもしれません。真筆と証明できない作品が多いため、厳しい評価になる傾向です。
掛軸の買取ポイントまとめ
冒頭でも言いましたが、最終的には専門家に見てもらわないと答えはでません。また重要なのは【実際に買取する金額】です。売却を迷っていると、インターネットで似たような作品が○○万で売れていた、デパートでは○○万で売れていた等の情報が入ってきます。販売価格を参考にするのも一つの指針ですが、重要なのは作品に対して支払う具体的な金額です。可能性を追い求めるのではなく、現実的な買取金額で比べた方がより良い売却が出来るのではないかと思います。また、焦るあまりインターネットで売ってしまうと、本来の評価額より安く売れてしまうこともあります。まずはご相談いただいて、適正金額を把握していただくことが重要かと思います。
問合せする前に【高く売れる可能性があるかどうか】を判断する上では、上記の3つのポイントは約に立つのではないかと思います。ご自宅や身内の家に掛軸がある方は一度見てみてください。
作品も生き物ですので、大事に飾ってある場合は問題ないのですが、飾らずに放置しておくとカビやシミが発生するという経年劣化の恐れがあります。ご売却を検討中、または相続で引き継いでどうしたらいいか分からないなどということあがればお気軽にご相談ください。買取可能か、いくらくらいの価格になるか、迅速に回答させていただきます。
そして、売却を決断された際には、納得できる複数の買取業者を見付けて具体的な金額で比べてみてください。当社「東京の美術品買取専門店 獏」では無料査定を行っております。もしよろしければお気軽にお問い合わせください。